以前から、スロベニアを代表とするポストイナとシュコツィアンの両方の鍾乳洞に行ってみたいと思っていたのですが、多くの旅行会社のツアーで訪れるのはポストイナだけ。世界遺産のシュコツィアン鍾乳洞に行けるコースはほとんどありません。かといって、個人で行くのも、交通のアクセスが悪くてなかなか難しそうでした。
そんなとき、パーパスのモデルプランに、専用車を利用して一日で両方の洞窟を訪れるコースがあったので、これだ!と思って申し込みました。
期間:2011年8月26日~2011年9月3日
風野 様
GON-000488
以前から、スロベニアを代表とするポストイナとシュコツィアンの両方の鍾乳洞に行ってみたいと思っていたのですが、多くの旅行会社のツアーで訪れるのはポストイナだけ。世界遺産のシュコツィアン鍾乳洞に行けるコースはほとんどありません。かといって、個人で行くのも、交通のアクセスが悪くてなかなか難しそうでした。
そんなとき、パーパスのモデルプランに、専用車を利用して一日で両方の洞窟を訪れるコースがあったので、これだ!と思って申し込みました。
ウィーンで5時間のトランジットがあったので、バスで市街地まで出てぶらぶらと街歩きを楽しみました。リュブリャナ空港に着いたのは夜10時過ぎ。ドライバーさんが空港で待っていてくれたので、ホテルまではスムーズに移動できました。
リュブリャナで宿泊したシティ・ホテルは、旧市街も鉄道駅も徒歩圏という便利な場所にあり、エレベータに乗るにもキーカードをかざす必要があるなど、セキュリティ面にも気を遣っているようでした。
朝食ビュッフェも、パンや料理の種類が豊富で、かなり充実しています。ただ、泊まった日はスロベニアには珍しい猛暑で、部屋には冷房がなかったので寝苦しくてたいへんでした。
駅前のバスターミナル窓口でチケットを買い、ブレッド湖行きの長距離バスに乗りました。バス乗り場はわかりやすいので特に迷うことはありませんでした。
ブレッド湖には、1時間15分ほどで到着しました。翌日から世界ボート選手権が開かれるとのことで、いつもよりちょっとにぎやかなブレッド湖だったのではないかと思います。湖上では選手たちの練習風景が見られました。
ブレッド湖は、スロベニアを代表する観光地だけあって、湖の水は澄んでいてきれいだし、崖の上のブレッド城から湖を見下ろすとまるで絵のように美しい風景。パークホテルで食べた名物のクリームケーキもとても美味でした。ブレッド島の聖マリア教会ではちょうど結婚式が行われていたので、定番の鐘を鳴らせなかったのがちょっと残念でしたが。
宿泊は、ユーゴスラビアの初代大統領チトーの元別荘だったヴィラ・ブレッド。部屋の窓からは、湖に浮かぶブレッド島と教会がよく見えます。夜には、湖と教会を花火が彩る幻想的な光景も見られました。
バスターミナルまでぶらぶら散歩してから乗り合いタクシーでリュブリャナに戻り、旧市街を観光しました。
ガイドブックでは、三本橋周辺あたりにしか見所がないように書かれていることが多いのですが、リュブリャナ城の西側あたりの地域の街並みもきれいです。石畳の広場には露店が並び、昔風の衣装を着た売り子さんが薬や布を売っていて、まるで中世にタイムスリップしたかのようでした。
リュブリャナは、観光地のにぎわいとともに、地方都市を思わせるゆったりとした素朴さも残されていて、とても居心地のいい街でした。ただ、滞在したのが日曜日だったので、みやげ物屋などはほとんど閉まっていたのが残念。ショッピングを楽しむのであれば、日曜は避けた方がいいと思われます。
ドライバーのアンドレさん(翌週に結婚を控えていると聞きました!)の運転する車で、まずはポストイナ鍾乳洞に向かいました。
鍾乳洞というと、普通は狭い洞窟の中を歩いて観光するというイメージですが、ポストイナ鍾乳洞では、広大な洞窟の中をトロッコに乗って駆け抜けるという、なかなかほかではできない体験ができます。ほとんど遊園地のアトラクションみたいな感じなのですが、日本の鍾乳洞とはスケールが違うことが実感できます。
その後、崖と一体化したような洞窟城を観光してから、世界遺産のシュコツィアン鍾乳洞へ。ここは洞内撮影禁止だったのが残念ですが、地底のグランドキャニオンともいうべき、高さ40mに及ぶ地下峡谷の迫力は圧巻。崖にはかつてここを探検した人々の残した足場やロープが今もそのまま残されていて、照明も通路もなかった当時の洞窟探検の苦労を偲ばせます。すっかりアトラクション化していたポストイナとは違い、鍾乳洞本来の姿をとどめていて、世界遺産の名に恥じない本当に素晴らしい鍾乳洞だと感じました。
鍾乳洞の出口から最初のビジターセンターまではリフトを使っても戻れるのですが、30分ほどの道のりのウォーキングトレイルもあります。まだけっこう日が高かったので、私たちは歩いて戻ることを決め、滝や森、石灰岩の山などスロベニアの豊かな自然を満喫しました(二つの鍾乳洞を歩いた後なのでちょっと疲れましたが)。
シュコツィアンからは車でイタリアへの国境を越え、夕方に北イタリア東端の港町トリエステに到着。ここでドライバーのアンドレさんとはお別れです。
トリエステで泊まったホテル・ローマは、ちょっと設備が古い感じでしたが、駅には近くて鉄道やバスでの移動には便利でした。トリエステは活気のある港町で、駅の近くは少しごちゃごちゃしていましたが、アドリア海に向かって開けたウニタ・ディタリア広場のあたりは落ち着いた雰囲気で、海に沈む夕日や夜のライトアップはとても美しく感動的でした。
次の日には駅前からバスに乗り、19世紀にハプスブルク家のマクシミリアン大公が建てたミラマーレ城に行ってみました。岬の突端に建っていて、青い空と海の純白の壁のコントラストが鮮やかです。のちにメキシコで処刑されてしまうマクシミリアン大公の悲劇を思うと、純白の城はどこか悲しげに見えます。
3泊したホテル・カールトン・カプリは、駅にもバスターミナルにも近くてしかも静か。部屋もそこそこの広さで冷蔵庫やバスタブもついていて、とてもいいホテルでした。ただし、駅からは大運河を渡ったところにあるので、重いスーツケースを抱えて橋を渡るのがちょっとたいへんでしたが。
このときのヴェネツィアはちょうど大潮にあたっていて、サン・マルコ寺院を観光して二階から下を見ると、サン・マルコ広場はすっかり水浸しに。ヴェネツィアのアクア・アルタ(大潮)は話には聞いていたけれど、本当にこんなふうになってしまうとはびっくり。
ヴェネツィアでは迷路のような路地を迷いながら歩き、富と権力を競い合うような豪華な教会巡りや、クラシックのコンサートなどを楽しみました。
また、仕事柄興味のあったサン・セルヴォロ島の精神病院博物館にも行ってきました。この博物館、日本ではあまり情報がなくてどうやって行けばいいのかよくわからなかったのですが、西澤さんには問い合わせとガイドツアーの予約の代行もしていただきました。ありがとうございました。
行ってみたらとても自然豊かで美しい国でした。出会った人たちもみな親切でした。
バスや列車の本数の多いブレッド湖やヴェネツィアへは公共交通機関を使い、交通の便が悪いポストイナとシュコツィアンの鍾乳洞だけピンポイントで専用車を利用するというプランはなかなかよく考えられていて、効率的に観光をすることができました。
実は、洞窟巡りをしたときの車の中に、妻が忘れ物をしてしまったのですが、トリエステのホテルから現地の手配会社に連絡したところ、その後ちゃんと日本まで届けていただきました。その節は本当にありがとうございました。
ご旅行はお楽しみいただけたようで、大変嬉しく思います。ポストイナは簡単に観光できるので、団体ツアーにもよく組み込まれていますが、なかなかツアーで訪れることのないシュコツィアン鍾乳洞へも専用車で足を延ばしていただき、個人旅行をご満喫いただけたのではないでしょうか?
サン・セルヴォロ島の精神病院博物館についてもお問い合わせいただきましてありがとうございました。こんなところがあるのかと、私も勉強になりました。