第36回 ベルリンマラソンに参加する 9日間

期間:2009年9月18日〜2009年9月26日
清山 様

GON-000341

マラソン走りました。ドイツの町を散策してきました。

マラソンは後半気温が上がってきてバテてしまい、自己ベストとはなりませんでしたが、フラットなコースや沿道の声援に助けられ、凄く走ってて楽しかったです!!

- - - ベルリンマラソン当日 - - -

ホテルを8時前に出て、歩いてスタート地点のブランデンブルグ門へ向いました。
ポーツマス広場の前辺りから、他のランナーの群集と一緒になり、いよいよ気持ちが高ぶってきたのですが、ここであることに気づきました。

私は、サッカードイツワールドカップの時の日本代表・中田のレプリカユニフォームを着ていたのですが、周りのランナーはとても正統派のランナーの格好の人ばかりだったので、とても自分は浮いていました。
日本のマラソン大会ならサッカーや野球のレプリカを着ている人を見つけるのは容易いことですが、海外ではあまりそのような習慣はないようです(野球はともかく、サッカーはむしろ日本より多いと思ってました)。

海外に来てマラソンをするのなら、周囲に溶け込んでしまうよりも、外国人であることをアピールする方が面白いのではないかと考え、こんな格好をしているのですが、少々やり過ぎた感も否めません。
まあ多少のトラブルは海外旅行ではつきものなわけで(これはトラブルとは言えませんが)、このような状況を受け入れるのも海外旅行を楽しむコツなのだとも思います。





無事スタート地点に並び、スタート時刻が迫ってきました。ベルリンマラソンのイメージカラーはイエローとブルーのようですが、それに合わせたイエローの風船の束が空に放たれました。

むむっ、単独で舞い上がっている風船があります。サイズが何だか他のに比べて大きめです。周りのランナーはそれを見上げてウケてます。なるほど私にもウケている理由が分かりました。ペースランナーが背中につけていた風船が飛んでいってしまったようです。どこにいるのか分からないペースランナーではその役割が果たせません。

ペースランナーの後ろについていっても最後に振り切られてしまうと悲しいので、私はペースランナーにずっとついていこうという考えはないので、影響はありませんでしたが。





スタートまで残り1分前くらいになった時、ランナーの間から自然発生的な手拍子が起こりました。あまり日本の大会では出会った覚えがありませんが、これは凄く良いですね。お互い頑張りましょう的な仲間意識が生まれます。

参加者が多い大会ともなると、スタートしてしばらくの間はランナーの渋滞でなかなか思ったとおりのペースで走れませんが、8車線(たぶん)も開放されていれば気になるレベルの渋滞は起きず、気持ちよく走り出すことができました。






ベルリンマラソンは高速コースのようなことを聞いたのですが、確かに走りやすいコースです。高低差は無しと言っても過言ではありません。登りに弱い私にとって有難いことです。街中を1周大回りする形になりますので、風景に飽きてしまうこともありません。

でも、やはり一番のお勧めは沿道の雰囲気です。スタートからゴールまでほとんど途切れることなく、沿道に人がいて、声援や手拍子やバンド演奏などで応援してもらえるのは凄く励まされます。
まあ私は格好が格好でしたから、「NAKATA~(外国人より)」や「頑張れ中田~(日本人より)」と個人的にも?応援してもらい、私も手を振って応えてみたりするなど、ちょっとしたヒーローになった気分が味わえます。

海外からのランナーはデンマーク人が多かったように思えました。確かに地理的にベルリンとデンマークは近いですね。コペンハーゲンからベルリンは列車でも5時間で着いてしまうようです(列車ごと船に乗せるというのがピンときませんが)。
赤地に白字で「DENMARK」と書いてあるシャツのランナーが多かったので、単にデンマーク人であることが認識しやすかっただけかもしれませんが。




さて、出発前から懸念していたことがあったのですが、それが現実のものになってしまいました。ベルリンは東京より涼しいだろうと思っていたのですが、20日前くらいから週間天気予報をチェックしたところでは東京よりも暑そうでした。

一日中暑いというよりは朝夕は長袖一枚でも差肌寒く、日中は半袖でも過ごせるくらい寒暖の差が激しかったのですが、この日もスタートした時は走るのに丁度良い気温だったのが、30キロ過ぎたくらいからじわじわと暑くなり、体がバテてしまい思うようには走れなくなってしまいました。

でも、最後の方は給水所が妙に多かった(気がします)ので、大幅なペースダウンにはなりませんでした。



38キロ辺りで見慣れたポツダム広場に辿り着きました。左に曲がればブランデンブルグ門はすぐですが、それだと42.195キロには足りないので、直進します。この一旦ゴール付近まで来たものの再度ゴールから遠ざかっていく感覚はなかなか堪えます。

ホテルの前も通り過ぎ、しばらくした所で左折しました。こうなれば、ポツダム広場とブランデンブルグ門と同じ距離を走り、ポツダム広場と今左折した所までと同じ距離を走れば良く、ゴールとの距離感がぐっと具体的なものとして捉えられるので、精神的に凄く楽になりました。



ブランデンブルグ門が視界に入ってきた頃、1ヶ月前の世界陸上の女子マラソンで銀メダルをとった尾崎選手と同じところを走っているのだと思うと、なかなか感無量になりました。(世界陸上のコースとは別物ですが、ゴール直前の最後の直線は同じということで。)私も尾崎選手と同じ第一生命グループなのです。

ベルリンマラソンは前々から走りたかったので、今回特に尾崎選手に合わせたわけではありませんが、世界陸上をテレビで観戦していた時に不思議な縁があるものだと思いました。




そんな感情にもなりながらゴールしました。今回はだいぶバテてしまい楽な走りではありませんでしたが、一応最低限のタイムはクリアしましたし(ネットタイムで3時間55分)、何よりも沿道からの声援や音楽に囲まれて走らせてもらえたことは非常に楽しく貴重な経験となりました。

この先いつまで走られるか分かりませんが、走られるうちは続けたいと思います。



完走メダルを掛けてもらい、ドイツ連邦議会の前の広場に出ました。完走記念写真を撮ってもらえるということで、ボルトの矢のポーズをやってみました。8月のベルリンはボルトで熱かったはずということでしてみたのですが、カメラマンには苦笑いをされてしまいました。
後日ベルリンマラソンのホームページで写真を確認しましたが、ちょっと右肘の引きが甘かったようです。走る前にホテルの鏡でもっと矢のポーズのフォームをチェックしておくべきでした。

一休みできたので広場を立ち去ろうとしたら、風変わりな格好をしていたせいか、テレビのインタビューを受けました。「自己ベストタイムですか?」のようなことを英語で言われた(と思う)のですが、「ごめんなさい。自己ベストではないのです。でも楽しかったです。ありがとう。」のようなことを片言の英語で返したのがやっとでした。
もっと英語が話せたら、もっと気の利いたことを言いたかったのですが、これくらいのコメントではきっと放送されなかったでしょう。又とない海外進出の機会を逃してしまいました(笑)。




ここからはマラソン以外のことです。
ベルリンやベルリンから日帰りで行けそうなところを巡ってみました。

ドレスデン

いかにも観光地という感じがする綺麗で癒し系の街でした。見所が固まっていて徒歩で十分回れるので、日帰りで行くのに最適なところだと思います。
エルベ川の対岸から見る街並みは心地よい重厚さがあって良かったです。

ちょっと悔やまれるのは夕焼けが本格的に街を照らす前に、街を出て駅に向ってしまったことです。列車の時刻に合わせたのですが、結局列車は40分遅れてました。もう30分居れば良かったです。




ハノーバー

ヘレンハウゼン大庭園だけを目的に行きました。(一日でハノーバーとハンブルグに行く予定だったので。)
確かに綺麗な庭園なのですが、イマイチ地味で何か物足りない感じがすると思いながら庭園内を歩いていたのですが、その印象を変えるものがありました。

11時ぐらいだったと思うのですが、園内の噴水が一斉に稼動し始めました。それに伴い私のテンションも急に上がりました。今までも当然噴水は見たことはありますが、ここまで噴水の存在感を感じたのは初めてです。

ヘレンハウゼン大庭園に行く際は噴水が稼動している時間をチェックして、それに合わせて行く方が絶対にお勧めです。




ハンブルグ

今回の旅はドイツの東側が主ということで落ち着いた街が多かったのですが、ここハンブルグは東西で言えば真ん中辺りということで、他の街と雰囲気が異なる活気のある街でした。

ハンブルグはヨーロッパでも有数の港町ということがガイドブックに載っていましたが、地図を見ると内陸の方に位置しているので、どうも港の規模と街の位置が頭の中で結びつかなかったのですが、確かに着てみたら大きな港がありました。

港の近くにある聖ミヒャエル教会に登って街を見下ろせば、港の大きさが体感できるので、この教会は外すわけにはいきません。




ポツダム

ローカル線でもベルリンから20分程で行けてしまうため、私の中ではベルリンの一部という感じです。

サンスーシー宮殿も良いですが、ポツダム会談が開催されたツェツィリエンホーフ宮殿の方が良かったです。ポツダム会談が開催された部屋は当時のまま机や椅子を保存しているのですが、残念ながら宮殿内は撮影禁止です。




ベルリン

大都会ではないけれどそこそこ都会という感じがとても居心地が良かったです。ベルリンなら1ヶ月とかでも全く問題なく滞在し続けられます(と思います)。

まず、他のヨーロッパの都会の街と比べて、ゴミゴミしていないです。建物の立地に余裕がある(隣の建物が傍まで迫っていない)、公園など緑が多い、人はそんなに多くない、といったことが要因だと思います。

あと、ドイツ全般に言えることだと思いますが、治安が良いです。日本と同じ感覚でもあまり問題ないのではないでしょうか。街を歩いていてもSバーンやUバーンに乗っていても特に危ない感じはしませんでした。取って頂いたホテルも大通りに面していたため深夜に歩いていても大丈夫でした。(深夜の小道は分かりませんが。)ただし、今回では2箇所だけありました。大聖堂の前に乳飲み子を抱いた女性が、また、テーゲル空港で中年の男性が「Can You Speak English?」と周囲にいる人に話し掛けまくっていました。

ベルリンで色々行った中で3箇所挙げてみます。

オリンピックスタジアムは中心部から離れていますが、Sバーンで20分くらいなので、そう遠くでもないです。陸上トラックもありますが、サッカー好きな私としてはW杯でジダンが頭突きをして退場→引退してしまった所というのが、一番印象的です。

音声ガイドには日本語版もありますが、デポジットにパスポートを求められた時は一瞬引いてしまいました。見学の際にパスポートがデポジットになったのは今までジュネーブで国連に入った時だけです。国連ならパスポートも仕方ないかと思えますが、スタジアムでパスポートとは・・・。
結局そのまま借りてスタジアムの中を回りました。やっぱり案内があると見所を見逃さないので便利です。当たり前ですが、ちゃんとパスポートも返却してもらえました。


ポツダム広場周辺の一帯は開発が進んでいます。最近できた建物などがこれだけ固まっている所は、そんなにはないのではないでしょうか。前は空き地だったような感じがするので、開発しやすいのだと思います。

副都心のイメージにも近いのですが、日本の副都心だと基本的にオフィス街で、旅行者が行っても楽しい所でないです。旅行者でも楽しめるかどうかがポツダム広場と日本の副都心の違いだと思います。

うろうろ歩いたり、カフェで小休止しているだけでも楽しいですが、ここは何か一つやってみようと思い、IMAXシアターに行ってみました。外国で映画を観るのはこれが初めてでした。観た映画は「ティラノザウルス」です。ドイツ語分からなくても観れる映画にしました。



ドイツ連邦議会は屋上や屋上にある球体展望台?を見学できます。何と入場料を取られません。そんなに高い展望台ではありませんが、無料でベルリンを見渡せます。入場する時のボディチェックや荷物チェックは飛行機に搭乗する時と同じ厳しさですが、それでも行く価値はあると思います。

ただし、無料のためか人気があるので入場するのに1時間くらい待つのは覚悟しておいた方が良いです。ベルリンマラソンの日(日曜日)、ベルリン最後の日(木曜日)の何れも20時前に行きましたが、両日とも1時間くらい待ちました。平日の夜なら空いているだろうと思ったのですが、考えが甘かったようです。




ベルリンは歴史的なもの(聖堂、教会、ベルリンの壁)と、近未来的なもの(ポツダム広場周辺一帯)が混在している魅力的な街だと思います。行ってみて大正解でした。

カイザーヴェルヘイム教会
カイザーヴェルヘイム教会

ジーゲスゾイレ
ジーゲスゾイレ

ペルガモン博物館
ペルガモン博物館

ベルリンの壁
ベルリンの壁

ベルリンの壁
ベルリンの壁

ジーゲスゾイレ
ジーゲスゾイレ

ブランデンブルグ門
ブランデンブルグ門

ペルガモン博物館
ペルガモン博物館

ベルリンの壁
ベルリンの壁

ベルリン大聖堂
ベルリン大聖堂

まだまだお伝えしたいことは

たくさんあるのですが、限がないのでこれにて終了させて頂きたいと思います。

今まで何回か海外旅行に行きましたが、観光も充実していたのはもちろんのこと、能動的にイベントに参加した(マラソン走った)ことで思い出深い旅行になりました。色々手配頂き大変助かりました。この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。

ツアープランナーからのコメント

お帰りなさいませ!念願のベルリンマラソンの完走、本当におめでとうございます!走っている最中の描写がとても細かくて思わず感感情移入してしまいどきどきしながら読ませていただきました。マラソンだけではなく、ドイツ旅行を楽しんでいただけてとても嬉しいです。海外マラソンだけでなはなく、ドイツ旅行を楽しんでいただけてとても嬉しいです。海外マラソン、ハマってしまいましたか?是非今後ともよろしくお願いいあします。

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