「太陽の光が降り注ぐ芸術の国、スペイン」と
イメージを膨らませながら、到着したマドリード空港、第一声に「寒い!」
すれ違う人たちはジャンパー、コートを羽織っている。
空港出口でネームプレートをかざし待っていたのは、依頼していたドライバー。
皮のコートにスリムでダンディーな男、この車だと指差したのは黒のピカピカのベンツのワゴン。
サービス精神はまさにプロだなーと納得。
今回の旅行はクラシックギター製作家の工房巡りで、観光が主な目的ではない。だから添乗員もいなければ、分単位のスケジュールもない。なかば成り行きにまかせての気楽な二人旅。
でも、スペイン語はチンプンカンプン、英語もかなり無理がある。大丈夫かな~っ。不安だらけの冒険旅です。ホテルは英語が通じるので、片言の単語でパス。
さて、マドリードの中心街の
ギター工房を探しあてドアを開けた、なんと汚い、ショーウィンドーは埃が積もって、雑然と物が重なっている。有名なギター製作家で気難しい性格だと事前に訊いていたのだ。でも親切に快く受け入れてくれ、少々安心した。ただ英語は全くダメ。
それから試奏させてくれたギターが気に入ったので買おうかとクレジットカードを差し出したら、カードはやってない。現金オンリーとの事。いやはやマドリードの中心街でも、超アナログ的人間がいるのだなぁと変に実感。
次にコルドバに到着。
夕方お腹が空いたのでレストランを探す。コルドバ駅周辺なのに店がない。ホテルのレストランは夜8時からだ。結構歩いたが、疲れたので、食べることが無いだろうと思いながら日本から持っていったカップ麺で我慢することにした。
グラナダでは
「 SEMANA SANTA 」というキリスト教のお祭りが開催中で、ホテルの周辺は身動き取れない有様。山車と楽隊の行列と民衆で夜遅くまでにぎやかだ。
ホテルは、窓からアルハンブラ宮殿の塔が臨める良い場所にあった。
出発前、ホテルのランクはスタンダードクラスと訊いていたが、なかなか立派なホテルで、部屋も上質で快適だった。以前大手の某旅行会社のツアーで来たときの、スーペリアクラスのホテルと比べると格段に良かった。
街を歩いて信号赤で待っていると、ほとんどの人は赤で平気で渡っていく、子供連れのお母さんもお構いなしだ。なんと言うマナーの悪さだ、と思ったら、赤でわたるのは左右注意して渡るので安全だという、青で渡ると車が突っ込んでくるので危険なのだと。なるほどそういう理屈もあるらしい。
グラナダでアルハンブラ宮殿を見学したあとわれわれは数件のギター工房を訪ね、いろいろなギターを試奏させていただいたが、持ち帰るギターは無かった。でも快く製作の約束を取り付けバルセロナ経由で帰路につく事にした。
グラナダで3泊の内1日だけ日本人のガイドをお願いしたが、しゃべれなくとも割とスムーズな旅程で満足だった。