ヨーロッパ中世の街2都市訪問と列車の旅

期間:2007年5月2日〜2007年5月9日
山岡様 ご夫妻

GON-000133

<はじめに>

ゴールデンウィークを使って、初めての個人旅行を夫婦で体験しました。それも、あこがれのヨーロッパ。中世の街並みが残るドイツのミュンヘン、オーストリアのウィーンの2都市を散策してきました。2都市の間は電車で移動し、美しい車窓風景も楽しんできました。

私たち夫婦の共通の趣味は海外旅行で、これまで、アジア、アメリカを中心に何度も旅行してきましたが、安全面等から旅行社の企画したツアーに参加してきました。しかし、長い時間の拘束や、高い土産物屋への誘導等を何度も体験するうちに、自分達で自由に旅行したいという願望が強くなってきていました。幸い、私が何回かの海外出張を経験し、日常英会話(サバイバル英会話)ができるという自信があったので、今回、初めて夫婦2人だけの個人旅行にチャレンジしました。

計画している時は、いろんな不安もよぎりましたが、しっかりガイドブックで下調べして、パーパスの鈴木さんからいろいろなアドバイスをいただき、出発に備えました。

旅の目的は、①ミュンヘン・ウィーン都市めぐり、②電車の旅、③個人旅行挑戦でした。

5月2日(水) 1日目 <成田→チューリヒ→ミュンヘン>

スイス航空を乗り継ぎ、チューリヒからミュンヘンへ(夜7時近くに到着、現地時間は日本時間からマイナス7時間)。空港からミュンヘン中央駅には郊外電車(Sバーン8)で、約40分で中央駅へ。

ホテルは、駅から3分ほどのDREI LOWENを予約していましたが、中央駅は予想以上に大きく、現在位置もよくわかりませんでした。駅前でホテルを地図で探している時、ドイツ人の女性が声をかけてきました。その方は路面電車を待っていた人でしたが、すぐに電車が来てしまったので、あやまって行ってしまいました。するとすぐ、違う男性が「何をさがしているの」という感じのドイツ語で声をかけてきました。私たちは、地図上のホテル名を示すとし、行き方を教えてくれました。(ドイツ人は親日的と言われますが、実感しました)

ホテルはすぐわかり、星4のホテルにしては簡素な感じのフロントでしたが、部屋は、割と広く清潔でバスタブ付きでしたので、食事を含め満足しました。駅から近い場所にあることが、個人旅行者にとっては条件だと思いました。



5月3日(木) 2日目 <ミュンヘン>

地図を見ながら歩いて10分程の旧市街地へ向いました。そこでも、現地に住んでいる日本人女性が声をかけてくれ、道を教えてくれました。まず、カールス門から中心街へ入りましたが、石畳の街角が続き、自動車は排除されていました。ミヒャエル教会、ブラウエン教会の前を通り、噂の「アザム教会」に向いました。見過ごしそうな小さい教会でしたが、中は絢爛豪華な装飾で、噂どおり目を見張るばかりでした。ロココ様式でしょうか、天井も高く期待以上の教会でした。

その後、市庁舎の仕掛け時計の鐘の音と等身大の人形のダンスをお目当てに、マリエン広場の時計台の前のカフェの特等席に陣取り、11時の鐘の音と人形のダンスを楽しむことができました。地上5階にある人形は16世紀の王家の結婚式、馬上槍試合、ビール職人の踊りが表現されているそうです。

カフェで昼食後、広場から歩いて数分のレジデンツ(王宮)博物館へ入場しました。ここは、14世紀から20世紀まで続いたバイエルン王国の本宮殿で、第2次世界大戦で建物は被害があったものの復元され、美術品や財宝は保護されていたというものです。121枚もの肖像画が飾られた部屋(先祖ギャラリー)や、宝石がちりばめられた多くの王冠や王剣、金細工等が展示されている宝物殿など見学しました。

レジデンツから歩いて10分の所にある市民の買い物の場「ヴィクトリアーリエンマルクト」へ行きました。ミュンヘンと言えば「ビール」。食料品や雑貨の店や屋台店が広がっている公園のような木陰の一角に大きな野外ビアガーデンがありました。100席以上ある席は、ほぼ満席で、老いも若きも皆幸せそうな顔で大きなビールジョッキを抱えて、楽しんでいました。つまみはもちろんソーセージとポテト、タマネギの酢漬けです。私たちも一緒に楽しみました。

5月4日(金) 3日目 <ミュンヘン最終日>

朝から、市電でニンフェンブルク城(17世紀に建てられた王家の離宮)へ向いました。妖精の意味を持つ城の前の運河には何匹かの白鳥や鴨が泳ぎ、美しさを添えていました。

城内には、王様が愛した36人の美女の肖像画が飾られている美人ギャラリー、王家の日常や冠婚葬祭用の絢爛豪華な馬車やソリが多数展示されている馬車博物館をゆっくり見学しました。広大な庭には狩猟用の城館や豪華な温水浴場等があり、当時の王家の豪華な暮らしぶりが偲ばれました。

城内の庭園カフェで昼食をすませ、市電でカールス門へ。そこから市電(27番)に乗り換え、イノエ・ピナコテークへ行きました。最寄り駅で下車し、地図で美術館をさがしましたが、わからなかったので通行人に聞きながらたどり着きました。

ここは、世界有数の近代名画の宝庫で、有名なマネ、モネ、ルノアール、ドガ、セザンヌ、ゴッホ等の名画が何点も展示されていました。


5月5日(土) 4日目 <ミュンヘン→ウィーン>

ホテルをチェックアウト後、歩いてミュンヘン中央駅に向いました。駅には改札口はなく、ホームへの出入りは自由でした。私たちは、9:28発のEC(ヨーロッパ都市間特急)の14番ホームの列車を確認しました。番線は、駅掲示板に掲示されており、発車30分前にもかかわらず、すでに列車に乗客が乗り込んでいました。私たちは、乗車前に、昼食用のサンドイッチと飲物を購入し、列車に乗り込みました。

日本から予約した「1等車の指定席」に着席したものの、まだ心配で、隣席のドイツ人らしきご夫妻の男性に切符を見せて、列車と席を確認していただきました。中年の男性は、ニコニコしながら眼鏡をかけて、列車番号、座席、日付まで丁寧に確認してくれ、英語で「間違いない。この席です」と言ってくれた。「これからウィーンまで行く」と言うと、「我々も」と言った。席には、「停車駅と到着時刻が書かれた案内」が配られていた。


列車は発車時刻になると発車ベルもなく、静かに発車した。少し走ると、車掌が切符のチェックに来て、ハサミを入れて去って行きました。車窓からは、絵のように美しい南ドイツの農家の風景(5月の新緑の山々や草原の中に民家や教会、牧場等)が車窓に流れていきました。民家の屋根は同様に赤い屋根とバルコニーがあるかわいらしい家で、教会の高い屋根が風景にアクセントを添えていました。

ドイツからオーストリアに入るとすぐザルツブルグで、駅の手前からは、山の上にホーエンザルツブルグ城が見えました。そして、ミュンヘンから約4時間で1時半過ぎにウィーン西駅に到着しました。到着したホームの隣には、アガサクリスティの小説に出てくる「オリエント急行」の美しく優雅な列車が停車していました。

私たちは、予約していた西駅前のMERCURE WESTBAHNHOFにチェックインし、少し休憩後、有名な「のみの市」へ向いました。お目当ては「アンティークの掘り出し物」を探すことでしたが、いい物がなかったので、息子への土産の「アンティーク風マグカップ」を1つ買い求めました。「のみの市」から続くナッシュマルクト(食料品マーケット通り)にはありとあらゆる食料品が売られており、見るだけでも楽しい通りでした。

そこから、20分程歩き、王宮家具博物館へ向いました。ハプスブルク家の豪華な家具の展示を見学した後、大通りのウインドーショッピングをしながら西駅まで散策して、ホテルに戻りました。その夜、出発前に約束していた友人ご夫妻と会うため、地下鉄U1でカグラン駅に向いました。(彼らは東欧5カ国を巡るツアーに参加していたが、その晩はウィーンに宿泊することになっていた)

午後8時、目的のホテルに行くと大型バスが到着し、彼らの姿をロビーで見つけることができました。東京でもなかなか会えないのに、ウィーンで会えるなんて、とても感激しました。1時間程カフェでお茶を飲んでから、東京でまた逢うことを約束し、別れました。生涯忘れない思い出ができました。

5月6日(日) 6日目 <ウィーン>

シュテファン寺院そばのグラーベンホテルから歩いて王宮へ向いました。10分程ですばらしい城壁が見えてきました。600年も続いたハプスブルグ家の王宮は、現在もその絢爛豪華な4階建ての「おとぎの国のお城」のような形で、歴史な本物の威厳がただよっていました。その周囲をウィーン名物の馬車が何台も優雅に走っているのを見て、自分が中世にタイムスリップしたような感じになりました。

私たちは、「皇帝の部屋」と、美人だったことで今も人気の后妃エリザベートにスポットをあてた「シシイ博物館」、「王宮宝物館」を見学しました。各部屋がそれぞれ絢爛豪華な装飾が施されていましたが、エリザベートの部屋には、美とスタイルを保つための化粧台と吊り輪等の体操器具が備えられていたのが特に印象的でした。

ホテルに戻って、休憩後、早めの夕食を「カフェ・ヨーロッパ」の2階席でとりました。カフェ内には多くの女性たちがおしゃべりを楽しんでいましたが、彼女たちの個性的で洗練されたファッションは多いに参考になりました。

コンサートまで時間があったので、すぐ隣にそびえるシュテファン寺院に行ってみました。日曜日でしたので、夕方にもかかわらず、実際にミサがおこなわれており、大勢の市民がミサに参加していました。教会の外観もすばらしいものがあり、屋根もハプスブルグ家の家紋が大きくデザイン化されていました。

夜は、日本から予約していたシェーンブルン宮殿のオランジェリーで行われた「クラシックコンサート」に地下鉄(U4)で出かけました。1時間半の内容は、モーツアルトとヨハンシュトラウスで、「ウィンナーワルツ」や「美しき青きドナウ」等の名曲を室内管弦楽団と歌(ソプラノとバリトン)、男女のバレエで楽しみました。

5月7日(月) 7日目 <ウィーン最終日>

朝から、歩いてオペラ座へ(前日に申込み、取れたので、取りに行った)行き、夜のオペラのチケットを2枚入手できました。地下鉄(U4)で、ウィーン・ミッテ駅に空港へ行く電車の下見に行き、駅構内で飛行機のチェックインができることがわかりました。

また、地下鉄(U4)に乗り、ウィーンが誇る世界遺産「シェーンブルン宮殿」を見学に行った。いくつかの見学コースがあったが、私たちは、見学可能な40室全てが見学できるグランドツアーのチケットを買って、城内に入った。日本語のオーディオで解説が聞けたのでよく理解できた。今回の旅では、4つ目に見学する城です。最も優美で城の原型がそのまま残されていました。庭も広大で、王家の権力が理解できました。

宮殿内の豪華なカフェで、メレンシェコーヒー、トルテ(チョコケーキ)で休憩タイムを過ごしました。昼は、カールスプラッツ駅付近のこじんまりしたレストランで、名物のシュニッツェル(豚カツレツ)を賞味しました。

その後、カプツィーナ教会に立ち寄りました。ここは、歴代の皇帝の納骨所となっている教会で、ハプスブルグ家代々の12人の皇帝を含む家族の立派な棺が安置されていました。特に立派な棺は、有名なマリア・テレジア(マリー・アントワネットの母)と夫の棺で、夫婦仲のよさを示す2人の彫刻が施されていました。歴史上の遺体の入った棺を前に不思議な感動を味わいました。




5月8日(火)~5月9日(水) <ウィーン→チューリヒ→成田>

ウィーン空港からは、午前10時発の便で、チューリヒ空港経由で、翌日の朝8時前に無事成田に戻ってきました。

<まとめ>
今回の旅を経験しての所感は下記のとおりです。

1. 個人旅行は、下調べと現地での会話(英語)で何とか可能。特にヨーロッパは比較的治安もよいので、旅行しやすい場所。
2. 旅には、目的が必要。漠然と観光旅行をしても満足感が乏しい。旅の後、目標が達成されれば、満足感が強くなる。
3. 夫婦の個人旅行では、夫婦のコンビネーションが重要。今回は、計画は夫婦で、申込みは夫、下調べは妻。現地の地図・交通路線図は夫、人に聞くのは妻の担当とした。
4. 希望時期に目的地に予算内で旅行でき、大満足の旅行ができました。パーパスさんに感謝。(反省点は、持って行く旅行荷物が多すぎたこと--)

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