ペーネミュンデ
あまり知られていませんが、ロケットの発祥の地はドイツです。
種子島で打ち上げを見て以来ロケットにはまり、ロケット関連の施設を訪ね歩くのが趣味となった私にとってドイツは長い間憧れの地でした。
この度ようやく旅行できる機会に恵まれたので、思い切ってロケット関連施設を訪ねる旅を計画しました。
今回の旅の一番の目的地はペーネミュンデです。ペーネミュンデには第二次世界大戦前にヴェルナー・フォン・ブラウンがロケットを開発・製造していた秘密工場がありました。現在は博物館になっていて誰でも見学することができます。
ペーネミュンデはドイツの北にあるウゼドム島の最北端に位置し、ベルリンからは片道四時間かかります。日帰りでは少々厳しいので、途中にあるヴォルガストという小さな町に宿泊することになりました。夏のリゾート地なのでシーズンオフの今は人も少なく閑散とした雰囲気でした。しかし、街はパステルカラーでかわいらしく、ホテルも三部屋も続き部屋のある広い間取りでとても素敵です。レストランでいただいた魚料理も抜群においしくて大満足。幸先のよい旅のスタートとなりました。
翌日、いよいよペーネミュンデの歴史技術インフォメーションセンターに向かいました。ペーネミュンデの敷地は広大ですが、終戦間際に爆撃を受けたため建物はほとんど残っていません。唯一残っていた工場は終戦後火力発電所として利用されていましたが、現在は稼動停止。残念ながら中に入ることはできませんでした。かつて研究者の防空壕となっていた頑強な建物がインフォメーションセンターと売店に、工場に隣接する学校のような建物(研究施設?)が現在博物館となっていて、中ではペーネミュンデとロケット開発の歴史が年代順に展示してありました。
当時の写真や資料、またロケットの部品などが豊富に展示してありましたが、技術開発の歴史だけにとどまらず、戦争の悲惨さや宇宙開発の今後の展望などにもしっかりスポットがあててあり、想像以上に見ごたえのある展示でした。
屋外には飛行機やミサイルの展示などもありましたが、やはり一番の見所はV2ロケットでしょう。入り口のすぐ脇に全長12メートルの巨体がすくっと立ち上がっている様はやはり圧巻でした。これを見て、「ああ、ペーネミュンデまで来たんだな」という実感をかみしめました。