9月19日から24日までの6日間、スイスへ行ってきました。
訪れた主な場所は、
○オリンピック博物館
○FIFAワールドフットボールミュージアム
○スイスサッカースーパーリーグ FCチューリッヒ VS FCトゥーン戦
○ゴールデンパスライン(鉄道)
です。
スケジュールに従って今回の旅を紹介します。また、訪れた場所で見たもの、聞いたもの以外で旅の途中に遭遇した問題点を今後海外に出掛ける方の参考のために紹介します。
* * * * *
スイス(チューリッヒ)へは、スイス・インターナショナル・エアラインズの直行便を利用しました。パーパスさんのプランニングですが、チューリッヒに到着後同じスイス・インターナショナル・エアラインズのスイス国内線に乗り継ぎ、ジュネーブまで続けて移動する計画です。
ところが、乗り継ぎ時間が40分しかなかったのでその点確認したところ、スイス・インターナショナル・エアラインズでは、40分をチューリッヒ空港の最短乗り継ぎ時間に設定しているため搭乗可能ということで指定されたもので、まさに今回私たちのプランが40分での乗り継ぎでした。
初めて訪れる海外の空港で、保安検査や入国手続きをしたうえでの乗り継ぎになり出発前から心配でしたが、結果的にチューリッヒ到着が30分ほど早着だったことと乗り継ぎ便の搭乗口を案内する電光掲示板や進路を示す表示が多数ありスムーズに移動できたことから、無事乗り継ぐことができました。ただし、定時運行だったり短かった入国審査を待つ列がもっと長ければ遅れていたかもしれません。
やはり乗り継ぎ時間は、1時間以上必要だと思います。トランジットの場合も含めてチューリッヒ空港で乗り継ぎされる方は、短い時間(40分)でプランニングされる場合があり要注意です。
ジュネーブ到着は、夕方でしたので空港からジュネーブ駅横にあるホテルまでSBB(スイス国鉄)を使って移動しました。ジュネーブ空港駅からジュネーブ駅までの鉄道運賃は、2CHF(スイスフラン)【日本円で約230円】ですが、荷物受け取り場にある案内所の横に「ジュネーブ駅までの無料チケット」を発券する機械があり、みんな利用していたので私たちも利用させていただきました。
また、ホテルでチェックインした際、2日間(到着した日とその翌日)有効の「ジュネーブ市内公共交通機関無料利用券」をいただき、夕食を取るために外出した際に利用しました。ジュネーブ市は、観光客にやさしい街のようです。
そのホテルでのことですが、携帯電話を充電しようとしたところコンセントの穴が2穴だと思っていたのに3穴だったのです。パーパスさんにいただいたホテルの資料も2穴と紹介されているのですが、室内のコンセントすべて3穴でした。
日本から持参した海外のコンセントに差し込んで日本の充電コードが差し込めるようにする「変換プラグ」も2穴だったので使用するのを躊躇したのですが、室内にあった電灯のピンを見ると2本だったことから、ピン2本を差し込んでも使えるのではないかと思いためしたところ、3穴のコンセントに2本ピンを差し込んだだけでも通電し、充電可能でした。
翌20日は、ジュネーブ駅12:49発のスイス国鉄RE(近距離の急行)を使ってローザンヌへ移動しました。ここでスイスと日本の鉄道施設の相違点について説明します。スイスだけでなくほぼすべてのヨーロッパの国も同様ですが、
○改札口がない
○自転車をそのまま持ち込める
○ほとんどの列車に1等と2等がある
○指定席車両として区別される車両はないが指定席を購入することは可能
○発車ベルはなし、ホームの案内放送もほとんどない
となっています。
話を私たちに戻します。ローザンヌ駅から地下鉄に乗って移動し、一旦ホテル(ここでも公共交通機関無料乗車券をいただいた。)へ寄ってチェックインして荷物を置いてから、歩いて10分ほどのところにある五輪博物館へ行きました。
五輪博物館は、これまでの大会関連品や写真の展示が主なものですが、私が見たいと思ったのは、これまでの夏季・冬季すべての大会のメダルでした。以前、オリンピックのメダルについて、開催都市は、選手に授与するもの以外余分に作成してはいけない、ただし金・銀・銅ひとつずつだけ余分に作製してIOCに提出することになっているということを聞いたことがあり、その余分のひとつがここの博物館に展示されているのです。
実際見てみると初期の頃は、小さくて地味ですが、回を重ねる毎に特色あるメダルに変わっていくのがよくわかりますが、どの大会も、一番輝いているのはやはり金メダルでした。
ちょっと、時間を戻します。五輪博物館へ向かう前、ローザンヌの駅に着いた時の切符の購入に関する話題をふたつ。
ローザンヌ駅からホテルまでは、地下鉄で移動しましたが、ホームはすぐに場所が分かったものの切符が買えません。ホームに降りる途中、見かけた自動販売機を見るとICカードやクレジットカードを差し込む場所は、わかりますがお札を入れる場所が見つかりません。まだ、スイスであまり買い物をしていなかったので手持ちの硬貨が少なかったし、手元にある硬貨も見慣れないためいくらの硬貨をもっているのか、わからなかったため、お札で購入しようとしても入れる場所がわかりません。駅周辺を探し回ってもお札の使える自動販売機は、ありませんでした。
仕方がないのでいざとなったらクレジットで購入する覚悟でもう一度自動販売機を観察すると硬貨を入れる穴が見つかりました。目的地の駅まで2.30CHFでしたので、財布の中を確認すると5CHF硬貨が複数あり、これを使ってなんとか目的地駅までの地下鉄切符2枚を買うことができました。日本と違いお札を使う機能を持たせていないようでした。
もうひとつは、翌日使用するチューリッヒまでの切符をローザンヌ駅の窓口で買ったときの話です。当初、パーパスさんの計画では、ローザンヌからチューリッヒまで約2時間で行けるベルン経由(一般的な路線)の列車を提案されましたが、これをお断りして一日かけてスイスの山の中を横断する「ゴールデンパスライン」を通るルートとしました。
切符を自ら購入するためあらかじめルート、駅名、乗車日や等級をドイツ語で記入した紙を日本で作成して持参し、窓口の女性に示しました。すぐに内容を理解してくれたようで切符を作ってくれましたが、一部混み合う区間があるので指定席の方が良いというので言うとおりにして無事、ゴールデンパスライン経由の切符を買うことができました。
乗り継いで行く列車時刻を書き出した紙も持っていたのですが、窓口の女性がどの列車に乗るのか聞いてきたのでその紙を見せたところ前述のとおり混み合う列車について指定席を買った方が良いということになったのです。
ちなみに、金額は一人当たり乗車券が168CHF、指定席券が16CHFでした。ゴールデンパスラインは、スイス国鉄ではない別の鉄道会社ですが、スイス国鉄のホームページで時刻を調べることもできますし、窓口で通しの切符を買うこともできました。
最後に、日本人でこのように紙に地図を書いて切符を買いにきた人はいるか聞いたところ笑みを浮かべながら首を横に振っていたのが印象的でした。日本でも複雑なルートの場合は、この方法を使うことですぐに切符を買えましたが、相手にわかりやすく伝えるためには、スイスも同じだと思いました。
ゴールデンパスラインを使ったローザンヌからチューリッヒへの移動の日の話しです。私たちが乗車した列車は、次のとおりです。
到 着 発 車
ローザンヌ 7:50 3番線発 IR
モントルー 8:11 3番線着 8:44 5番線発 RE
ツヴァイジンメン 10:52 5番線着 11:02 6番線発 R
シュービーツ 11:47 5番線着 12:05 2番線発 R
インターラーケンオスト 12:28 8番線着 13:04 4番線発 IR
ルツェルン 14:55 12番線着 15:11 6番線発 IR
チューリッヒHB 15:56 5番線着
モントルーからルツェルンまでの約210kmが「ゴールデンパスライン」です。絵葉書のような山と湖のなかを列車が走る鉄道です。最高地点は、1,274mに達し急勾配となる区間には、ラックレール式が採用されています。区間によって線路幅が違うため度々乗り換えが必要です。
最初に乗ったモントルーとツヴァイジンメンの間が指定席券を持っている区間で、確かに利用者は多かったのですが、杖を持っていたり厚底の靴を履いた登山者と思われる人が多くを占めていました。時期的に山登りもシーズンの最後ではないでしょうか。
面白かったのは、私たちが指定された席には、赤地に白い字で「RESERVIERT」などと書かれた小さい布がシートの背の部分に置かれていたことです。指定席券が販売されていることを示すものですが、少数ですが他にも同様の布が置かれている席がありました。
車窓は、岩肌が露出した山と湖の間に短い草が生えた草原が広がるという状況がずっと続きました。短い草が美しい景色を作り出しているのですが、その草は、人の手により刈り込んであるようにも見えますが、あまりにも広大な面積になるので、方法はわかりませんが、自然に形成されていると思われます。
予定通りチューリッヒ中央駅に到着しました。ここからホテルに向かうのですが、歩いてホテルに向かうことにしました。距離は約1.5kmですが、途中翌日観戦するスイススーパーリーグFCチューリッヒのファンショップがあるので、そこでチケットを買ってからホテルに向かいました。チケットを買う際、「日本から応援に来た。」と、伝えたところ声を上げて喜んでくれました。
地図を頼りにではありますが、迷うことなくホテルに着きました。ホテルは、翌日行く予定のFIFAミュージアムの向かい側でした。
ホテルでちょっとした問題が発生しました。携帯電話を充電しようとしたところ、穴が三つなのはいいのですが、1cmほどの溝のなかに三つの穴が開いているため日本から持参した変換プラグが差し込めないのです。列車の中で少し充電したのですぐに充電する必要はなかったので翌朝、フロントに行きなんとかならないか相談したところ、差し込み可能な変換プラグを貸してくれました。
携帯電話を充電完了させたところで、すぐ向かいのFIFAワールドフットボールミュージアムへ行きました。ここも、五輪博物館同様、過去の大会を振り返るコーナーやグッズの売店などがありました。女子のワールドカップについても展示されていたので、2011年大会で優勝した日本が大きく取り上げられていて画面いっぱいに澤選手が写し出されていました。
午後は、スイススーパーリーグFCチューリッヒの試合が行われるレッツィグルンドスタジアムへ路面電車に乗って向かいました。
午後4時キックオフの約2時間前にスタジアムへ着きましたが、観客と思われる人は、ほとんどいなかったため数少ない観戦者と思われる人に開門時間を聞いたところ試合開始1時間前の午後3時でしたので、再び路面電車に乗って時間を潰したのちスタジアムに戻ると、今度は、ゲート前や切符売り場に多くの人が並んでいました。
道路沿いにあるゲートからスタジアム内に入ると入ったところが、スタンドの一番高いところで、すべての席は、階段を下ったところにあり、ピッチが最深部にありました。開場が試合開始1時間前でしたのですぐに練習が始まり、両チームの応援も始まりました。
結果は、ホームチームのFCチューリッヒが2:0で勝利したのですが、Jリーグの方が高いレベルにあるように感じました。ただ、既にVARを導入していて前半23分にゴール前でボールを持ち、決定的な状況だったFCチューリッヒの選手が背後からチャージを受け倒された場面で、倒された選手は手を挙げてファールをアピールしていましたが、そのまま流されボールアウトとなったところでVARとなり、ピッチ横にある画像を確認した審判が、背後からのチャージをファールと判定し決定的機会の阻止ということでレッドカードがアウェイのFCトゥーンの選手に出されて退場となりました。電光掲示板にもその旨示され、その進行自体に観客が違和感を示すようなことありませんでした。
全体的にJリーグと雰囲気は、同じで海外の試合を観戦しているような感覚はありませんでした。
ひとつ、うれしいサービスだと感じたのは、冊子となったマッチデープログラムが無料配布されていたことです。Jリーグで冊子となったマッチデープログラムのあるチームは、浦和、川崎及び清水くらいでいずれも有料です。文章はドイツ語なのでわかりませんが、A4、39ページの豪華版でした。
試合終了後は、そのまま路面電車でホテルに戻りましたが、路面電車が増発されていて混雑らしい混雑もなく帰ることができました。
最終日は、朝から雨でした。それほど強い降り方ではありませんでしたが、ある程度買い物も前日までに済ませていたこともあり、どこにも寄らずホテルから路面電車で直接、チューリッヒ空港に向かい翌朝、成田に到着、帰国しました。
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今回の旅行を総括すると、改めてスイスの素晴らしい景色とゴミのないきれいな街に驚きました。手入れや掃除している人を見かけませんでしたが、みんなが美しい街を心掛けていてこまめに掃除などをしているのではないでしょうか。
また、食事については、これといった紹介するようなメインメニューはありませんでしたが、どれもおいしくいただけました。そのかわり物価は、日本と比べ少し高いように感じました。公共交通機関も鉄道、バスが充実し、渋滞もないように見えましたが、運賃が若干割高でした。ただ、そうした点を割り引いても、人の優しさが溢れる美しい国スイスは、十分訪れる価値のある国だと思いました。