クメールの至宝を訪ねて~カンボジア世界遺産紀行5日間

期間:2023年02月19日~2023年02月23日
田中 勝弘 様

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2023年2月19日

関空発10時半のベトナム航空に乗り、ハノイ経由で、カンボジアシェムリアップ国際空港に18時50分到着。お迎えのカンボジア人日本語ガイドBunhainさん30歳(大変優秀なガイド)に会い、SAEM SIEMREAPホテルに専用車で向い、ホテルチェックイン。

日本からシェムリアップへの直行便はまだありませんが、今、新空港を建設しているので、将来はもっと早く行けるようになります。

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宿泊したホテルのプール
宿泊したホテルのプール

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まだまだ寒い2月の日本から南国の楽園到着です。昼間の最高気温は32度、最低気温は22度位。日本との時差は2時間。今回のツアーは夫婦2人だけ対象の(株)パーパスジャパン主催らくちんツアーで、ホテル宿泊、全食事、専用車、日本語ガイド、全入場料がついて、現地ホテル3泊機中1泊5日間で、1人286470円でした。

大成建設で1級建築士としてのキャリアも60才定年で終わり、今63才、北海道余市町でオチガビワイナリーの経営をしてますが、建築士として人生に一度は訪れたい文化遺跡視察の旅です。
別途費用は、e-visa取得費36ドル、海外旅行保険5千円程度、国内交通費、現地レストランでの飲物代1店舗5~15ドルだけ必要です。ドルはどこでも使えますから現地通貨リエルに両替の必要はありません。チップの習慣はないようですが、特別なサービスを受けてお礼に渡すと両手を合わせて大変喜んでくれます。素朴さが感じられます。

2月20日

朝5時アンコールワット朝陽鑑賞ツアーからスタート。
アンコールとは王家の都市、ワットは寺院という意味。この乾季の時期は毎日晴れてますから美しい朝焼けが見れます。

アンコール王国は9世紀~15世紀まで、629年間続いたインドシナ半島で繁栄した王朝です。アンコールワットは約1100年前に建設された1.3km×1.5kmの世界最大の寺院であり、今でも日本の補助で遺跡修復作業がされてます。
その近傍のアンコールトムは約1000年前の森と寺院からなる一辺3kmの都市遺跡です。トムとは大きいという意味です。寺院建築の材料は50km離れた山から切り出された砂岩とラテライトで、砂岩表面には壮大なレリーフが掘られてます。

アンコールワットもアンコールトムも完成までに約30年間かかりました。今は流行りの気球もドローンも飛んでます。

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まだまだ日本人来訪者の割合が少なく(全観光客の%位)、欧米人や韓国人観光客が中心ですが、全体的にはコロナ禍からの回復途上です。マスク着用は機内だけで、カンボジア国内ではもう必要ありません。

2月21日

カンボジア滞在3日目。アンコールワットのあるシェムリアップ市から一般道を4時間。は~るばる来たぜ~、プリビフィア(現地発音、ガイドブックにはプルア・ヴィヘア)。

カンボジア2番目の2008年登録世界遺産。アンコールワットよりさらに古い約1300年前のタイ国境にあるヒンズー教の天空寺院。日本人はまだほとんど来ない場所みたいです。外国人も6人会ったくらいで少ないです。

昼食はシェムリアップ市内で調達したお弁当、そしてなぜか途中道沿いの庶民飲食店にそのお弁当を無料持込みOK。現地の人はこの飲食店で、粗食を1~2ドル位でランチしてます。カンボジア人はタイ人と同じように、朝食やランチは外の飲食店で軽く食べるらしいです。だから太ってる人がいません。田舎の飲食店では氷がかなりヤバイです。リヤカーの汚れた板の上で運んでます。お腹ピッピーでしょうね。ガイドさんにビールやジュースに氷入れるのを止められました。

朝8時に出発して、途中ランチして12時半頃プリビフィアの山の麓のゲートに到着。そこからトヨタ4WD車に乗り換えて、35%の急斜面道路を登り、寺院参道入口へ。タイとの国境線紛争が長く続き、今でも両国警備兵が駐屯してます。谷向こうにタイの駐屯基地が見えます。

この寺院は、山の北側入口で、参道は南向き、南北軸水平800m、高低差120mの参道を登ります。ここの砂岩は風化が激しく、廃墟化した遺跡がゴロゴロ、その頂上標高650mに本堂があり、何故か子供の牧師が地元民に、祈りを捧げてました。この本堂の裏手にパワースポットなる断崖絶壁がありました。眼下600mには、粗な低木森林や草原が広がり、ところどころ、煙が出てますが、これは自然発火したものだそうで、自然に鎮火するらしく誰も気にしてません。

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天空の寺院(パワースポット)からの眼下600mの眺め、煙が自然発火した野火
天空の寺院(パワースポット)からの眼下600mの眺め、煙が自然発火した野火

帰りは途中休憩なしで3時間半でシェムリアップまで戻り、午後6時半にフレンチレストランKHEMAに到着し、フルコース。メインはステーキ料理を選択、しかし一番驚いたのはフランスパンとバターのレベル最高級の味でした。パンは1本200円くらいで日本より少し安い感じです。

2月22日

早朝より気温30度弱、今日の午前中は自由行動ということで、ホテルからアンコール国立博物館までブラブラ歩いて10分。歩いてる人は皆無。暑いから?皆さんタクシー代わりにツクツク(スクーターで引っ張るリアカー)に乗ってます。最初に料金決めるので、ぼられることはないそうです。

ツクツク(リアカータクシー)
ツクツク(リアカータクシー)

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9世紀から15世紀まで、629年間続いたカンボジアのアンコール王朝文明の建築と仏像美術のお勉強。1000体の仏教が納められた部屋はさすがに凄い。その中で一番美しい女性像を見つけました。

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日本語ガイドフォンで2時間半びっしりクメール芸術を学び、その後、昨夜のフレンチレストランでランチ。さすがに胃袋も疲れており、アルコールは自粛。メインはチキンのフレンチソース。このレストランは街の中心部なのにかなり空いてます。観光客がまだまだ少ない証。

その後、琵琶湖の3倍の面積のトンレサップ湖のクルーズ。クルーズと言っても古い屋形船で、水上生活者船を見学するという由緒正しき遺跡とは真逆のツアー。赤茶色の水は雨季には綺麗に清んだ風景になるらしいです。

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その後、街の繁華街のオールドマーケットとその周辺パブストリートを散策。ここでひったくりに会ったら本日の帰国は不可能。多くのツクツク運転手に声をかけられるもトラブルはなし。

セブンイレブンが有ったので、値段をチェック、地元ビールは1缶90円、日本アイスクリーム150円、日本ビール300円、インスタント味噌汁8パック550円。日本食品は日本よりやや高いかな。

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パブストリートのカフェ
パブストリートのカフェ

その後、シェムリアップ国際空港に向かい、19時50分発でハノイに向かいトランジット、翌朝6時40分に関空到着。空港からマイメルセデスで50分で自宅到着。

文化財保存の大切さ、懐かしい日本の1960年代の農村情景、仏教信心の素直な民族性を感じる旅でした。

9世紀~15世紀に繁栄したアンコール王朝は、インドと中国との交易中継地としての地理的優位性と、水が豊かな肥沃な大地による高い農業生産性で、12世紀頃世界の最先端都市のひとつだったわけです。文明の盛衰とは不思議なものですね。

ツアープランナーからのコメント

アメリカのナパワイナリー巡りに続いてご依頼いただき、ありがとうございました。壮大なアンコールワットと周りの遺跡群に加えて、プレアビヒアの天空の城も満喫いただけてよかったです。旅行記から教えてもらえることもたくさんあり、いつもありがとうございます。自然発火して山火事が自然に消えていくのは驚きですね。トゥクトゥクや耕運機を利用した移動手段などもご覧になられたのではないでしょうか。放し飼いにされた牛や鶏などどこか日本の昔にもあったような風景とともに古の王国やクメール文化からたくさんの刺激を受けられたことと思っております。この度もありがとうございました。

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