初めに
一生に一度でいいから海外でスキーをしたいと、ずっと夢を抱いていました。子供も卒業して余裕が出てきたので思いきってカナダのウィスラーへオリンピックの前年に行ってきました。あの広いゲレンデとパウダースノーに魅了されて、夢は叶ったけど、帰国するとき、新しい夢ができた。「もう一度行ってみたい」と言う夢・・・
何社かに問い合わせし、いち早く具体的な提案を貰ったパーパスで検討を始めたが、決め手は、担当の方に旅がどんなに楽しいかって、口説かれたこと、その後色々我儘に付き合ってくれたパーパスの横田様に感謝しています。
1.初日
朝早く大阪を出発し、成田からスイス空港で一路チューリッヒへ。
チューリッヒでは、到着ゲートから電車に乗って入国審査までいくので、意外に時間がかかる。荷物はフリーパスで、鉄道駅を目指す。
ふと気がつくと20分しjかない!あわてて「Railway はどこだ?」なんて二人で叫びながら、小走りで下りて行く。改札口は無いのは分かっていたけど、ホームへの階段の入口にある行き先表示はドイツ語でさっぱりわからない。特に経由なので Zermatt 行きなんて電車は無いので、出発時刻だけが頼り。同じ時間の列車が1本だけなのを確認して、あわてて、電車に飛び乗る。
チケットは2等5号者162と書かれている。列車が出発しても号車が分からない、荷物を置いて列車内を探検するも、分からないので物売りのおじさんに、「5号車どこ?」ってチケット差し出して聞くと、「2等なんだからどこでもいいんだよ」だって、ビールを買ってふ~っと一息つくけど、あわてたので汗だくの体に、ハイネケンが染みてうまい。
車内で車掌が検札にきて、何やらフランス語でしゃべってるので、英語でお願いって言ったら、英語でしゃべってるんだって、親切に Visp では乗り換えで3番線のホームですよって教えてくれたんです。失礼しました。
途中フィフス(Visp)で乗り換えて3時間半でツェルマット到着。ホームに下りると、日本人の女性が嬉しそうに走り寄って来た。名前を呼ばれてはいって答えて、あぁ、現地のスタッフの人だと気がつく。
駅では青いイルミネーションに飾られた大きなクリスマスツリーが出迎えてくれるので、ちょっとうっとり。ホテルは200m程の所にあるが、タクシーで送ってくれた。
ホテルでオリエンテーリングしてくれたスタッフの女性、後で少しだけ同行して街の案内をしてくれた。別れ際「じゃあいつでも電話してください」って明るく言ってくれたが、なんか少し親近感を持てる人だった。その理由は後日分かることになる。
その後、彼女が高いですよって言っていたマクドナルドで軽食を・・・・
「マックバーガー9.5フラン??、マッターホルンみたいに高っけー」
「日本には100円マックがあるの教えて来いよ!」
2.スキー初日は猛吹雪
翌朝、寝不足のまま朝食をとって7時半、外はまだ暗いし、雪が降ってる。そう言えば、スタッフの彼女、今日と明日は吹雪くって言ってたなぁと思いだす。
駅前でレンタルスキーを調達して、スキーパスを駅に買いに行く、インターナショナルチケットって言うと、「今日は閉まってるよ」ってチケットを売ってくれない。「3日間居るから売ってくれ」、「あら、そう?」「じゃぁ233フランね」
電車に乗り込み、ゴルナーグラートへ登っていく、車内放送はドイツ語、フランス語、英語と日本語でやってくれるからうれしい。けど今日はゴルナーグラートへは行かないって言うから、がっかり。そんな放送は英語で聞きたい。
途中のローテンボーデンで降ろされた、ところが吹雪で目の前真っ白、何も見えないし、コースがどこかもわからない。人影を見失わないようについて下りて行く。吐き気と戦いながら何とかリッフェルベルグに下りて、レストランで休憩。相当寒い、一休みしてもう一度吹雪の中をリフトで登って下りてきた。相方はここでとうとうダウン、おそらく高山病の様だ。標高2900m。
止む無く電車で街まで下りてきた。こうなると午後から暇なので、ツェルマットの街をのんびりと散策。これはこれで楽しい。
一回り3時間程、夜はやっぱりチーズフォンデュでしょって、担当の方のお勧めのレストラン casa Rustica に行ってチーズフォンデュが食べたいっていったら、予約じゃなきゃダメって、でもミートフォンデュなら ok っていうので注文したら、これがおいしいので、完食しました。
絶対チーズよりうまい!と思う。チーズは店内で食べる場所を限定してるんだって。
3.スキー二日目は雪と高山病
この日も電車はゴルナーグラートへは行かない、リッフェルベルグで降ろされた。でも雪は降っているが風が無いので、視界は広く、滑り易いので、ちょっとルンルンです。
途中誤って、マッターホルンのゴンドラに乗ってしまった。こちらは吹雪いているのでよく見えないが標高3000mがいけなかった、この日は私のほうが高山病にかかってしまった。もう平衡感覚が無くなって、平地でぼてぼてこける様になったので、危ないので下りることにした。
今日は、チーズフォンデュ食べるぞ!とホテルを出ると、同じホテルに泊まってた日本人に呼び止められて、ホテルのシルベスターに飛び入りで参加することにしたが、おいしかったのは前菜だけ、あとは苦痛でしたね。
街に繰り出し3、2、1とカウントダウンでシャンパン浴びながら、夜空に盛大にあがる花火も堪能した。
ふと見ると、相方はちょっとおばさんにハグされて、キスされてました。それを見た私はそっと、彼の陰に身を隠す。いいですねぇ、ばか騒ぎ・・・。
4.スキー三日目は快晴 マッターホルン
漸く晴れ、念願のマッターホルンを望みながらスキーを堪能することができました。もうとろけてしまいそうな程、スバラシイ絶景です。
このすばらしい感動を頂上からスマホで家族にメール・・・地球の裏側なのに即座に「よかったね」って奥さんから返事が来る。もうこそばゆいほど嬉しくて、楽しい!
凛として冷たい空気、雄大な景色に包まれながら、颯爽と風を切りながら滑走するって最高!!ですよ、ほんと最高ですねぇ、うん最高!!、いや~楽しかったぁ。
イタリア側で思う存分スキーを楽しみ、結局最終便で下りてきました。
この日山で偶然現地スタッフの方にお会いしたんですが、ガイドツアー中で、きらきら輝いた目で楽しそうに話しかけてこられました。多分、趣味を仕事にしているんでしょうね、人として素敵な方でした。
5.四日目はベルン観光
朝ツェルマット駅での出来事。
駅には切符売り場が無く、自動販売機があるだけ、事前の調査ではベルン往復83フランだった。自動販売機を English にして選んでいくと330フランなんてバカみたいな値段が出てくる。「????」
横のおじさんに、ベルン行きたいんだけどって聞くと、結局よくわからんと言われた。夫婦連れが先に切符買わせてくれと言って、買った。困ってるとどうしたのって聞くので、ベルンまで行きたいんだけど、バカ高い値段が出てくるんだって言うと、ふ~ん、しばらく触ってみて「最初の画面に出ないところには行けないんだよ」って、あの~ディスチネーション選び直せるし!、後3分だ・・近くでずっと見ていたおじさんと目があった・・・「電車の中で買えるよ」、そうだその手があった。「皆さんありがとう、車内で切符買いま~す」って飛び乗った。
電車に乗ってしばらくすると、車掌が検札に来た「俺達切符持ってないんです」って言ってみると、さっきのおじさんだった。笑顔を寄こしながら「どこへ?」「332フランですよ」「げっ、チーズフォンデュ食べられなくなる」と掴んだ現金を離し・・・「カードでお願い」「いいよ」。
あとで相方が、「一人片道83フランなら辻褄が合う、自動販売機も間違って無かったんじゃぁないか?間違ってたのはお前だ」って言う。結局みんな巻き込んで大騒動でした。
ベルンへの道は「世界の車窓から」さながらの風景で、ずっと目が離せませんでした。
ベルンはあいにくの雨でしたが、担当の方が作ってくれた手作りの地図を片手に散策。大聖堂に登って旧市街を堪能しました。登るのはかなりしんどいです。高所恐怖症と閉所恐怖症の方はやめといた方がいいですね。
担当の方に紹介して頂いた、la Mazot でチーズフォンデュ・・・本場のチーズフォンデュは塩分が多すぎてちょっと重いですね。あっそうそう、チーズと、トマトフォンデュを一つずつ食べたいって言ったら、トマトはやめとけって言う、でも、お勧めなんだから絶対おいしい筈、しつこくどんな味って聞くと、酸っぱそうな顔して口に合わないからやめとけって、そのおじさん、チーズが一番だって言うので、結局チーズフォンデュ2人前にしました。
ベルン駅では、2Fにあるツーリストインフォメーションのお姉さんにお世話になりました。「地図くれー」「無料トイレを教えろ!」「傘どこ売ってるんだ」「列車の時刻表くれ」って何度訪れても笑顔で対応してくれました、最後のタイムテーブルは小さくて字が読めないって言ったら、ぷって可愛く吹き出されてしまいましたけど、ツェルマット行きはここって開いて見せてくれました。ほんと可愛くて親切でしたね。でもここで売ってる傘はすぐ壊れますよ。
6.帰国
どんなに楽しいことも終わりがやって来る。一回の乗り換えで済むようにフィフスで30分待ち、駅のコンビニでちょっとコーヒーサーバーと格闘して、朝ごはんを仕入れる。
チューリッヒ空港には10時過ぎに到着、長い行列に並んだ自動チェックイン機でチェックインできずエラーになる、係員を引っ張ってきて、やってもらったけど、やっぱりエラーになるのでヘルプディスクに行くと、何の問題も無くチェックインできた。自動チェックイン機は「Quick Check In」だって。ほんとかよ!
免税店では、娘に頼まれていたディオールの香水とマスカラが無かったので、娘にメールする「なんでもいいから買って来て」って返事が来たが、店員に聞くと、何やら秘密めいた場所のディオール専門店に連れていかれて、「これ」って渡された。なんだあるじゃん。どうして上の店に無いの?って聞くと、上の店は新しいから、広いスペースが取れなかったんだって。
チェックインで時間使いすぎたので、慌てて家族全員の土産を買った後、ビールを一杯あおって、飛行機に乗り込む。短くあわただしい旅だったけど最高の思い出ができました。
これで、またひとつ、夢が叶いました。
となると、次はシャモニーに行く夢をみるかな?