先日、写真仲間の友人に
誘われ、10日間のイギリス旅行に行って来ました。私にとって初めてのヨーロッパ旅行でしたが、訪れる所、風景や文化に感動の連続で有意義な旅でした。また、天候にも恵まれて、今回の旅の目的の1つでもある写真を思い通り多く撮ることができました。
旅行計画中は見知らぬ外国へ2人きりで行く事に不安もありましたが、パーパスジャパンの伊藤さんを始めスタッフの皆様の親切なアドバイスのお陰で何事もなく楽しく行って来れた事を深く感謝しております。
イギリスは何処も期待を裏切りませんでしたが、ウォーキング好きな私には、やはりフット・パスを歩いた印象が1番残っております。その中で、ポターが愛したニア・ソーリー村のヒル・トップへのフット・パスの様子を撮った写真に基づいて書いてみます。
ヒル・トップへのフット・パスを歩く
6月15日(日) 晴時々曇
ウィンダミア湖畔のホテルを出てボウネス桟橋へ。
桟橋のピアから船でヨットや白鳥が浮かぶウィンダミア湖を横切り、15分程で対岸のフェリーハウスに着きました。
フェリーハウスからヒル・トップまではミニバスが運行していましたが、私達はあえてフット・パスを歩くことにしました。
歩き出して間もなく、フット・パスは自動車道と分かれて山道に入りました。薄暗い山道には、ヒル・トップへの道標が立っていました。
山道を通り過ぎると再び視界が開け、フット・パスは自動車道を横切ったり、並行したりして続いていました。
フット・パスの所々には扉があって、1人ずつしか通り抜けられない構造になっていました。そのうまく出来ている扉の構造には感心しました。
フット・パスを歩いているといろいろな花を見かけ、中には初めて見る花もあって、珍しさにシャッターを切る事もたびたびでした。この地方で平たい石(カークストーン)を積み上げた家や塀が多く、日本では見られない景観になっています。
フット・パスはいくつかの牧場の脇を通り抜け、黒い顔をした珍しい羊もたびたび見られました。また、各地で見かけるカラスのような黒い鳥は鳴き声が「キャーキャー」と聞こえ、かなり賑やかでした。
黄色い小さな花が咲き乱れる草原を歩いて行くと、幾つか石造りの家が建っていて、「自分は遠い国に来たんだ」と言う感慨が深まりました。
ヒル・トップへの道半ばには国旗を掲げたホテルがあり、その前の道を私達と同様に歩いている若い2人連れの女性に会いました。お互いに挨拶を交わしましたが、女性達は途中から私達とは別の道を歩いて行きました。
この時季、日向を歩いているとやはり暑く感じますが、通り抜ける風はカラッとしていてとても心地良かったです。草原の中を流れる小さな小川で魚取りをしている女の子に出会いました。父親と一緒に遊びに来ているようでしたが。その微笑ましい光景に思わず頬が緩みました。
フット・パスから見える風景は何処までも続くなだらかな丘と草原、そして点在する石造りの家。歩きながら、「自分が憧れていたのは、この風景だ」と何度も思いました。遠い異国で自分の好きな風景を見られる事に大きな喜びを感じました。
ヒル・トップ近くで珍しく日本語の注意書を見つけましたが、複雑な心境でした。
フェリーハウスを出発してから1時間余。写真を撮りながらフット・パスを歩いて目的地ニア・ソーリー村のヒル・トップに着きました。
ポターが半生を過ごしたヒル・トップの家は有名な観光スポットなので、日本人を含む多くの観光客がおりました。ポターの遺品だけではなく、庭の花も印象に残りました。
ニア・ソーリー村を訪ねて、ロンドンから移り住んだポターの気持ちがわかったような気がした旅でした。