2008.12.20
ルフトハンザ航空でフランクフルト経由ワルシャワへ。
ホテルマリオット泊。ワルシャワ駅前でとても便利。アメリカンタイプで使い勝手がよい。とりあえずフロントで英語が通じて一安心。カジノまであって、好景気時期の余韻を感じたが、宿泊客数は少ない感じ・・・。
期間:2008年12月20日〜2009年1月2日
岩下 様
GON-000258
ルフトハンザ航空でフランクフルト経由ワルシャワへ。
ホテルマリオット泊。ワルシャワ駅前でとても便利。アメリカンタイプで使い勝手がよい。とりあえずフロントで英語が通じて一安心。カジノまであって、好景気時期の余韻を感じたが、宿泊客数は少ない感じ・・・。
ホテルの朝食が充実していて、しかもおいしかった!焼きたてワッフルにゆるめに泡立てた生クリームを思う存分かけて食べる…大丈夫、今日はたくさん歩くから大丈夫…。オムレツにチーズやハムも何種類も食べちゃったけど、大丈夫…だよね…。
分厚い雲、時折小雨。でも市内観光はもちろん決行。かなり寒くて帽子と手袋ははずせない。地図を頼りに「新世界通り」へ。第二次世界大戦で破壊しつくされた町を市民が復元したという。その粘り強さ、熱意は私の想像を超える。
旧市街の広場で小さなクリスマスマーケットが開かれていた。曇天のものと、そこだけは楽しい雰囲気に包まれていた。イタリアやポルトガルにはこういうの、なかったなぁ…。文化圏が違うのだろうか…。と同時にどこをみてもなんて書いてあるのかわからない…。キュリー夫人記念館のスタッフの英語はたどたどしかったし、夕食を食べに入ったレストランでも、英語が通じなかった。(食事(ビートスープとダンプリングとポークソテーにビール)は安くておいしかったけれど。)
…世界遺産なんだけど…なにかあったらたいへんだなと不安になった。
朝食後、列車でクラクフへ向かう。ワルシャワの駅は雑多な感じで、アメ横の雑踏を思い出した。クリスマスを前に実家へもどるのか、大きな荷物をさげたひとが多い。発車番線を聞くのに、ガイドブック棒読みのポーランド語とゼスチャーを駆使。なんとか乗れたときは心底ほっとした。二等なのに、クッキーとジュースのサービスがあって、ちょっと幸せ。
クラクフの駅で出る方向を間違えて墓地と墓地の間をさまよった。兵士に道を尋ねたが、英語はここでも通じなかった。彼ら、海外に派遣されたらどうするんだろう。駅の正しい側にはとても大きなガレリアショッピングセンターがあって、すごい人出だった。ようやくたどりついた旧市街のホテル・アマデウスはヨーロッパスタイルの小さくてきれいなホテルだった。スタッフの笑顔に癒される。
早速、町へ。ヴァヴェル城の大聖堂は見られたが、城内は冬期休業中。雨が時折激しくなり、とにかく寒い!寒さに強い主人が耐え切れず帽子を購入していた。ここの広場でもクリスマスマーケットが開催中でなかなかの盛況。ソーセージを焼くにおいやら、シチューを煮込むにおい、食べていきなよという声なき声に誘われて、あれこれ買い込んで夕食にした。あつあつのピエロギとソーセージがおいしかった。
朝食後、パーパスさんに手配してもらった専用車と日本語ガイドと共にアウシュビッツ見学に。クラクフに宿を取った最大の理由がここの見学である。ガイドのマグダさんは若くてきれいで聡明なすてきな女性だった。流暢な日本語で丁寧に案内してくれた。
引込み線のプラットホーム跡に立ったとき、突然雪が舞い始めた。スキーウェアのような防寒具を身につけていても凍えそうな寒さの中、ほんの数十年前にここで悲惨な生活を強いられた人々に思いをはせた。いろいろなことを寒風のなか考えたが、それは私たちの財産としておこう。ただ、こんにちの世界規模の不況の中、戦争という手段で状況を打開しようとするような過ちが繰り返されないことを切に願ったことだけは記しておく。
クラクフはもちろん、ポーランドには伝説にみちた魅惑的なところがたくさんあるようだが、言葉の壁が厚くて味わいきれない。今回のガイドのマグダと腕がよくて正直な運転手レイクが一緒なら、もっといろいろな町にいけただろうなと思った。ちなみにレイク以外で信用できるタクシーは“9191” “9661”“9622”、“BARBAKAN”、“MPT”、“DWOJKI”だそうです。聞くところによるといろいろトラブルが多いそうで…皆さんお気をつけて。
なお、地球の歩き方では星二つだが、チャルトリスキ美術館は収蔵物が充実しているし、冬期も開館しているので、冬のクラクフにいってしまったひとにはお勧めです。(中は暖かいし…)
クラクフを出て空路プラハへ。ホテルはメルキュール・オールドタウン。カフカも滞在していたことがあるという、古い建物を利用した、でも中の施設はアメリカタイプの立地に恵まれた便利なホテルだった。
地図とにらめっこしながら歩かないとわからなくなりそうな、迷路のようなプラハ旧市街へ。しんしんとしみてくるような寒さなのに、カレル橋はすごい人ごみで、歩くのがたいへんなほど。あちこちでミニコンサートのちらしが配られていて、さすが…。古い小さな教会で四重奏を聞いた。
朝からプラハ城へ。ガイドブックどおりの見所満載の観光ポイントだった。中世の闇が建物の隙間に残っていそうで、とても興味深かった。この拷問器具は、ケーブルテレビの番組でも紹介していた。
この日の夜は、パイプオルガンのコンサートへ。これも教会でやっていたのだが、昨日の教会より大きかったせいか寒さがひとしおで、客と柱に挟まれたわたしたちは中座もできず、歯の根が合わないほど凍えてしまった。タキシード姿で、何曲も演奏してくれたオルガニストには申し訳ないけれど…。
ホテルのコンシュルジュが頼りなく、自力でコンサートチケットの手配に奔走。国立劇場のバレエと、国民劇場のオペラをゲット。値段の安さに驚く。(日本では何万もするのに…)さすが元共産圏。
ホテルに大きな荷物を預け、列車でチェスキー・クルムロフへ。プラハは大きな街だが、少し外へ出ると暖炉の煙突つきのこじんまりした農家がぽつぽつある田舎の景色になる。“世界の車窓から”にでてきそうな小さな駅や集落を眺めながらの小旅行である。
チェスキー・クルムロフはクラクフよりさらに小さな町で、お城内部が冬期休業・ビール工場もクリスマス休暇中となると、街をさまようといっても限りがあり、ちょっと歩いてはカフェで時間をつぶし、お土産やがあいていればひやかしにはいるという贅沢な時間の使い方をすることになる。でも、治安面での不安がないため、夜でも散歩ができ、中世の静けさを追体験できた。
ホテルはベルビューで、お城のふもとにある。簡素だが、お湯もでたし、サウナもあるようだった。ただ売店はないので、日のあるうちに街なかの雑貨やなどで買い物はしておいたほうがよい。バス停側の門のそばにはちいさな売店があって比較的遅くまであいている。最低限のものはここで手に入る。スーパーは城のふもとに1件あるが夕方にはしまってしまうようだ。
橋の袂にあるレストランがホットワインやチョコレートを道端で売っていて、ここのホットチョコレートは本当に濃くておいしい!川が凍るほどの寒さなので、何度も買ってしまった。
午後のバスでプラハに戻る。
プラハ界隈を歩き倒す。ヴィシェフラド城跡の聖ペテロ聖パウロ教会は内部がアルフォンス・ミュシャの作品で埋め尽くされており、ミュシャ・ファンのわたしにはこたえられない空間だった。
中世からの遺物、ユダヤ人地区、大戦時代のレジスタンスの痕跡、共和制下での抵抗の跡…それぞれの時代の痕跡を残した街を味わうにはあまりに自分が知識不足であることを痛感した。…深いわ…プラハは…。
中世の街並みを背景に、バレエにオペラ、ニューイヤーイブディナーと、自分へのご褒美をたっぷりあげたので、またたっぷり働こう。
いつの日か、今度はもう少し暖かい時期にいけますように…。