家族で過ごすコートダジュール・パリ11日間

期間:2014年5月8日~2014年5月18日
岡本 様

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旅の目的とパーパスジャパンさんとの出会い

「一年間の予定でフランスに滞在中の娘を訪ねる」
「長年の夢であったオランジュリー美術館でモネの『睡蓮』を鑑賞する」
「南仏の小さな村ラ・チュルビのオステルリー・ジェロームに泊り、評判のフレンチをいただく」

この三つの目的で旅の計画はスタートしましたが、せっかく遠くまで行くのだから、あれもこれもと欲張っているうちに、南仏に4泊、パリに4泊ということになりました。

結婚40年目にして、二人での初海外旅行です。
フランスに着いてしまえば娘がいるので安心とは思っても、旅慣れない私達ゆえ飛行機やホテルの予約は自分たちではとても無理です。そんなとき出会ったのがパーパスジャパンさんのホームペー ジでした。『結婚30周年、フランスへ嫁がれたお嬢さんを訪ねる旅』という、Yさんご夫妻の旅行記を偶然目にし、「私達に似ているな、この会社に相談してみよう」と思いました。

担当の横田さんが私達の希望に沿ったフライトやホテルをスピーディーに提案してくださいました。何度か変更を重ねる間のメールのやり取りでは、温かみのある対応がとても感じよく、私達の不安は少しずつ期待に変わって行きました。

手配してくださったホテルはどこも清潔感のある、希望通りバスタブ付きの部屋でした。
飛行機の座席は、贅沢にもビジネスクラスを選択。飛行機に乗るたびに、「一生に一度は乗ってみたいビジネスクラス」と思っていましたので、思い切ってその一度のチャンスをこの記念すべき旅行で使うことにしました。もちろん座席も、機内食も、サービスも大満足だったことは言うまでもありません。

旅の思い出ベスト10

と言ってもランキングではありません。どれもすばらしい思い出なので順位はつけ難く、心に残る光景、事柄の中から印象深い10項目を選びました。

☆ 地中海

羽田からパリ経由でニースへ。パリに住む娘は4時間ほど遅れてニースに到着することになっていたので、安心のために迎えの車を頼んでおきました。

荷物を受け取り出口にへ向かうと、日本人女性の K さんが出迎えてくれました。早速、彼女の車に乗り込みホテルへ。走り出すと間もなく目の前に地中海が現れました。
「この時期、朝は特にもやが立ちのぼって海の青さはもうひとつなんですよ」と K さんは言われましたが、私にとって初めて見る地中海はどこまでも青く、すべてを包み込んでしまうような穏やかさに見とれてしまいました。

そして、いつの間にか日常のもろもろを自然に忘れ、長旅の疲れも癒やされていました。

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☆ 南仏でのうれしい出会い

ニースに到着した日の夜、モナコ在住の主人の従妹夫妻を訪ねました。通常ならニースからバスで30分かからず行けるところ、近々行われるモナコグランプリの影響で渋滞し、大幅に遅れてしまいました。

彼女に会うのは6年ぶり、だんな様とは初めてお目にかかりました。お二人は手作りの歓迎プラカードを掲げて、にこやかにバス停まで迎えに来てくださっていました。
そして、地中海が一望できるご自宅での楽しいディナー、おいしいワインにアイデア溢れる魚介のオードブル、ダイナミックな鯛の塩釜焼き、かぼちゃのサラダなど、心づくしのおもてなしに大感激でした。

もうひとつの出会いは3日目、カンヌにおいてでした。こちらはパリで娘がホームステイさせていただいているホストファミリーご夫妻です。私達よりは少し人生の先輩、かつてはジャーナリストとして活躍されていたご主人も今は悠々自適。スイスとカンヌに別荘をお持ちで、山と海のすばらしい景色を眺めながら優雅な余生を過ごしていらっしゃいます。
そんなお二人のおおらかなお人柄と、人生を楽しむ姿を、娘は私達に見てもらいたかったのでしょう。海に面したバルコニーで、心地よい風に吹かれながら最高のランチタイムとなりました。

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☆ サン・ポール・ド・ヴァンス & ヴァンス

南仏での2日目、ニースの西方、バスで40分ほどの小高い山の上に作られた鷲の巣村サン・ポール・ド・ヴァンスを訪れました。村でただひとつの入り口をくぐり抜けると、石造りの建物や石畳の坂道、それは今までに見たことのない歴史を感じさせる光景でした。
現在はアトリエ兼ギャラリー、衣類や雑貨のおしゃれなブティック、南仏の特産物を扱うお店、カフェなどが軒を並べ、いつまでも居たくなるような素敵な雰囲気を作り出しています。

一歩わき道に入ると静かな佇まい、植物や窓辺の飾り、可愛らしくペイントされた郵便受けなどに人々の暮らしを感じることができます。主人も私もすっかりここが気に入り、ランチをはさんでゆっくりと、心ゆくまで楽しみました。

ヴァンスはそこからさらにバスで10分。ここでの目的は、画家マチスが晩年にデザインしたロザリオ礼拝堂。バス停から20分は歩いたと思います。不便な場所にもかかわらず、見学者が次々と訪れていました。

中に入ると正面と左壁面に青、黄、緑のマチスらしい葉っぱのモチーフのステンドグラス、右と後方壁面には白地に黒の線描きで聖母子像や聖書の物語のタイル壁画が飾られ、ステンドグラスを透過した光が白い床や壁に反射して、独特の空間を演出しています。別の部屋には、やはりマチスがデザインしたカラフルでポップな司祭服も展示されています。

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☆ オステルリー・ジェローム & カフェ・ド・ラ・フォンテーヌ

南仏3日目、ニースからラ・チュルビへ。ニースの北東約10km、モナコを見下ろす山の上にある小さな村です。娘が昨年の夏から秋にかけて3ヶ月間、仕事のご縁をいただいたホテルとビストロは、フランスに行ったら、ぜひ訪れたいところのひとつでした。オステルリー・ジェロームのレストランはミシュランの星を獲得していて、コート・ダジュールでも評判の高いお店だそうです。

コースは2種類、私達は78ユーロの小さい方のコースを注文。手長エビの前菜、グリーンピースのスープ、オマールエビのソテーにも旬のグリーンピースが添えられ、メインは鯛のポワレに珍しい紫色のアスパラガスとナッツ添え、鳩のロースト、フォアグラとセップ茸添え。味はとても上品な薄味、どれも素材の味が生かされていました。とりわけ、グリーンピースのスープは豆の蔓(つる)をあしらった盛り付けが楽しく、新鮮な豆のおいしさを感じられる逸品でした。

デザートも品数が多く、一品目のさくらんぼのタルトのお皿には、結婚40周年を祝うメッセージが、日本語とフランス語で添えられていました。「ありがとう」という感謝の気持ちとともに、この先も良い時を積み重ねて行きたいという思いを新たにしました。

翌日のランチはジェロームのオーナーシェフが道を挟んで経営するビストロ、カフェ・ド・ラ・フォンテーヌを予約。ここで出されるお料理は、朝ホテルの厨房で仕込まれます。ミシュランの星付きレストランの味を気軽に味わうことができるので、昼も夜もたくさんのお客様でにぎわっているとのことです。

私達が何を注文しようかとメニューとにらめっこしていると、娘の元上司が「おまかせで」と選んでくれたのは、アスパラガスのサラダ、エスカルゴ(前日の生きたエスカルゴが入荷とのこと)、ラビオリ、りんごと梨のタルト。カフェのテラス席はフランスに行ったら一度は座ってみたい場所。日当たりの良い、特等席に案内され、シャンパングラスを傾けながら、昨夜に続きおいしいフレンチを堪能しました。

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☆ テット・ド・シアン

『犬の頭』と名付けられた標高550mのこの場所は、ラ・チュルビの中心地から車で5分足らず。歩いて行くのはちょっと大変と諦めていたところ、娘の元同僚 J さんが車で連れて行ってくれました。彼自身ここが大好きで、地中海を望むいちおし絶景ポイントだそうです。

車を降りて、岩をくりぬいたトンネルを抜け坂道を登って行くと、思わず歓声が上がる光景がひろがります。眼下にモナコを一望、遥か向こうに見えるのは、もうイタリアだそうです。反対側には有名な鷲の巣村エズを見ることができます。

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☆ シヴェルニー

パリでの2日目、『鉄道の旅』もしてみたいという私の願いが叶い、サン・ラザール駅から列車とバスを乗り継いで、画家クロード・モネが後半生を過ごしたシヴェルニーへ。

色とりどりの春の花たちが咲き乱れるモネの庭は、まさに幾重にも塗り重ねられた彼の作品を見ているようです。

モネの家の前庭から地下道を通り抜けると、あの有名な太鼓橋が架かった睡蓮の池に出ます。残念ながら時期が少し早く、睡蓮の花はほとんど咲いていませんでしたが、池には様々な草花、木々、刻々と変化する空が映り込み、十分にモネの世界に浸ることができました。

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☆ 美術館めぐり

今回の旅行で絶対に外せなかったのが、オランジュリー美術館。そのモネの『睡蓮の間』を訪れることは、私の長年の夢でした。
二つの楕円形の部屋には、それぞれ趣の異なる『睡蓮』が、見る人を囲むように展示されています。しばらく見ていると、始めの印象とは少しずつ変わってくるようで、いつまで見ていても飽きません。前日のシヴェルニーの光景を思い起こしながら、モネの世界を堪能しました。

他にもパリではオルセー美術館、ロダン美術館、中世美術館、国立近代美術館、マルモッタン・モネ美術館、ニースではマチス美術館とたくさんの美術館を回ることができました。

さらに旅の最終日、パリ16区にある建築家ル・コルビュジエのアパルトマンとアトリエ、そして彼が友人の依頼で設計したギャラリーのある住宅ラ・ロシュ邸を見学しました。いずれも80年以上前に建てられたとは思えないほど、モダンで洗練されています。アトリエには日本人のスタッフもいて、興味深いエピソードを、いろいろと聞くことができました。

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☆ パリのシンボル

エッフェル塔の夜景を見に行きました。5月半ばのパリはサマータイム、午後9時を回っても、まだかなり明るいのです。9時半過ぎホテルを出発、歩いて15分ほどのシャイヨー宮のテラスを目指しました。
10時少し前、ようやく暗くなり始めた夜空に、オレンジ色にライトアップされたエッフェル塔が、くっきり浮かびます。そして10時ちょうどから5分間のシャンパンフラッシュ。文字通りパリのシンボルが、輝きを増す瞬間でした。

パリを代表する風景は、セーヌ川、凱旋門、ルーブル、統一感のある美しい街並みと、いろいろありますが、パリに着いての第一印象は、街路樹の多さです。プラタナス、マロニエ、菩提樹が代表的なようで、街路だけでなく公園にもたくさん植えられています。5月の葉っぱはまだ若葉色でとても爽やか、心地よい木陰を提供してくれました。

もうひとつ忘れてはならないのがメトロです。この旅行でも、ずいぶんお世話になりました。娘が居てくれたお陰で乗り換えもスムーズ、私達はただ後をついて行くだけでしたが・・・。
パリの地下鉄はスリが多いと聞いていたので、暗いイメージを持っていましたが、駅構内は思っていたよりも明るい雰囲気でした。ただし、緊張感を持って行動することは必要、車両内で眠っている人は居ません。写真のように個性的な内装を施した駅もありました。また、どこまで乗っても均一料金とシンプルです。

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☆ アーティストたち

昔から芸術家にとって憧れのパリ、そしてフランス。現代でもあちこちで自分を表現しているアーティストたちに出会います。ニースの路上で、カンヌの砂浜で海岸通りで・・・。

また、メトロの通路では時々、ミュージシャンの演奏を耳にします。パリ市のオーディションを受け、許可を得た人たちだそうです。私達が訪れた美術館の多くで、小学生くらいの子ども達が、先生と鑑賞に来ている姿を見かけました。小さい時から本物に触れ、芸術への理解を深められるのは、うらやましい限りです。もしかしたら、その子ども達の中から、未来のアーティストが生まれるかも知れません。

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☆ マルシェ

パリでの3日目、月曜日以外毎日開かれているというマルシェ、アリーグルの市場へ連れて行ってもらいました。通りの両側にどこまで続くテント。そこに並んだ野菜、果物、花のなんと安いこと。

少々野菜不足に陥っていた体が、あれもこれもと欲するのを抑え、迷ったあげくホワイトアスパラ、ラディッシュ、クレソン、ブロッコリーを買いました。その夜は娘のアパルトマンでお野菜たっぷりの夕食となりました。

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予想や期待をはるかに上回る、心に残る思い出をたくさん抱えて帰国することができました。

仕事を休んで専属ガイドを務めてくれた娘に、1,200枚を超える写真を撮影してくれた主人に、そして私達の旅を応援してくださったパーパスジャパンさんに心から感謝しています。

ツアープランナーからのコメント

旅の充実度がすごく伝わってくる、とても素敵な旅行記をありがとうございます!フランスの地でご家族の再会というだけでもドラマチックですが、ご旅行そのものも、とっても楽しんでいただけて嬉しいです。これを機会に、一生に一度と言わず、またご旅行なさってくださいね。

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