旅行期間は6月15日から27日まで13日間でした。
先ず、スペインはアストリア地方のオビエドに入り、そこから電車でレオン、ブルゴス、ビルバオ、サラゴサ、マドリッドを訪れ、その後地元イベリア航空にてサンティアゴデコンポステラに移動、また列車でビーゴに行きそこからパリ経由で帰国しました。
今回の目的は主としてスペイン北部の巡礼の道にある主要都市を訪ねてみたいと言うものでしたが、結果は、アストリア地方、レオン州、バスク地方、カタロニア地方、カスティーリャ地方、ガリシア地方を廻ることになり各地方の景色、文化、言語、人柄などの違いを経験でき大変貴重な旅となりました。
1.マドリッド
プエルタデルソルは相変わらず人で溢れていましたが、街は以前より大分汚れ反政府運動の連中がテントを張って抗議をしていたが、すぐその横で相変わらずのパントマイムなど大道芸があって皆さん楽しんでいます。
チェロ弾きのおじさんは6年前にも同じ曲を弾いていました。懐かしいのでつい記念写真ぱちっ。
プラド美術館前でもアルゼンチン人のギター弾きが結構上手に弾いてくれました。
マドリッドは音楽堂や劇場など幾つかありますが国立音楽堂の中は結構立派で、ヨーロッパ王立アンサンブルがモーツアルトのミサ曲などをやっていました。
マドリッドからアビラに向かう途中で、婦人(妊婦)が寝ていると言われる面白い山の風景があるので、はいパチリ。
2.サンティアゴ デ コンポステーラ
この街は勿論世界3大聖地として有名で、巡礼街道の終点です。敬虔(けいけん)なカトリック信者に混じって沢山の観光客でも賑わっております。
カテドラル(大聖堂)やミサの光景はどの観光の本にも載っていますが、私達が着いたその日(6月24日)午後2時くらいから大聖堂右手の山で山火事が発生、しばらくしてその消火に沢山のヘリコプターが水袋を積んで忙しく行き来していました。やがて数時間でほぼ鎮火しました。珍しいので発生時から消火にかけてパチッとカメラに収めました。
3.ビルバオ、サラゴサ、ブルゴス
ビルバオはバスク地方の大きな都市。駅名はビルバオ アバンドと言いますが、ここでも駅前でデモがありました。タクシーの運転手が社会主義の政府になってからスペインはすっかり駄目になったと嘆いていました。でも観光は日本人は皆無でしたが他の国のひとは結構いました。
グッゲンハイム美術館は近代美術作品収録と建造物で有名ですが、入り口前のパッピーの花の像も見事なものです。
地下鉄で20分程海に向かって走るとポルトガレテと言う駅がありそこにはつり橋があります。橋の高いところから人と車を載せる箱(フェリー)を宙刷りし河口の両側を行き来するのです。同じ設計者に係る橋はもう一つポルトガルのポルトにもありますが、こちらは宙刷りはありませんので、ビルバオの橋は貴重です。
サラゴサは今やマドリッドとビルバオの中間地点にあるスペイン5番目の大都市で、新幹線が時速300kmで走ります。
正式にはサラゴサデリシアスが駅名ですが、20分ほどのところに旧歴史的市街がよく保存されています。聖人ヤコブがエブロ川のほとりでマリア様のお告げを聞いてこの街に大聖堂が建てられたと言うことで、サンティアゴデコンポステーラとは縁がありますが、その規模は馬鹿でかくバカチョンカメラにはとても収まりません。
大聖堂には塔があってエレベーターで上まで上った景色は最高です。
ビーゴはガリシアの漁港として栄えたところでビーゴ行きの電車からリアス式海岸や牡蠣の養殖いかだが随所に見られます。
ついでに、リアス式と言うのは日本の三陸沖がそうですが、リアスとはこの地方の深い河口(湾口)のことで、昔キリストが右手を地面につけたところそこがへこんで深い河口になったので、ガリシアには5つのリアスバイサス(バイサスとはガリシア語で下のとか低いと言う意味だと思います)があるんだとタクシーの運転手は言っておりました。
ビーゴの写真は説明には関係ありませんが、たまたま海岸のぺスケーロ地区(漁師地区)でガリシアの民族音楽と舞踊大会をやっていたのでパチリ。
ブルゴス、レオンは巡礼の道の重要拠点、古い歴史地区はよく保存され両市とも立派な大聖堂をもっています。ブルゴスの裏山から大聖堂の全貌が眺められます。
スペインの鉄道は一つの列車が複数の行き先をもったものが多く、この写真のはミランダと言う駅で我々の乗った車両が1台だけ残され、これに機関車がくっつけられた時のものです。車両の間に人が入って連結するんです。おっかないですよ。
今回の旅行は
キチンと設計していただいたのでまったく無駄になる時間もなく、大きなトラブルもなく順調でした。流石に稲毛さんだけあって見事にアレンジされていました。
ただ、幾つか注意点をご参考までに列挙しておきます。
1.地方列車は1つの列車で行き先が複数ある場合があり、それぞれ出発時刻が異なるのに実際には1つの列車ですから同じプラットホームに止まっているので、誰かに切符を見せて聞いた方がいい。
2.列車には荷物置き場は必ず入り口についていますが、車両の中の網棚は広くしっかりしているので大きなトランクも載せられます。
3.駅名は、マドリッド アトーチャ とか ビルバオ アバンド とか大きな都市は必ず後ろに場所名がついていて、あちらではそっちの方を駅名としているので要注意。
4.ブルゴス駅は市内から外れたところに移りました。ビーゴのロスガリオネスホテルは静かな良い4星ホテルですが、観光地からはかなり遠いので街の雰囲気を大事にするお客さんにはバイア(港)地区の4星がいいでしょう。
5.マドリッドのアメリカノルテホテルは中南米客が多く、4星ですがあまりお薦めできません。
6.同ホテルのミューデスク(日本人向けツアー)は9時~10時しかやっていないので要注意。
7.スペインのチップはタクシーは端数が出たら端数だけ、場合によってはあげなくても良い。レストラン、カフェー、バールもほぼ同じ、高級レストランは他のヨーロッパと同じです。
8.スペインの時間割りは平日が午後2時から4時までは完全にお店は閉店、日曜日も全部閉店です。なので、旅行中その日が日曜祝日にあたった時の過ごし方は考えておいた方がいい。教会も平日はお店と同じです。日曜はミサをやっているので、観光見物で入って行く場合は注意が必要です。
9.ビルバオの近くにあるゲルニカの町は観光の本にはよく載っていますが、町はあまり見るべきものはありません。バス便が1時間おきに往復していますが、言葉が不自由な場合は先ずやめた方がいいでしょう。
10.ブルゴスはタクシーで1時間ほどのところに、サント ドミンゴ デ シーロと言う村の古い教会があってそこで1日2回ほど、25歳以上の修道僧達(4~50人)の祈りの歌があります。とても敬虔で素朴なもので、ブルゴスに行く人は是非行って聴く価値があると思います。行き方はタクシーが無難です。料金は先ず片道をメーターで行き、現地で待ってもらうと待ち時間のメーターになり、帰りは市内まではメーターは外して、再び市内に入るとメーターをつけると言う訳で、かなり安い。最大80ユーロとみておけばいいでしょう。
以上、とりあえず気づいたことですが、ビーゴは言葉の分からないお客様にはきついかも分かりません。私達にはまったく問題ありませんでしたが、先ず港に行って、船に乗り対岸のカンガス(海水浴で有名)を往復し、ぺスケーロと言う場所で生牡蠣、いわし、蛸、とうがらし、海産物盛り合わせなどを味わい、翌日時間がなくなってしまったので、タクシーに頼んで、展望台やら史跡を廻ってもらい十分楽しみましたが、英語はまったく通じないし観光客は殆どいないので、初めての方には難しいかも知れませんね。
いろいろ有難うございました。