「 憧 れ の ア ド リ ア 海 へ 」
「キレイな海があるところ」「ヨーロッパ」という、漠然としたイメージからハネムーンの行き先を調べていて、ある美しい風景に釘付けになりました。
「そうそう!行きたいのはココ!」 私は、そこがドブロブニクという街であることを初めて知りました。
イメージしていたのは、私たちが大好きな、宮崎駿監督の映画「紅の豚」の舞台、「アドリア海」とぴったり重なることに気がついたのです。どうせなら、2カ国くらい巡りたいと考えていたので、アドリア海をはさんでクロアチアとイタリアに行くしかないと思いました。
よく、友人から「行き先は誰が決めたのか?」「なぜクロアチアなのか?」と聞かれますが、二人で決めた最高の選択だったと、旅から帰ってきて改めて感じています。
さて、手段や予算そっちのけで、イメージだけで決めてしまったものの、(しかも春に結婚式で公言してしまった)本当にクロアチアとイタリアを両方巡ることはできるのか?
各旅行会社のページを片っ端から調べましたが、私たちの希望通りのプランが提供できたのはパーパスジャパンさんだけでした。しかも、イタリアは南部の地方限定で、余計な都市は入っていない!さらに、アドリア海を「船旅」できてしまう!!希望を凌駕したプランだったのです!
もう他のプランを検討することはありませんでした。
「 出 発 か ら 予 定 外 の パ リ 」
いよいよ出発の日を迎えました。成田に着くと、予定していたフライトのまさかの遅延。。
何と、その日のうちにクロアチアに行くことはできず、パリに泊まるよう告げられました。
出発するときは窓口も対応の真っ最中だったので、パリに降りてからどこで何をしてもらえば良いのか手探り状態。。 やっと着いた航空会社手配のホテルは空港の近くでしたが、成田で急遽ガイドブックを買ったので、パリ市内まで繰り出して観光しました。せっかくのチャンスですからね。
エッフェル塔は、ちょうど1時間おきのイルミネーションも見ることができました。広場はカップルが多くてロマンチックな雰囲気です。
私としては、旅をする以上、こういうハプニングもありだと感じました。
「 ク ロ ア チ ア へ 」
翌日、パリからザグレブへ。機内からはアルプスのマッターホルンも見え、テンションが上がりました。(当たり前ですが、夜では見えなかったでしょう。)
ザグレブ市内の観光ができなかったのは残念ですが、空港での乗り継ぎ時間にちょっと外を散歩して、カフェでランチをしました。
午後のフライトからは定刻通り。遂に、待ちわびたドブロブニクに入りました。
お迎えの車とドライバーさんの対応もよく、ホテルまで会話が弾みました。
ホテルは、これまでの人生で泊まったどの部屋より素晴らしい眺望でした。パラソル付きの広いテラス、美しい旧市街、碧いアドリア海には豪華客船やクルーザー、そして、空には何とあの飛行艇がっ!!?
まさに「紅の豚」の世界がパーフェクトに再現されているではないですか!
「ゴミと落書きが汚くて、観光客で混雑している所以外は暗い・・・」というようなガッカリも何一つありません。
心の底から感動しました。
「 夢 は 叶 う 」
ドブロブニクを旅した皆さんがおっしゃるように、景色がきれい。料理が美味しい。人が親切。アジア人が少ない。というのは、ハネムーンにとっては最高だと思います。
結婚式の時、カラードレスは買って、また新婚旅行でも着たいと話していたので、ホテルの方に頼んで、結婚式風に撮影してもらいました。夢が叶った瞬間。人生に残る貴重な写真となりました。
また、ちょうどペルセウス座流星群と日にちが重なったため、アドリアの夜空の流れ星を、テラスから見上げるという、ロマンス映画のような素晴らしい体験をしました。
さらに、7月初旬からヨーロッパ周遊中の友人とも3日目の夕方に合流し、西澤さんにオススメして頂いたレストランで、3人とレストランのスタッフとみんなで盛り上がりました。この場所の素晴らしさを語り合える。その機会が与えられたことも、本当に恵まれていたなと、しみじみ思います。
「 フ ェ リ ー の 旅 」
海やプールで泳いだり、城壁を散策したり、スルジ山に登ったり、ドブロブニクを満喫したあとは、フェリーで南イタリアに向かいました。
フェリー乗り場は、イタリア人とバックパッカーでごった返しており、大声で何やら言い合っていました。列もあってないような状態。カオス。
親切な青年が、チケットを発券する建物が離れていることを教えてくれました。
船に乗ると、寝台列車を思わせるベッドの部屋にチェックインしました。共同のトイレの脇に壊れかけたシャワー室があり、礼拝堂があり、、バックパッカーはロビーやデッキの好き勝手な場所で寝転び始めたのには、ちょっと驚きました。
ビールとクロアチアのミニ国旗を手に、ドブロブニク港から離れていく様子を、デッキから眺めました。周りの人々も、飲んだり、ゲームをしたり、それぞれ旅を楽しんでいたのが印象的です。
アドリア海に朝日が昇ると、デッキからイタリアが見えてきました!
この、ゆったりとした国境越えが船旅の醍醐味です!
「 南 イ タ リ ア の 田 舎 を 周 っ て 」
バーリの港に着くと、荷物をチェックしたりしなかったりする気まぐれな入国審査を出たところに、一日お世話になるドライバーのジョバンニさんが待っていました。
港から車でマテーラへ。オリーブとブドウ畑ばかりの田舎道を走りました。
マテーラの、その荒涼とした丘と、古い街の光景は、まさに聖書の世界観でした。教会を巡り、洞窟住居を訪れ、あっと言う間に時間が過ぎて行きました。
午後から巡ったアルベロベッロは、ジョバンニさんの地元だそうです。
マテーラもそうでしたが、この地域の人は世界遺産の古い家を大切に守り、殆ど分からないイタリア語で、家や家族のことを一生懸命説明してくれました。
ドブロブニクでは触れられなかった、地元の暮らしを伺い知ることができたのはとても良かったです。
バーリに戻ってからは、一度バス乗り場を確認し、旧市街近くのレストランで、大変美味しいイタリアンを堪能しました。そこのスタッフの親切さも大満足でした!
「ローマはバチカンだけ見て、1日で逃げてきた。南イタリアのチョイスは正解だよ!」と話をしていた友人の言葉通りだったと思います。
「 イ タ リ ア の バ ス 移 動 」
実を言うと、今回の旅で一番不安だったのが、バーリからナポリまでのバス移動でした。案内所もなく、時刻通りに来るかも分からず、英語が伝わるかも分からない。。
朝一番にチェックアウトをし、比較的遅い7時オープンのビュッフェに駆け込むと、5分で食事を済ませました。(食べきれないパンはテイクアウトしました。)
駅前のバス乗り場に行くと、何人か集まっていましたが、ナポリ行きのバスはありませんでした。念のため、違う行き先のバスのスタッフに確認し、少し待つことにしました。やっぱり遅れるか、、という感じです。
ほどなくして、無事にバスに乗れるとホッとしました。ナポリ到着の時間に特に遅れがなかったのもラッキーでした。
「 カ プ リ 島 と そ の 夜 」
ホテルでチェックインしたあとは、早速カプリへ出発です!
これまでとは違い、アジア人観光客がたくさんいるのかと思いきや、島一周のクルーズ船でも、私たち以外に1組の日本人がいるだけでした。
比較的すんなり青の洞窟に入れたのも、良かったですし、その美しさも、期待を裏切らないもので、本当に素晴らしかったです。
カプリでも美味しい料理を食べ、ゆっくり過ごし、最終の便でナポリに戻りました。
時間が遅かったので、タクシーを捕まえるのに苦労しました。別の子ども連れの家族が、「タクシーはどこで乗れるのか?」というような事を私に聞いてきました。
不思議なことに、港でも、バス停でも、タクシー乗り場でも、行き先や乗り方を、イタリア人の旅行者に尋ねられました。なんで外国人の私に聞いてくるのか??そういう事を気にせず、事前に段取りもせず、何とかしてしまう。アバウトさと人懐っこさを感じました。
「 ナ ポ リ 中 心 部 か ら 帰 路 へ 」
朝から暑いナポリ。昼過ぎまでの時間、歴史地区を散策しました。
サンタルチアから見るヴェスビオ火山は、ナポリのナの文字も分からない私に、説得力のある存在感を出していました。
卵城から王宮、ドゥオモ、ガッレリアまでコンパクトにまとまっており、見所満載。
ガッレリアでは、スイーツをカフェで食べました。いろんなパフォーマンスをする人がガッレリア内にいて、アコーディオン弾きを遠目で撮影ていると、私たちの方に「オー・ソレ・ミーオ」を奏でながら近づいてきて楽しませくれます。そしてお決まりのチップをせびられました。
お目当てのティラミスやババ、スフォリアテッラを食べて、もうお腹いっぱいという感じでした。
午後のフライトへ再びパリへ。
乗り継ぎ時間は結構ありましたが、もう市内まで出なくても十分。ということで、空港内でマカロンを買ったり、軽食を取りながらゆっくり過ごし、無事に帰国しました。
一生の思い出となったハネムーン。
いつの日か、また二人でアドリア海を旅したいと思います。
ありがとうございました!