ハネムーンには、私たちが出会うきっかけとなったベルギービールを飲みにベルギーへ行きたいねと話していました。ベルギーまで行くのであれば、夫はビールの醸造所を見学したい、私は隣国のドイツまで足を伸ばして本場のクリスマスマーケットを見てみたい等々、計画を膨らませてゆきました。二人揃ってはじめてのヨーロッパ旅行に加え、偏ったプランでしたので不安も募ります。
私たちの希望を叶えてくれる旅行会社さんなんて本当にあるのかな?と探していたところ、パーパスさんに出会いました。期待半分・不安半分の状態でおうかがいして、私たちのわがままなプランを伝えましたが、どれも柔軟に対応してくださって旅行計画がどんどん組みあがっていきました。“私たちの希望するハネムーンがここに!”と、帰り道に興奮しながら夫と話したのを覚えています。
ルクセンブルクへ
日本からアムステルダムを経由して、まずはルクセンブルクへ。
今回は現地でたくさんの種類のビールを飲むことも目的の一つでしたので、まずは乗り継ぎの時間を利用して、オランダのハイネケンで記念すべき一杯目を乾杯しました。
ルクセンブルクでもクリスマスマーケッ トが開催されており、屋台で顔の大きさほどのお肉が挟まったバーガーを。ヨーロッパのサイズ感にタジタジしつつも、二人して人目も気にせずかぶりつきました。
ホテルの食事では、朝からシャンパンやとりどりのオードブルをいただき、ハネムーン気分を満喫。
ルクセンブルク ~ ベルギー入り ~ オルヴァル ~ デュルビュイへ
日本語も喋れるドライバーさんの運転でワロン地方を周遊。久しぶりに日本語でコミュニケーションができることに、早くも少しホッとしました。まったくの個人旅行ではなかなか訪れることができないような村々や教会を巡り、現地の方にベルギーの歴史や宗教についての貴重な話をうかがい、思いを馳せる――旅の醍醐味を感じました。
オルヴァル修道院は、夫がかねてから行きたかったところの一つで、大興奮!ここでしか飲めない緑のオルヴァルにご満悦でした。デュルビュイでは、こじんまりとしたかわいらしい街並と猪亭のディナーを堪能。思った以上にどっしりとしたジビエに、私はまさかのデザートまでたどり着かないという事態に陥ってしまいました。いつかリベンジしたいです(その時はお腹を空かせて臨みます!)。
デュルビュイ ~ マレッツ ~ ナミュール ~ ブリュッセルへ
ロワンの穏やかな丘の中を車でいきました。天気もよく、空の青、草木の緑、土の茶色のコントラストが映えてとても美しかったです。
ドライバーさんの粋な計らいで、急遽マレッツ修道院へ。併設されているカフェにて生ビールと軽食をいただきました。ディナンでは街を少し歩きましたが、やっぱりシタデルは壮観でした。
その後ムーズ川沿いをドライブし、ナミュールへ。丘の上の城塞から街並をカメラでパチリ! 美しくもかわいらしい一葉になりました。ブリュッセルでドライバーさんとお別れ。今回の旅で私たちは、専属ドライバーさんをお願いしました。はじめは少し贅沢かな、と思いましたが、ベルギーという国のこと、民族のこと、教会のこと、そして美味しいお店や見所などいろいろなことを教えてもらえたので、現地のドライバーさんにガイドをお願いして正解でした。
ブリュッセルでは、念願のバケツ一杯のムール貝を食し、デリリウムカフェ本店や、ドライバーさんに教えてもらった路地裏の素敵な BeerBar で楽しい時間を過ごすことができました。
ゲントへ
ベルギー国鉄の IC を利用してゲントへ向かいます。トラムに乗り換えて旧市街まで。川沿いに並ぶ中世を思わせる街並を見て、テンションが上がりました。コーンレイ、グラスレイを歩き、フランドル伯居城へ。ここは本物のギロチンや拷問器具なんかも展示してあって、ちょっとびっくりしました…。
ランチはドライバーさんに教えてもらったお店で、食事と一緒にゲントのビールを味わいました。ゲントのクリスマスマーケットを見て回ったり、鐘楼ホールで絵画やステンドグラスにうっとりしたり。
街歩きをたっぷり楽しんだ後は、絶対に訪れてみたいと思っていたデュルグリートというお店へ。大きなフラスコの形をしたグラスでいただく、MAX というビールが目当てです。注文すると、デポジットとして自分の靴(片足)を差し出さなければならないシステムがユニークです。自分のブーツが籠に入れられて天井に吊るされる様は何とも愉快でした。もちろんビールは美味しく飲みきり、ブーツも取り返しましたヨ。
アントワープ、メッヘレンへ
日本人のガイドさんと、ジェームスボンドみたいな瀟洒なドライバーさんと一緒に、アントワープのデ・コーニンク醸造所へ。工場内はリニューアルしたらしく、ちょっとしたテーマパークのようになっていておもしろかったです。三種類のビールを試飲して気分も良くなりましたが、続けてメッヘレンに移動してヘット・アンケル醸造所を見学しました。こちらは歴史のある醸造所で、重厚な建物だったのが印象的です。ガイドさんとともにホップを実際に触ったりしてビールのお勉強をした後、グーテン・カロルスを美味しくいただきました。ほろ酔いで聖ロンバウツ大聖堂を見学し、ブリュッセルへと戻りました。
ガイドさんに教えてもらった魚市場のお店に、早速足を運びます。食材を選ぶと、その場で調理してくれます。市場なので当たり前かもしれませんが、どれも鮮度抜群!名物のエビクリームコロッケ、ムール貝、シュリンプらは絶品でした。お腹を満たした後は、ブリュッセルのチョコレート屋さん巡り。目移りしてしまいますが、何軒も巡ってたくさんのかわいくて美味しそうなチョコレートを買い込みました。
ブリュッセル ~ ドイツのケルンへ
ベルギーで買ったチョコレートたちをスーツケースに詰め込み、いよいよブリュッセルとお別れです。
ベルギービールの飲み納めにと選んだのは、夫も大好きなカンティヨン醸造所のランビックビール。自然発酵にこだわった、酸味の強い味わいに特徴があります。日本語訳のガイド用紙を片手に、自分たちのペースで見学することができます。その後はお楽しみの試飲タイム。出来たての貴重なランビックビールは本当に雑味がなくて美味しかったです。私の中の、ビールに対する概念が変わりました!
名残惜しみつつも、ブリュッセル南駅から高速列車タリスに乗り、ドイツはケルンへ。ホテルにチェックイン後、夕暮れのケルンの街へと繰り出しました。ライトアップされたケルン大聖堂の横で赤いテントが印象的な美しいクリスマスマーケットを発見!マーケットの中から空を見上げると星が瞬いているかのようで幻想的でした。ドイツに来るまでにいろいろなクリスマスマーケットを訪れましたが、念願でもあった本場のクリスマスマーケットには大興奮です。
夕食は歴史のあるビアホールで大皿に盛られた料理を楽しみました。食事のお供には、ケルンの地ビールでもあるケルシュをチョイスしました。グラスが空になると、ギャルソンがやって来ては椀子蕎麦のごとく新しいビールが入ったグラスに取り替えてくれます。コースターでグラスに蓋をすることでごちそうさま、の合図になるというシステムが何ともユニークです。これがやりたかった私たちは、二人で7杯ほどいただきました(今思うともっと飲めたなぁ!)。
ケルンのクリスマスマーケット
朝食後、ケルン大聖堂へ。これまでたくさんの教会や大聖堂を見学してきましたが、さすがケルン大聖堂、スケールの大きさに圧倒されました。ステンドグラスに差し込む朝日がとにかく美しくて、思わずずっと眺めていたくなるほどでとても感銘を覚えます。歩いてケルン大聖堂を登りはじめ、20分ほどで頂上へ。
ケルンの街並みを見下ろします。額には噴出す汗が…。地上に降りてきたところで再びケルシュをいただきます。ザワークラウトとケルシュのみ、といったオーダーにも、ギャルソンは嫌な顔せずサーブしてくれました。プロの仕事人がここに!
ケルシュで乾きを満たし、良い気分のまま本格的なクリスマスマーケット巡りへ。今日はこれから丸一日を使っての贅沢なクリスマスマーケット巡りです。ケルン市内には7つのクリスマスマーケットがあって、それぞれのマーケットにテーマが決められています。オーナメントや装飾もまったく違ったりするのですが、どこも楽しくてうきうきしてしまいました。
各マーケットを結ぶ、汽車をモチーフにした期間限定のバスが走っていたのも観光客には嬉しく、私たちはバスを駆使しながら7箇所のマーケットすべてを回ることが出来ました。一番のお気に入りは小人をモチーフにしたマーケットで、滞在中は何回もこのマーケットをぶらぶらと歩きました。身体を温めてくれるグリューワインも美味しく、かわいいデザインのマグカップは持ち帰って旅の思い出に。
マーケットではクリスマスのオーナメントもいろいろと買い込んでしまいましたけど、これから毎年クリスマスのシーズンになるとオーナメントを見る度にハネムーンを思い出すのだろうな、と考えるだけで幸せな気分です。クリスマスマーケットをたっぷり堪能することができた、充実した1日でした。
ケルン ~ 帰国
荷物が多かったので列車ではなく、ホテルよりタクシーで空港へ。朝日をバックにそびえるケルン大聖堂はきれいで神秘的でした。乗り継ぎのアムステルダムでは、旅のはじまりにも飲んだハイネケンでふたたび乾杯し、早くもヨーロッパロスに陥りつつ旅の終わりを惜しんでいました。
夫婦揃ってはじめてのヨーロッパでわがまま三昧の旅でしたが、丁寧な行程表や旅の期待を高めてくれるたくさんの資料、現地のガイドさんのサポートなど多くの方々の助力をいただけたので、適度な緊張感も保ちつつ、安全に楽しく自分たちのやりたいことをすべて叶えられたハネムーンとなりました。
今後もヨーロッパを旅行する機会があれば、絶対パーパスさんにお願いすると思います。本当にありがとうございました。