オクトーバーフェストを訪れる!ドイツ5日間
期間:2009年9月19日〜2009年9月23日
M.S. 様
最近ドイツビールにすっかり目がない私。
3月に訪れた初ドイツでめいっぱいビールを堪能してきたのですが、ビール好きといえばやはり憧れるのは9月にミュンヘンで行われるオクトーバーフェスト。
近頃は日本各地でも開催されるようになり、毎年地元で開催されるオクトーバーフェストには参加していたのですが、やっぱり本場のオクトーバーフェストは憧れ。いつか体験したい!とずっと思っておりました。
そうしたらなんと!今年の9月の大型連休がオクトーバーフェスト開催時期とばっちり重なるではありませんか。これはチャンス!ということで、ビール好きの友人を誘って急遽本場オクトーバーフェスト参戦とあいなりました。
一日目
ルフトハンザ直行便でミュンヘンへ。入国手続きをすませたらそのまま空港内にあるビアホールへ直行し、まずはミュンヘン到着を祝い最初の乾杯をしました。さすがビールの都、ミュンヘンでは空港の中でビールを醸造しているのです。
ピルスナービールと白いソーセージがおいしい。あー、またミュンヘンにきたんだわーと実感しました。
それにしても、さすがオクトーバーフェストの時期です。観光客が多い。そして民族衣装を着た人がたくさん歩いています。ビヤホールを出るときに、レーダーボーゼ(男性の民族衣装)を着たお兄さんがドアを開けてくれたのでドイツ語でお礼をいったら「ぼくイギリス人よー」と笑われてしまいました。そんなのわからないですってば・・・・
最初のビールを堪能した後は、電車でミュンヘン市内へ移動。中央駅前のホテルへと向かったのですが、その日は開催日初日+日曜日ということもあって駅前は大変な混雑でした。
お酒が入って陽気になった老若男女が楽しそうに街を闊歩しています。街もなんとなく華やかで楽しそう。
ああ、私も早くいきたいな。
とりあえずその夜は、駅の中のレストランで調達したチキンとビールをホテルの部屋でゆっくりいただき、早めに休みました。
二日目
今日は観光の日。まずはマリエン広場へ向かおうとしたのですが、市電がこない。実はこの日はパレードのある日で、パレードと同じコースを走る市電は一時運行停止していたのです。時間はだいたい朝9時~午後1時くらいまででしょうか。
やむをえず歩きでマリエン広場に向かいましたが、朝のすがすがしい空気の中をお散歩するのはとても気持ちがよいです。
ちょうどマリエン広場についたのが10時で、教会の鐘がいっせいに鳴り始めました。鐘の音があちこちの建物に反射して、まるで頭上から降ってくるようです。ああ、ヨーロッパに来たんだなぁと実感しました。
市庁舎周りをさくっと観光したあとはパレード見学へ。
まずはマリエン広場からほど近いプロメナーデ広場へ向かいました。あまり広くはないのですが、バイエリッシャー・ホーフのテラスにえらい人が座っていたようで、パレードが必ずここで一旦停止するのです。狭い割にはあまり混雑もしていなかったので、パレードの様子を近くでじっくりみることができました。
パレードの内容はドイツの民族衣装を着た人々がメインのようですが、途中、山車があったり鼓笛隊があったり、歴史の衣装に身を包んだ人たちがいたりとシンプルながら見ていてまったく飽きません。
ただ、パレードの沿道はすごい人で、見学するのはけっこう大変です。
オデオン広場やカールス広場は広い分人出もすごいので、背の高いドイツ人に囲まれて何も見ることができませんでした。むしろマクシミリアン通りまで出てしまった方が比較的見やすいかもしれません。場所によっては階段状になった観覧席も設けてあるので、それを利用した方が見やすいと思います。
パレードを見た後は、レジデンスを見学したあとラーツケラーで昼食をとりました。今回はフランケンワインにチャレンジしましたがこちらもおいしい!結局旅行中ワインを飲んだのはこの一度だけだったのですが、次回はぜひワインももっと試してみたいと思いました。
午後は美術館めぐり。アルテピナコテークで中世の名画を堪能しました。ブリューゲルの絵の場所がわからなかったのですが、係のおじさんに聞いたら絵の前まで案内してくれました。ドイツは親切な方が多いですね。
そして、アルテピナコテークがとてもよかったので、そのままノイエピナコテークにも足を運ぶことにしました。こちらはクリムトやモネ、ゴッホなど近代の名画がずらり。ゴッホのひまわりは筆のタッチの勢いがすごくて、至近距離でじっと見ていたら係の人に注意されてしまいました。
ほんとうはこの後にミュンヘン大学にいきたかったのですが、美術館をはしごして思いのほか疲れてしまったので、この日はおとなしくそのままホテルに帰り、翌日のオクトーバーフェスト本番に向けてゆっくりと休みました。
三日目
本日はいよいよオクトーバーフェスト参戦です!
まずディアンドル(女性用民族衣装)を購入して、フェストに着ていくことにしました。
とりあえずフィーアヤーレスツァイテン・ケンピンスキーのロビーで優雅に朝のコーヒーを楽しんだ後、ディアンドル屋さんが開くまでヴィクトアーリエンマルクトを探索することにしました。
肉屋の通りを抜けて、蜂蜜屋さんでおみやげ大量買い。蜂蜜入りのリップや蜂蜜入りのハンドクリーム、蜂蜜飴などたくさん買いました。さらに店頭であたためたミッテ(はちみつ酒)を立ち飲みしましたが、これが甘くておいしくて。お酒が苦手な方でもいけると思います。
八百屋さんではフレッシュな果物がたくさん。ミラベルやラズベリーを買い、つまみながら市場をぶらぶらするのはとても楽しかったです。他にもスパイス屋、魚屋、マンデル屋(アーモンドの砂糖かけのお菓子)などいろいろ見てまわりました。
11時頃、ディアンドル屋へ向かいました。オクトーバーフェストの時期はどこでもディアンドルを売っています。デパートへ行けば質もデザインも良いもの(その代わり高い)がそろっていますが、もっとお手軽にベーシックなデザインのものがほしければイム・タール通りの洋品店がおすすめです。
この通りには何軒かお店が並んでいますが、私が行ったのはイーザル門に向かって右手、パウラナーの少し先にある洋品店風のお店でした。他のお店は色もデザインもカラフルで派手目なものが多かったのですが、こちらのお店のものはコットンのものが中心でデザインもクラシックなものがほとんど。お値段も一番安かったので、そこで赤いディアンドルを買いました。
いったんホテルに戻り、ディアンドルに着替えていよいよオクトーバーフェスト出陣です!
オクトーバーフェスト会場へは地下鉄を使うのが一般的ですが、せっかくなので中央駅前から人力タクシーを使ってみました。三人乗りの場合は自転車がひっぱるのではなく後ろから押す形になるので、前方の視界をさえぎるものが何もなくて大変爽快な乗り心地です。お値段は中央駅からテレージアンヴィーゼまで3人で乗って20~25ユーロほどでした。(事前に要交渉)ちょっと注目の的にもなりますが(笑)おすすめです。
オクトーバーフェスト会場についたのは四時くらいでしたが、すでにすごい人でした。今回はぜひテントでビールを飲みたいと思っていたのですが、混雑がひどいと入場制限がかかり中に入れなくなってしまいます。事前に予約をしたかったのですが、10名以上でないとだめとのことで、当日飛び込み覚悟です。
まず入り口から一番近いセレブ御用達といわれている派手なテントと魚料理を食べさせてくれるテントにいきましたが、すでに両方とも入場できない状態でした。
にわかに不安になるも、希望を捨てずに三つ目のテントへゴー。ここはパウラナービールを飲ませてくれるテントのようです。入り口に近づくと、ガードマンとおぼしき男性はいますが通せんぼはしていないみたい。
これは入れる?とおそるおそる中へ。
入れましたー!
第一関門クリア。しかし中に入ったら入ったで、ものすごい人ごみと熱気です。テントの中央、一段高くなったひな壇のところでバンドがものすごい大音量でローカルミュージックを演奏していて、そのひな壇のまわりの席は全員総立ち、男女かまわず椅子にのっかって踊りまくっています。うろうろしてみましたが空席なんてありません。
仕方がないので、中央から少し離れた場所で空いている席がないか探してみました。はじの方の席はご年配の団体さんが多く、みなさん着席のまま落ち着いた雰囲気でビールを楽しんでいる様子。きょろきょろしていたら、おじさまグループが座っている長テーブルのはじっこが空いているのを見つけました。座ってもいいか聞いてみたところ、おじさまはちょっと考えてから「いいよ」とのお返事。
座れましたー!
このあとは、このおじさまグループ(地元ミュンヘンの方々でした)と一緒に歌って踊って飲んで、楽しい時間を過ごさせていただきました。
後で知ったのですが、私たちに譲ってくれた席は、どうやら後から来るお仲間のためにキープしていたものだったようです。おじさまたちの親切に感謝するとともに、やはり席取りは大変ということを実感しました。自分たちで席をおさえるのであれば、やはり平日の昼間など比較的すいている時間帯を狙ってゆくしかなさそうです。
さて、オクトーバーフェストのテントで出てくるビールはマスと呼ばれる1リットルのジョッキのみです。ビール好き好きいってる私でも、さすがに1リットルジョッキは未体験。飲みきれるかな~と少々不安になりつつも、とりあえず注文注文。
しかし注文するのがまた大変。テーブルごとに担当のウェイトレスが決まっているのですが、長テーブルの反対側の通路しか通らないのでなかなか注文ができません。声を張り上げてみても大音響にかきけされてしまって気がついてもらえない。結局、同席のおじさまが注文してくれました。
頼んだものはビールとヘンデル、ピクルスとプレッツェル。料理をもってきてくれたときにその場で会計します。ヘンデルは鳥の丸焼きのことで、オクトーバーフェスト名物です。これが塩味がきいていて大変おいしい。味が濃いのでビールがすすむことすすむこと!
途中何度もプロージットを繰り返し、歌ったり踊ったりしつつヘンデルと一緒にビールをかっこんでいたら、あら不思議。いつの間にか1リットルジョッキは見事にからになりました(笑)
3時間ほど飲んだ後は、テントを出て会場内を探索してみました。会場内は大きなテントが14あり、それぞれ特徴があります。ビールはミュンヘンの地元メーカー5社のもののいずれかと決まっていますが、牛を食べさせるテント、魚を食べさせるテントなどいろいろ。そして、大きいテントの間に小さいテントや露店がたくさん並んでおり、ビールやワイン、軽食、お菓子やおみやげ物などを売っています。
さらに奥には移動式の遊園地があるのですが、これがなかなかあなどれない。数も種類もかなりたくさんあります。こちらでも絶叫系の乗り物が人気があるようですが、日本のものに比べるとかなり激しいので、ビールを飲んだ後に乗るとかなり危険です。
私は観覧車に乗ったのですが、こちらも日本のものに比べるとかなりスピードが速いです。日本ならば一周で終わりのところ、こちらは5周くらい乗せてくれました。高いところから見るオクトーバーフェストの夜景はとてもきれいなので、これはぜひ乗ることをおすすめします。
それからビールといえば酔っ払いがつきもの。からまれたりしたらやだなぁと思っていたのですが、幸い悪質なよっぱらいには遭遇しませんでした。
みんな陽気になっていてばんばん声をかけてきたり、写真を撮っていると勝手に侵入してきてちゃっかり一緒に写ってしまったりするので「これがあのお堅いドイツ人??」とびっくりしてしまうのですが、やはり酔っ払ってもドイツ人、醜態をさらすようなことはほとんどないようですね。
とはいえ、会場横の芝生にはカンペキに沈没して死体と化した人々の屍が累々と(笑)。またそれをおもしろがって写真にとる子供がいたりして、違う意味で普段とは違うドイツを知ることができて、たいそうおもしろかったです。
四日目
今日はいよいよ帰国の日。出発は午後だったので、最後の買い物をするためにカウフホーフへ。おみやげ用のお菓子と文房具を大量に買い込みました。
そして最後の食事はパウラナー・イム・タールへ。やっぱりここの白ソーセージが一番おいしかったので、ヴァイツェンビールとともに食べ納めです。
その後、空港へ向かい一路日本へ。
今回は五日間の弾丸ツアーでしたが、オクトーバーフェストとビールを堪能することができて、大変楽しい旅でした。ぜひまたビールを飲みにミュンヘンを訪れたいと思っております。
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