2度目の脳内出血による後遺症と
パーキンソン病による下半身不随である73歳の父を刺激ある世界に触れさせたく、思い切って家族3人でイタリア旅行に行ってきました♪♪♪
父は約20年、遠出したことが無く国内でも極々限られた場所に半日出掛けるくらいがいいところでした。海外なんて夢のまた夢で、すっかり諦めていました。半信半疑で相談を持ちかけてから出発まであまり日程的に余裕も無かったのですが、何度も細部にいたるまでこちらの意向を電話やE-mailでお問い合わせ頂き、パーパスジャパンの行き届いた対応だけでも、すっかり感心してしまい、安心して出発を迎える事が出来ました。
2都市5日の旅程が出来上がってきたところで、私達家族が欲張ってしまい「どうせ行くなら、もう1都市追加で・・・」と申し出て急遽、ベネチアを皮切りにローマ、フィレンツェ7泊9日の3都市巡りになりました。
勿論、ホテルと移動の飛行機、列車、車、ボート全てにおいて車椅子対応での手配と本人の苦労を考え、毎日半日のガイド付き観光ということになりました。
父は高齢男性に特有の前立腺肥大でもありますので、1時間おき位にトイレに行く必要があります。その為、機内では人目を避け最後尾の窓際のシートアサインにして頂き、毛布を被せ、携帯用の尿袋を使用しました。あらかじめ、ズボンと下着の両脇をファスナー付きにリフォームしておき長時間の飛行機を乗り切ることが出来ました。
最初の地、ベネチアは
おとぎの国の様でした。車がまったく通れない島々ですが、車椅子専用ボートをアレンジして下さり、可愛らしい島々を堪能することが出来ました。目的も無く家族で車椅子を押してフラフラしているだけでも幸せな風に包まれたひと時でした。
2泊しましたが、皆、後ろ髪を引かれる思いで次のローマへと空路で向いました。コチラでは、車椅子のまま乗り込める乗用車での観光です。大都市の中から古代の遺跡が顔を出すローマの姿に父は大変感激していたようです。
また念願だったバチカン美術館では、身障者ゆえに長い行列を横目に最優先で入場させていただきました。(因みに、日本の身障者手帳を示せば、入場料が無料になるとの事でした)
ローマからフィレンツェは
ユーロスターでの移動でしたが、身障者用の車両があり(トイレもちゃんと車椅子対応でした!)列車昇降時にはリフト車が来て、きちんと対応してくださいました。列車から沈む陽を拝み、のどかなイタリアの車窓を楽しみました。
フィレンツェのホテルは街の中心部にあり、部屋からドーモが見え、さながら映画の中に生きているかのような気分に浸りました。
石畳は車椅子に乗っている者にも結構、厳しいものがあるのですが、そこはタイムスリップしたような街の雰囲気が忘れさせてくれました♪♪今までは、ちょっとした段差にも敏感になり過ぎ、すぐに諦めておりましたが、今回の旅行では「段差があるのなら持ち上げればいいのよっ!!」と私達家族の反応も大らかなものとなったようです。
父本人は、行く先々のホテルでトイレの手すりの位置に慣れる事や、シャワーの浴び方に、その都度、対応しなければならず少々、努力を要したようですが、なんとかなるものです!パーパスジャパンの方々から現地の旅行会社に連絡が入っているとの事で、どのガイドさんもトイレの事を非常に気にかけて下さり、お陰様で観光も存分に楽しませていただきました。
決して軽度な障害ではなく
すっかり諦めていた父のような者でも、このような健常者と同じような旅行をしてくることが出来ました。外界から遮断されたような生活を送っていた父には勿論のこと、我が家にとっては夢の様な出来事で未だ余韻に浸っています。
一度知ってしまった外の未知なる世界はおおきな誘惑であり、来年はまた違う国へ旅行することが家族のたのしみとなりました♪♪