自然の宝庫 クロアチアへ行こう!
スプリット・フヴァル・ドブロブニク8日間

期間:2012年9月18日~2012年9月25日
DOY 様

GON-000624

クロアチアってどこよ、というのが普通の人の感覚。

私も今回の旅行まで場所すらあいまいでした。

他の人に「クロアチアって知ってる?」と聞いたところ、

・前にサッカーで日本と対戦したことがある。
・確かヨーロッパだよね?くらいの答え。

ちょっとよく知ってる(と思われる)人でも、

・旧ユーゴスラビアだっけ。
・内戦中でしょ。

とのこと。全然イメージ湧かないですね。
ちなみに漢字では「克羅地亜」と書くらしい。何か夜露死苦みたい・・・。

クロアチアは、20年前のユーゴスラビア崩壊とともに独立。
その後、内戦を経て、今は平和になっているそう。内戦からはもうかれこれ15年以上暮れているんですね。
地図で見ると、イタリアが近いです。イタリア半島の靴の前側が地中海。靴の後ろがアドリア海。
イタリアからはそのアドリア海を挟んで対岸に位置します。

今回の旅のテーマは、「海沿いの古い港町や島にまったり滞在」というもの。

ヨーロッパの人達は、夏のバケーションを中心にそんな楽しみ方をするようですね。

日本からの直行便は飛んでません。今回は初めて Austria 航空は利用しました。
でもいきなりの vivid な配色にビックリ。
機内に入ると、フライトアテンダントの制服が上下とも赤。
さらに締めてるネクタイはゴールド。女性はヒールまで真っ赤。

席に向かってまたまたビックリ。渡された枕はオレンジ、ブランケットはエメラルドグリーン。
ベッドレストは席によって、白・赤・黄。ちょうど LEGO の積み木と同じ配色です。
イタリア人でもここまでは、というお祭りのような色づかいでした。
元気をもらえそうな色使いです(苦笑)

そんなお祭りの中、機はウィーンに向かってスタートです。
お昼11時過ぎに成田を経ち、オーストリアのウィーンに着いたのが夕方4時。
そこで国内線みたいな小さい飛行機にトランジットしましたが、ウィーン → 首都ザグレブ間は40分。
あ、時間的にも国内線だ、こりゃ。

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クロアチア2日目。

2日目は、朝一番にホテルを出て、首都ザグレブから、一路 古い港町スプリットへ。

昨日は疲れてたのかあまり気になりませんでしたが、首都の空港だというのに、その規模がすごく小さい。
大阪伊丹空港よりずっと小さいです。飛行機の乗り降りもバスで近くまで行って、タラップで階段を昇ります。
でもその分みんながすごくのんびりしてていい感じです。
飛行機も地方線の大きさで、スプリット経由ローマ行き。
やっぱりヨーロッパって国際/国内線の区別があまりなさそうです。

スプリットまでは、時間にしておよそ1時間。
天気は晴れ。空気は少し乾いているのか涼しい感じです。

到着して出迎えてくれたのはホテルのおばさん。ホテルというより旅籠/ゲストハウスの感じです。
1階がレストランになってて、2階から上が客室。

家族経営でしょうか?
昔のアニメに「天空の城ラピュタ」というのがありましたが、おばさんはあれに出てくる女海賊のドーラそっくり。「お客さんが着いたよ、あんた達グズグズしてないでお荷物を部屋まで運びなっ」と子ども達(といっても、おっさん)に命令してます。
若いときは美人だった(過去形)ようです。夏木マリにちょっと似てるかな。
でも私は「ドーラおばさん」と名付けました。

遅めの朝ご飯をいただいた後、市内散策。
ドーラおばさんのお薦めに従って、まずは町で一番高い鐘楼に昇ってみました。
5階建てで、でも階段から1階まで丸見えの恐ろしい建物。
高所恐怖症の人なら途中で座り込んでしまうのは必至ですね。
そういえばほかの観光客も昇るのを躊躇されてました。

私は高いところはあまり気にならないはずなんですが(何とかと煙は高いところが好き?)、
足場が少しガタガタしてるのが気になって、とにかく上だけを見て進みました。

5階まで上がると、これは絶景。
オレンジ色の屋根が一面に広がり、その向こうに青いアドリア海。
さすがドーラおばさん、町で一番きれいなところをよく知ってます。

このスプリットという町の歴史は古く、4世紀くらいには町として成立。
ローマ皇帝のディオク何とかという人が退位後ゆっくり住んだところのようです。
この後も港町として栄えた、とか。
一日観光しましたが、日本人にはほとんど出会わずでした。
期待外れということもあるんでしょうね。
でもヨーロッパの人はいっぱいバカンスに来てて、町はずっと賑やかでした。

夜は、ドーラおばさんの旅籠のシーフードを堪能。
そういえば、昼に見た海鮮マーケットでも、海の幸がいっぱいでしたもんね。
クロアチアではイカもタコも食べます。
イカのリゾットで口が真っ黒になりましたが、新鮮ですごく美味しかった~。

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クロアチアの3日目。

朝3時にバリバリーッと大きな雷が。
飛び起きた後に、しとしとと雨が降り始めました。
そう言えば、天気予報で下り坂と言ってたな~、とウトウト思いながら再び夢の中に。

朝起きると雨がまだ少し残ってて、風もすごい。温度も17度、結構寒い。
ドーラおばさんに、この時期は天気悪いのと聞くと、あんまりないね~との返事。
昼には上がるよ、風が雲を飛ばしてしまうから、とのこと。

今日は、町の沖合いにある島へ。
港からフェリー船で出かけ、そこで一泊です。
特に何もない島ですが、ラベンダーが特産だとか。

島の名前は、フヴァル島。
港を出る時には、ほんと雲もどっかへ行ってしまっていい天気になりました。
風は相変わらず強いけどね。

港からゆっくりと出発した船。2時間で沖合いの島、フヴァル島に到着。
姫路から家島に渡った感じ(?)でしょうか。
天気が回復したからかすごく暖かい。太陽がいっぱいです。

ホテルに荷物を預けて、早速島内見学。
のんびりしてますね~。
早速、島で一番高い「旧要塞」へと上がってみました。

徒歩で15分ほど、映画に出てくるような石の階段ですが、日頃の運動不足で息が切れました。歳かな~?
頂上からの景色がすご~い!
オレンジ色の屋根と、アドリア海の碧、行き交う船。
1時間くらい景色を見ながらぼ~っとしてましたが飽きません。

写真で沖に見える小さな島。昔は検疫所だったそうです。
外国から来た人は、ここで40日間滞在した後にようやく入国を許されたんだとか。
疫病防止のためですね。

今夜の夕食は、海鮮パスタ!
海の幸は絶品。・・・でも、パスタは結構伸びている。
クロアチアのパスタはやわらかいとは聞いていましたが・・・。
オレに料理させろ!

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4日目。

のんびりし過ぎです(苦笑)。
昨夜は夜景を見ながらゆったりワイン。

今朝目覚めたのが9時。
ゆったり朝ご飯を食べて、港を散策しながらビールを一杯。
いかんな~、と思いながら辺りを見れば、お隣さんもビールをプシュッって。
この景色には、人を惑わす何かがあるようですね。

それに何たって人がいい。

今回、ゆったり過ごす、という旅のテーマの他に「観光には何が必要か」ということも知りたいな、
と思っていました。

私の住んでいる地域「福住」は、本年末に「伝建地区」の指定を受けるんですが(伝統的建造物群保存地区・文科省指定)、その中で地域として大きく「観光」に舵を切ることになっています。

そこで思いついたのがクロアチア。
最近、急に日本で観光を売り出したし、文化・自然が一杯というところも何かしら共通項があるかも、
と考えた次第。

確かにホテルやお店の対応も他のヨーロッパの先進国と比べると少しノンビリ気味。
ホテルでお客さんが来た時も「ようこそ土井様」とすっと挨拶するところ、
ここでは「ようこそ、え~と誰だっけ(と言いながら手元のメモを見てる・苦笑)」って感じ。
でも2回目からは必死に覚えたのか、名前で呼んでもらえたり。

港に着いたタクシーが見つからず途方にくれていたところ、
近くの食堂のおじさんが親切に声をかけてくれて、「よしまかせとけ」って店を放っておいて
(それはそれでどうかと思う・笑)、タクシーを拾いに走ってくれたり。
拙(つたな)いけど一所懸命で、困っている人を放っておけない、そんなところがいいです。

あれほど風光明媚なポイントを多く持つ、よそのヨーロッパの人たち(イタリアとかフランスとかドイツとか)も、
夏のリゾートはクロアチアと決めている人が多いそうで、7~8月のハイシーズンはクロアチアの宿は取りにくくなるとか。
サービスの完璧さで勝負するなら、たぶん一定のところで互角になって、あとは値段競争、となるんでしょう。
でも、多少サービスが劣ってでも、人柄のよさがにじみ出る、そっちの方が私はいいな、と思いました。
一つ勉強。

帰りの船の中でそんなことをつらつら考えながら宿に戻ると、
ドーラおばさんが「よく我が家へ帰ってきたね」と笑顔で迎えてくれました。

やっぱりこれですよね~。

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今日は移動日。

さらに南の街、ドブロヴニク(発音が大変)を目指します。
朝ドーラおばさんにサヨナラを言って、ご家族(使用人?)の方に挨拶して、玄関まで丁寧に見送ってくれました。

名残惜しいですが、バスに乗り込み出発。運転手さんに聞くと、4~5時間の旅とのこと。
左手に海を見ながらバスはビュンビュン飛ばします。
3時間くらい走った頃でしょうか。途中で何回かトイレ休憩はあったんですが、今度のは様子が違います。

前を見るとクロアチアの赤白青とはちがった国旗が。
青地に黄色の斜めライン、ネットで見たことがある隣国、ボスニア・ヘルツェゴビナです。
ちょうどここに10km程の長さのボスニア領が張り出していて、
ドブロヴニクに行くにはそこを通過しなければいけない、とガイドブックに書いてあったような気が。

パスポート、パスポートと言って、2人の警官(?)がバスに乗り込んできます。(後からネットで見ると別に緊張する必要はなかったようですが(汗)。
どうやら許可が出たみたいで、バスは再び発進。
その後、再びクロアチアに入国ですが、ここでは係の人がバスの運ちゃんにオッスって声をかけるだけ。
パスポートを準備した私はハメを外されてしまいました。

バスターミナルに到着後、そこからホテルまでの10分程タクシー。
運ちゃんが明るい人で、日本から来たのか、オレの車は日本製だ、マツダだ、燃費がいいんだよ、
と強い訛りのある言葉で一方的に話しかけてきます。

ホテルに到着する直前、ドブロヴニクの旧市街が見えました。
あ、これこれ、これです。今回の旅行を決めた訳。

アドリア海を舞台に、海に張り出すドブロヴニクの旧市街。
例のオレンジの屋根の家々がびっしりと軒を連ねていて、その周りを分厚い城壁がぐる~って取り囲んでいる。この景観は一度観たら忘れることができない強い印象です。

ホテルに荷物を置くのもそこそこに、旧市街へ向かいます。
城壁は結構幅広くて、確かその城壁の上を歩くツアーがあったはず。
実際に行ってみると、自由に歩いていいようです。(入場料はいりますが・・・)

城壁に囲まれた街、ぐるりと回るとそれでも3~40分はかかりました。
中世、ヴェネツィアが東方への貿易を行っていた7世紀、ここドブロヴニクはその中継地点として栄えたようです。また、どこの国にも属さず、独立を貫いたのだとか。

歴史はともかく、その風景はまたまた宮崎アニメの「魔女の宅急便」そっくり。
舞台のモデルの一つにもなったそうです。
おかげで城壁散策の間、頭の中でユーミンの「ルージュの伝言」が鳴り響いてました♪

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最終日。

昨日城壁から見た旧市街を今度は上から見ようと、早起きして裏のスルジ山へ。
ホテルで聞くと、頂上まで歩いて1時間くらいかな、とのこと。
これならば運動不足解消になるし、ちょうどいい、と思って頂上を目指すことに。

ちょうどトレッキングシューズも持ってきてたので、ヒモをしっかりしめて昇り始めました。
初めの30分くらいは息が切れて息が切れて。
景色も山の中で木々しか見えないし、やっぱ帰ろうかな、と思いかけたころから山頂の建物が見えてきました。足下が岩場に変わったと思ったら景色も見渡せるように。

こうなると歩いてても楽しい。
峠のようにくねくねと続く道ですが、そのカーブごとに写真を撮ったりして、トレッキングを楽しみました。

ほんと1時間で頂上。
ここからの景色もすごいです。眼下には昨日の旧市街。左右はアドリア海と美しい空が広がります。

ゆっくり景色を楽しんだ後、帰り道は早い早い。40分程で下界着でした。
足下、トレッキングシューズでよかったです。ビーサンだったら途中で諦めてたかも。

午後はホテルの前の海(アドリア海!)でスイミング。
これも運動不足解消!と思って泳ぎにでかけましたが、一旦海からあがるともうダメ。
ビールでもどうですか、と薦められると、ニターッと笑ってそのままいただきました。
後はビーチで寝そべって1、2時間の睡眠。
ほんとのんびりもいい加減にしなよ、ってところですね。(苦笑)

酔いからさめて、旧市街をウロウロ。
ワインを買ってホテルでまたまたゆっくり。

翌朝早く、ドブロヴニクを出発し、今 再びウィーン空港。
出掛けにホテルの人が紙袋をくれたので何だろうとは思いつつ、チェックインしたり、
出国手続きをしたりのバタバタで忘れてました。

ようやく今、トランジット待ち。
そこで、紙袋を開けてみると、朝ご飯が!

チーズサンドイッチとチョコクロワッサン、オレンジ、グレープジュースが入ってました。
ホテル発が朝6時。ホテルの朝食が始まる時間は7時。
特にこちらから頼んだわけでもないのに持たせてくれたんですね。

朝早くてご飯も食べる時間がないよ、と昨日話してた時は特に反応がなかったんですが、しっかり気を使ってくれてる。そう言えばクロアチアの人は「ツンデレ気質」って聞いたことがあります。
美人・男前が多くて、ちょっと見はツンツンしてるように見える。
だけど、ほんとは人のことをずっと思っててやさしい。

今回の旅行で実感しました。ドーラおばさんにも会えたし、いい旅でした。

Hvala!(Thank you)、クロアチア。
乗り継ぎのウィーン、現地時間13:30、機は成田へ向けて出発です。

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ツアープランナーからのコメント

読み応えのある素敵な旅行記、ありがとうございました。
そう、旅の醍醐味って「人」ですよね。特に一人旅となれば、なおさらです。ガイドブックや写真ではわからない、その国の人柄の良さを味わう事が出来るのが個人旅行の良さだなぁとつくづく感じます。
「旅先でのんびりする」って、私もなかなか出来ないんですが、こんな素敵な場所で、素敵な人々に囲まれて贅沢な時間を過ごす事が出来たようでとても羨ましいです!
今回も、本当にありがとうございました。

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