シニア世代で、障害を持つ妹(私)と姉の3回目の2人旅を、今回もパーパスジャパンの個人旅行手配でお願いし、今年はカナダに行ってきました!
昨年、一昨年はヨーロッパ(ドイツ、イタリア)に行きましたが、今年はこれまでとちょっと旅の目的を変え、行った人が皆口を揃えて「自然が日本とはスケールが違う!」と勧めるカナダに行くことにしました。
カナダは国土が広いので、見どころがたくさんあり、カナダ東部のナイアガラの滝や「赤毛のアン」の舞台となったプリンス・エドワード島等も魅力的でしたが、今回は「大自然を満喫する」ことを目的にしようと姉と話し合い、世界遺産に登録されているカナディアンロッキーを巡る旅と、ロッキーマウンテニア号に乗ってカナディアンロッキーまでの列車の旅を楽しむという企画にしました。
6月29日(水)
エアカナダを利用して、カナダバンクーバーへ。
今回、飛行時間はヨーロッパの約12時間より短い8時間半くらいですが、日本との時差は16時間あるということで、時差ぼけが心配でした。
日本出発が29日の17時ですが、カナダに着くと同じ日の朝9時半頃になり、29日をもう一度朝からやり直すことになるため、飛行機の中ではしっかり眠ることを心がけました。
カナダに着くと日本語ドライバー兼ガイドさんが迎えに来てくれた車に乗り、ホテルのあるバンクーバー市内へ。
午後は手配してもらっていた車椅子を使い、2人でダウンタウンのメイン・ストリート「ロブソン通り」を散策。
夏のカナダは日照時間が長く、日の入りが21時前後とのことで、20時頃でもとても明るく、バンクーバー美術館等の前で時刻を表示した写真を撮って記念にしようと敢えて20時頃まで外にいました。しかし、入った喫茶店では18時半には閉店と言われ、当たり前ですが、カナダで生活している人は夏の明るい夜でもいつもの生活を変えないのだと感心しました。
6月30日(金)
カナダ2日目は、ガイドさんの運転する専用車でバンクーバー市内観光。
最初に向かったグランビルアイランドでは、食品や衣料品、雑貨等のお店が入った市場を見学しました。その後、クイーンエリザベス公園やスタンレー公園等の広々とした公園を見学。
カナダは6月30日から学校が夏休みに入ったとのことで、公園や海辺では子ども連れの親子や若者が水遊びをしたり、サイクリングをしたり、夏休みを楽しんでいました。
その後バンクーバー発祥の地ギャスタウンやイエールタウン、バンクーバーオリンピックの聖火台等を車窓から見学しました。
ガイドさんにホテル近くの美味しい食事のできるお店やスーパーマーケットのある場所を聞き、午後の後半はまた2人で街歩きをしました。
バンクーバーの街はきれいで、治安も良く、安心して色々なお店に入ることができました。
また、カナダは1年間のワーキングホリデーを利用して語学留学+アルバイトをしている人が多く、色々なお店で「日本の方ですか?」と店員さんに声をかけられ、カナダで生活している日本人の多さにびっくりしました。
夕食はガイドさんに教えてもらったシーフードの美味しいお店で食事をしました。
たまたま私達が食事をしていた席の隣に日本からの添乗員付き旅行客が10人程入って来ました。すでに予約をしていたらしく、ロブスター等の豪華フルコースの食事が出され、旅行客の人達は参加者同士で話をしながら食べていました。
一方私達は、メニューの中から細かな内容は分からないけれど、スモークサーモンと書いてあったものとカリフォルニアロールのお寿司、グリルドサーモンを頼みました。しかし、出てきた料理はスモークサーモンが乗ったピザ、グリルドサーモンの乗ったピラフと寿司で炭水化物ばかり。お腹一杯になってしまいましたが、グレープフルーツのノンアルコールカクテルはとても美味しく、追加注文したジュースにお店の人が小さな蛇の目傘の飾りを付けてくれた不思議なサービスさえも嬉しく、失敗がありながらも楽しく食事ができました。
7月1日(金)
ロッキーマウンテニア号に乗るため、ガイドさんが朝の6時15分にホテルに迎えに来てくれ、ロッキーマウンテニア号専用の駅へ。
「今日はアジア系の人が少ないですね。」と言われ、ちょっと不安になりましたが、列車の中に入ると乗務員の方達はとてもにこやかで、親切に接してくれたので安心しました。
当日はカナダの独立記念日「カナダデー」ということもあって、各座席に小さなカナダの国旗が飾られていて、出発の時にはドリンクが配られ、乗務員が乗客一人ひとりとグラスを合わせ、「Cheers!(乾杯)」と出発とカナダデーを祝福して乾杯しました。
私達はシルバーリーフの席だったので、朝食と昼食は乗務員が配ってきてくれました。どんなドリンクを希望するのかとか、メインディッシュの種類を選ぶくらいの英語は何とか理解できたので困らずに食事はでき、食事は最初のフルーツから始まり、メインディッシュやパン、デザート、飲み物も全て美味しく、にこやかな接客に大満足でした。
ロッキーマウンテニア号は窓や屋根の部分が景色を堪能できるように、ガラス部分を多くしてあり、きれいな景色が現れると乗客は席を立ったりして思い思いの角度から写真を撮影するという感じで、列車の旅を楽しみました。
見どころでは、走るスピードを遅くして写真撮影に配慮してくれ、乗務員が名所の説明をしてくれました。とても丁寧でゆっくりと説明してくれ、正統派の英語(訛りのない)とは分かるのですが、悲しいことにヒアリングの力がない私達はその説明がほとんど分からない状態でした。
そんな私達を見て、通路を隔てた隣の席に座っていたアメリカのフロリダから来られたご夫婦の奥さんが「Do you understand?」と話しかけてくれ、「No. No.」と言うと、ジェスチャーを交えて説明の内容をゆっくりと英語で解説してくれたり、「ビューポイントはこっち!」と案内してくれたりしました。
途中30分ほど列車が停車した時は、列車の中に急病人が出て、救急車を呼んで待っていると車内アナウンスの内容を説明してくれ、とても助かりました。
ロッキーマウンテニア号はカムループスで一泊し、2日間日中は列車の旅を楽しむというものでした。
せっかくなのでカムループスの街を散策しましたが、こじんまりした田舎町という感じであっという間に回りきってしまいました。カムループスでは、カナダデーを祝って、夜は花火が上がり、ホテルのマウンテンビューデッキから花火を観ました。15分ほどの花火でしたが、外国で見る花火は初めてだったので、思い出になりました。
7月2日(土)
2日目のロッキーマウンテニア号の旅も朝早く、ホテルのロビーに5時半に集合し、6時半には出発するというものでした。
2日目はカナディアンロッキーに近づくにつれ、徐々に景色が雄大になってきて、雪を頂いた高い山やエメラルドグリーンの川等が次々に現れ、乗客もその景色に感嘆の声を上げて写真を撮っていました。
2日間同じ車両に乗っているので、2日目は乗客たちも和気あいあいとした一帯感のような雰囲気が生まれ、途中上りの列車のトラブルで1時間くらい停車した時には、乗務員がゲームを提案し、乗務員のゲームの後、乗客の一人が手を挙げて、ゲームを仕切って盛り上げるという乗りの良さで、約12時間の長い列車の旅も全く退屈することなく過ごすことが出来ました。
勿論、その間も昨日同様フロリダのご婦人は私達の事を気にかけてくれ、話しかけてくれました。
レイクルイーズに着くと、ガイドさんが待っていてくれ、フェアモント・シャトル・レイクルイーズホテルへ。
レイクルイーズは、「ロッキーの宝石」と称されるだけあって、エメラルドグリーンの湖とバックの氷河を頂いた山の景色は、思わず感嘆の声を上げてしまうほどの幻想的な景色でした。
宿泊したフェアモントホテルは予約の取りにくいレイクビューの側の部屋であるばかりでなく、ほぼ正面に面した8階立ての7階の部屋で、眺めは抜群。徐々に暗くなり、湖面や周囲の景色が刻々と変わる様を飽きずにずっと見続けていました。
7月3日(日)
レイクルイーズのホテルはチェックアウトが12時だったので、ゆっくり湖の周辺を散策し、出発するまでレイクルイーズの景色を堪能しました。
ガイドさんが迎えに来てくれて、レイクルイーズからバンフへ。
バンフへ向かう途中寄ったモレーン湖は、ちょうどすっきり晴れたこともあり、湖の色は真っ青なブルーで、雪を頂いた山々と空と湖の青は、絵葉書になるような景色でした。
次に訪れた「タカカウ滝」は、原住民の言葉で「すばらしい滝」という意味とのこと。北米一の落差を誇る滝のため、途中で水が消えてしまい、滝壷のない滝とのことでした。
バンフの街には16時頃につきましたが、まだ日本の昼過ぎくらいの陽の高さで、姉に車椅子を押してもらい、街を散策。
バンフの街はカナディアンロッキーの玄関口だけあって観光客が多く、店も賑やかでした。
夜はガイドさんから聞いたステーキの美味しいお店へ。
ガイドさんお勧めの「シャトーブリアン」を注文しました。「シャトーブリアン」は焼いた牛肉のブロックを席の脇まで持って来てから店員さんが切り分けてくれたので、他の観光客の注目を浴び、勝手に、「旅慣れた日本人と見られたかしら?」とご満悦になった2人でした。
7月4日(月)
旅の6日目でこの旅のハイライトである、カナディアンロッキー観光に出発!
バンフからコロンビア大氷原までのアイスフィールド・パークウェイを走って、カナディアンロッキーにある山々、氷河、湖を観光。山はキャッスルマウンテン等3000m級の山々がそこここにそびえ立ち、スノーバード氷河やクロウフッド氷河等の氷河を眺め、ボウレイク、ペイトレイク、エメラルドレイク等の湖はそれぞれ独特の色をして周りの景色を引き立たせていました。
ナチュラルブリッジは川の水量の多さと水流の速さにびっくり。ビックヒルからの眺めは壮大で、カナディアンロッキーの大自然を肌で感じることが出来ました。
カナダの高速道路を走って驚いたのは、「アニマルオーバーパス」という動物専用の橋があるということでした。動物が住んでいた自然の中に高速道路を造ったことで、動物の移動が寸断され、生態系が変わったり、道路に入って車にはねられる動物が増えたため、2億円以上のお金をかけて、動物が通る橋を造ったとのこと。自然やそこに住む動物の保護の意識は素晴らしいと思いました。
またそのように動物の暮らしにも配慮しているせいか、高速道路脇にマウンテンゴート(白イワヤギ)やグリズリーベアがいるのも目撃。カナダの自然に住んでいる動物たちにも会うことが出来ました。
7月5日(火)
カナダの最終日は、朝ガイドさんが迎えに来てくれ、カルガリー空港へ。
バンフからカルガリーへ向かう道では、ロッキーの山々が次第に遠ざかっていくことに一抹の寂しさを感じ、現実社会に引き戻されるような不思議な感覚でした。
帰路は、カルガリー空港13時発の飛行機に搭乗し、フライト時間は10時間半くらいでしたが、成田空港に着いたのは翌日の14時半で24時間以上が過ぎており、時差の不思議な感覚を体験しました。
帰りは時差ぼけにならないよう、できるだけ起きているように心がけたので、帰ってからも時差ぼけにはならずにすみましたが、日本に着いたら30度以上の気温と高湿度に迎えられ、しばらくはロッキーの風景を心の中で思い出しながら、現実逃避したい気分でした。
今、世界では、バングラデシュや南フランスのテロ事件等、辛い事件が立て続けに起きており、海外旅行に安心して出かけられる状況でないことは残念です。
このような世情でも、この年齢になって経験した楽しい海外個人旅行をあきらめようとは思いません。勿論情報をしっかり集めて、できるだけ安全で行ってみたい場所を探さなければと思います。
今回の旅でも、人々の優しさや心遣いに接し、穏やかな気持ちになったり、心地良かったことは、景色を満喫したこととともに大事な思い出です。
カナダは安全な国だったので、買い物や食事等、2人での行動範囲も広がり、いろいろな経験や人々との交流をすることが出来ました。
これらの経験を通して、前回同様、やはり語学力があるともっと交流の幅が広がると感じています。遅々としていますが、英語力を付けることは前回からの宿題として、今後も取り組んでいきたいと思っています。
今回も予約が難しいと言われる、ロッキーマウンテニア号の座席の予約やレイクルイーズのレイクビューの部屋の手配等、芦村さんには大変お世話になりました。
また、よろしくお願いします!