フェルメールの足跡を辿るオランダ 6日間

期間:2009年11月16日〜2009年11月21日
DOY 様

GON-000340

今回の旅の目的は

「オランダ絵画の巨匠『フェルメール』を訪ねる(ついでに美しい欧州の秋を満喫する)」です。生涯30数点しか作品を残していないフェルメール。その世界に散った作品のうち、今回はオランダ国内の5枚を鑑賞したいと思っています。

関空から約12時間。今回は、KLMオランダ航空を利用しました。TVなんかでよく聞く名前ですが、実際の搭乗は初めて。

前日にインターネットチェックインを受け付けてくれたので、最後尾窓側を迷いなくチョイス。
一番静かなんですよね~。
欧米系には珍しく、CAも笑顔一杯でサービスよかったです。ヨーロッパに行くときはお奨めですね。



アムステルダム・スキポール空港到着は18時。晩秋、あたりはもう真っ暗でしたが、思ってたよりにぎやかな街です。クリスマスデコレーションもキラキラでした。

着いたホテルは小さい小さいホテル、というより中世の木賃宿のフンイキ。4畳半+バストイレの狭い部屋ですが、窓からは前の洋館が印象的です。ホテルのオジサンが、親切+やけに明るい(ラテン系?)なので、まぁよしとするか。

2日目

今日はオランダ国立博物館を訪問。目的のフェルメール、今日は2作品観ることができました。

オランダはフェルメールの故郷。国立博物館も懸命に作品の収集をされているようです。今回、鑑賞したのは「青衣の女」と「小路」。いずれも小さい作品ですが、遠くから観ても吸い寄せられるような力がありました。

宿を街中からちょっと離れたミュージアム街にとったのは正解!
国鉄アムステルダム駅からは、トラムで15分かかりますが、それでも閑静な住宅+美術館街。いつでも歩いて美術館に行ける、というのは嬉しいですね。

宿から見た景色
宿から見た景色

日本なら、フェルメールが来たというだけで混雑して、作品を見に行ったのか、人を見に行ったのか分からなくなりますが、今回はた~っぷりと鑑賞させていただきました。
お隣のゴッホ美術館(この方もオランダ出身)も堪能させていただき、本当に充実の一日でした。

鑑賞後は、アムステルダム市内をトラムでうろうろ。京都のように建物の高さに制限があるのだとか。建物も基本は低階層(4~5階)まで。古い建物を改修して使ってるのが印象的。でも建物が低い分、空が広く感じられましたよ。


3日目

今日は小旅行です。スーツケースをアムステルダムのホテルに預け、1泊2日で政都ハーグへの旅。

政都だけあって、国会議事堂や各種官庁もこちらにあります。オランダ王国の女王宮殿(皇居?)もこの街にあります。

アムステルダム中央駅から快速電車に乗っておよそ1時間。ハーグ駅についたのは11時前でした。


商業の街アムステルダムと比べると、キレイすぎて少し寂しい印象。どこの国でも政治・経済の中心は静かなのか?そういや霞ヶ関も静かですよね。

駅を出て、大変だ~!とまず感じたのが、案内看板に英語の併記がないこと。オランダ語はドイツ語に似てるというので必死に解読を試みました。でも、ドイツ語を勉強したのはかれこれ20年以上も前。それも赤点ばかりでようやくパスしたのが大学4年生のことでした。

確か strasse というのは street のことだよね、と独り言をいいながら風の強い町中を歩くこと1時間。これは迷子だ!と気づいて、地元の人に聞いたら、とても親切に教えてくれました。それも地図まで見せていただいて。私、完璧に逆方向に歩いてました。やっぱり赤点です。
おかげで目的のマウリッツハウス美術館にはすぐ到着。


ここで、鑑賞したのは「真珠の耳飾りの少女」、「デルフト眺望」など。

真珠の耳飾の少女は、とても有名な作品。フェルメールの話題があれば、必ずといって出てくる作品です。確か映画にもなってました。

デルフト眺望は一番初めに目が行きました。遠くから見てもすぐ分かる感じ。それまで写真で見てたのと比べると全然印象が違う。うまく言えないけど、すごく爽やかな感じ。でも、とても17世紀の作品とは思えないような緻密さです。

その他にも素晴らしい作品がたくさんで、美術館には午後いっぱいいたでしょうか?

4日目

ハーグでのステイ、快適でした。

案内表示が読めない分、ずうずうしく道行く人に尋ねてばかり。でも皆さん、自分のことのように親身になって答えて下さるんですよね。自分で分からなければ、近くの人も巻き込んで。

旅行前は、オランダ人は合理的で、と聞いてたので冷たい印象があったのですが。撤回します。合理的なのに親切です。

早起きして、トラム(路面電車)で海まで行ってみました。ハーグは海沿いの街。15分も走ると海が見えてきます。


初めて見る北海(北海道じゃなくて North Sea)。地図で見ると、この先150kmには大英帝国があります。水をなめてみました。こころなしか欧州の味。(←これはウソ)

午後は、再び電車に乗り、隣町のデルフトへ。
デルフトはやきもので有名な街ですが、今回の目的フェルメールの故郷でもあります。彼はこの街で生まれ、絵を描き、どこに出ることもなく、ここで生涯を終えたのでした。

街の中心に教会が2つ、その周り1kmだけの小さな街。ガイドブックにも半日で全て見ることができる、と書いてありましたね。


ここには、フェルメールの作品は1点もありません。彼が題材とした景色が残るのみ。昨日鑑賞した「デルフト眺望」の現在はどうなってるのか。またまた街の人に尋ねまくりながら、現地まで行ってみました。

「駅に向って歩いたら運河が見えるので、1~2分歩いて振り返ってごらん」と言われたとおり歩くと、なみなみと水をたたえた運河が。ここがあの名作が描かれた地点だ。

振り返るとあの「デルフト眺望」が。


もちろん、当時からは大きく様変わりしてますが、教会の尖塔はそのまま。三百年前の光景を彷彿とさせる。やるな、デルフト。

一泊二泊のハーグ+デルフトへの小旅行。とても意義あるものでした。
帰りは各駅停車をチョイス。オランダ語を聞きながら、ゆっくりとアムステルダムへ帰りました。


ホテルに戻ると、例のラテン系おやじさんの出迎え。今日は、イタリア人とノルウェー人を交えて盛り上がってます。そこに日本人も加わって、さすがオランダの港町。

実は世界はすごく狭い、ということに気づかされましたです。

オランダ旅行も最終日。

こちらの時間に慣れたのか、ちゃんと8時起床(寝坊か?)。今朝は朝から快晴。暖かくて気持ちがいいので町中へブラブラ散歩に。

宿のラテン系おじさんに冗談を言いながらキーを預けて。トラムに緊張せずに乗れるようになって。お店でありがとうをオランダ語で言うようになって。もしかしたら、このままここに住めるのかなって思えてきたころ。いつも旅行は慣れたころに終わってしまいます。

17:15 アムステルダム・スキポール空港から、再びKLMオランダ航空で帰路へ。オランダ訪問終了です。


オランダにフェルメールを訪ねる旅。

欧州の美しい秋の街も楽しませてもらえました。

フェルメールの作品、およそ全30数点のうち、前回のニューヨーク訪問と併せて、今まで12作品と出会えてます。珠玉の作品達。次はベルリン~ドレスデン~ウィーンの独墺(どくおう)ルートか、はたまたロンドン~エジンバラへ向う英国ルートか、と希望(野望?)はふくらみます。

今回の旅行は、今振り返っても、本当に心に残るよい旅行でした。すごく自由度が高いにも関わらず、空港→ホテルの往路タクシー(帰りは慣れてたのでトラムで帰りました)、ホテルの手配、電車チケットの購入等、実際初めてでは大変なところは、全て押さえてあるのはポイント高し、です。

また、1泊2日のハーグ+デルフトへの小旅行もスパイスがきいててよかったです。

予定していたフェルメールもほんとにゆっくり見られましたし、個人で全て手配したら、とてもこんな充実したものにはなっていなかったと思います。

本当にお世話になりました。また、次回もお手配いただきますようよろしくお願いいたします。

ツアープランナーからのコメント

お帰りなさいませ!私も実際に旅行したような気分になる素敵な旅行記、ありがとうございました。フェルメールの絵画の世界を実際に自分が歩いてみて、その景色を見てみて思うことって貴重な経験で財産ですよね。思い出に残る旅行のお手伝いが出来て嬉しいです。今後とも、是非またよろしくお願い致します。

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