スコットランド アイラ島
モルト・ウイスキーの聖地を巡る7日間

期間:2016年8月11日~2016年8月17日
宇都宮 様

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はじめに

齢五十を過ぎてから、ウイスキーに魅かれるようになりました。
特にスコットランド西岸に浮かぶアイラ島生まれのモルト・ウイスキーは、癖の強い香りが特徴的なのですが、その香りの奥に、苦労人の人生のような深い味わいがあり、そこに嵌ってしまいました。
牧歌的で美しいスコットランドの風景への憧れも手伝い、勤続30年のリフレッシュ休暇を機に、思い切ってウイスキーの聖地アイラ島を訪れてみることにしました。

旅程

旅程は、8月11日(木)から17日(水)までの7日間。
まずはアムステルダム経由で8月11日夕刻にエジンバラ到着。

翌朝(8月12日)、エジンバラの中心街にあるツアーセンターに集合。
ここから3泊4日のアイラ島ミニバスツアーに参加します。
旅の仲間は16人。米国、カナダ、ドイツ、フィンランドと多国籍。日本人の方も、私の他に3名いらっしゃいました。

ホテルからエジンバラの街を望む
ホテルからエジンバラの街を望む

3泊4日アイラ島ツアーのミニバス 17人乗り
3泊4日アイラ島ツアーのミニバス 17人乗り

エジンバラからアイラ島へ(8月12日)

ツアー初日は、スコットランド西部のフィヨルド地帯をドライブして、夕刻、ケナクレイグ港からフェリーでアイラ島を目指します。
フェリーがアイラ島に近づくと、切り立った崖から滝が流れ落ちるのが見えました。滝の水は、茶色く染まっています。
アイラ島には、草木が枯れて長年の間に炭化したピート(泥炭)が島全体に堆積しています。その間を流れる川にピートが混ざり込んで、川の水が茶色くなるのです。このピート混じりの水を仕込み水に使うことも、アイラ島のモルト・ウイスキー(アイラ・モルト)独特のスモーキーさを生む要素になっています。
ですから、茶色く染まった滝を見て「本当にアイラ島に来たんだ」という実感が湧いてきました。

アイラ島を目指すフェリー
アイラ島を目指すフェリー

アイラ島での宿泊は、島内最大の街ボウモアにある蒸留所併設のボウモア・コテージです。
コテージには、いくつかのベッドルームとキッチン・リビングルームがあり、部屋の窓から街の中心にある教会が見えました。

ボウモア 教会とメインストリート
ボウモア 教会とメインストリート

宿泊したボウモア・コテージの部屋
宿泊したボウモア・コテージの部屋

ボウモア 教会から街と港を望む
ボウモア 教会から街と港を望む

宿泊したボウモア・コテージ「DISTILLERY HOUSE」
宿泊したボウモア・コテージ「DISTILLERY HOUSE」

アイラ島 蒸留所めぐり 1日目(8月13日)

この日から、本格的なアイラ島巡りが始まりました。
2日間で6つの蒸留所を見学する予定です。

最初は、島北部にあるマキヤーベイという海岸を訪れました。
海面を荒々しく吹きつける風と高波。上空に低く垂れこめる灰色の雲。砂浜には朽ち果てた船の残骸。海岸線の彼方に連なる緑の丘陵と断崖。
大西洋から吹き上げる猛烈な風が、スコットランド西岸独特の厳しくも美しい景観を生み出します。

アイラ島北部にある海岸、マキヤーベイ
アイラ島北部にある海岸、マキヤーベイ

マキヤーベイ:遠方に連なる断崖と丘陵
マキヤーベイ:遠方に連なる断崖と丘陵

<キルホーマン蒸留所>
最初に訪れた蒸留所、キルホーマン蒸留所は、マキヤーベイから内陸に少し戻ったところにありました。海岸を臨むなだらかな草原地帯の中、キルホーマン蒸留所は地主屋敷のように森に囲まれ佇んでいました。
キルホーマンは2005年に初蒸留したばかりの新しくて小規模な蒸留所です。フロア・モルティングから仕込み、発酵、蒸留、熟成、ボトリングまで、限られた敷地の中、隣り合う小さな建屋の中で丁寧に行われています。「クラフト」とか「手作り」という言葉が似合う、暖かみを感じる蒸留所でした。

キルホーマン蒸留所:フロア・モルティング
キルホーマン蒸留所:フロア・モルティング

キルホーマン蒸留所:テイスティング2種
キルホーマン蒸留所:テイスティング2種

キルホーマン蒸留所:ポットスチル(蒸留器) 
キルホーマン蒸留所:ポットスチル(蒸留器) 

<ブルイックラディ蒸留所>
次に訪れたブルイックラディ蒸留所は、海岸線沿いにありました。蒸留所と海岸沿いの街並みはすべて白壁で、海と白壁に陽がさして、とても美しい光景でした。

ブルイックラディ蒸留所
ブルイックラディ蒸留所

ブルイックラディ蒸留所
ブルイックラディ蒸留所

ブルイックラディ蒸留所
ブルイックラディ蒸留所

<ボウモア蒸留所>
ボウモア蒸留所は、アイラ島最大の街ボウモアの中心的な施設であり、この島で最も古い蒸留所でもあります。我々が宿泊したコテージもこの敷地内にあります。
敷地内には美しい白壁の建屋が立ち並び、海に面しているので仄かに潮の香りがします。建屋の間から静かに波打つ海が見え、空には海鳥が飛び交っています。
熟成庫で眠るウイスキー樽は、何年にもわたってこの潮風にさらされます。その結果、アイラ・モルトは、独特の潮っぽさを纏うのでしょう。

ボウモア蒸留所
ボウモア蒸留所

ボウモア蒸留所:ポットスチル
ボウモア蒸留所:ポットスチル

ボウモア蒸留所:海を望む
ボウモア蒸留所:海を望む

ボウモア蒸留所:正面玄関
ボウモア蒸留所:正面玄関

ボウモア蒸留所:熟成庫
ボウモア蒸留所:熟成庫

夕食は、ボウモア蒸留所直営の入江に面したレストランでとることにしました。
レストランには大きな窓があり、夏時間の夜7時はまだ陽は高く、入江を見渡しながら、ゆったり食事ができました。
アイラ島は海に囲まれているので、自ずと魚介料理が中心になります。
中でも出色はアイラ島のモルト・ウイスキーを垂らした地元生牡蠣でした。
アイラの牡蠣は、ふっくらしていて表面がぷるぷると弾力があります。味わいはクリーミーで臭みがありません。そこにアイラ・モルトを垂らすと、アイラ島生まれの食材同士、極上のハーモニーを演出します。
本当に美味しくて、牡蠣を口に含んでいるひと時、心から幸せを感じることができます。

アイラのモルト・ウイスキーを垂らした生牡蠣
アイラのモルト・ウイスキーを垂らした生牡蠣

この牡蠣に限らず、今回の旅行では、食べ物にも本当に恵まれました。(ウイスキーはもちろんです。)
イギリス旅行で旨いものには巡り合えないだろうという先入観がありましたが、期待は大きく、良い方向に裏切られました。ツアーに参加していたロンドン在住の方が、「ロンドンとは、味も値段もまるで違う」と驚いていたくらいです。

例えば、キルホーマン蒸留所のレストランで食べたCullen Skink (カレンスキンク)という燻製鱈の入ったチャウダー。燻製鱈(Smoked Haddock)のスモーキーさと、暖かくまろやかなチャウダーが絶妙なバランスで、こちらも大変美味でした。

Cullen Skink
Cullen Skink

アイラ島 蒸留所めぐり 2日目(8月14日)

この日は、島の南海岸沿いに並んでいる3か所の蒸留所を巡ります。

<アードベッグ蒸留所>
モエ・ヘネシーの資本下にあるからでしょうか、古いポットスチル(銅製の蒸留器)がモニュメントとして飾られていたり、白壁一面に絵画が並べられていたり、お洒落な演出がいくつも施された蒸留所です。

アードベッグ蒸留所
アードベッグ蒸留所

アードベッグ蒸留所 美術館のように絵画が飾られた白壁
アードベッグ蒸留所 美術館のように絵画が飾られた白壁

アードベッグ蒸留所
アードベッグ蒸留所

アードベッグ蒸留所 テイスティングした5種類のウイスキー
アードベッグ蒸留所 テイスティングした5種類のウイスキー

ラガヴーリン蒸留所>
ラガヴーリンは、アイラ・モルトの中でも最も気品や貫禄を感じるブランドです。ここでのテイスティングは、クルーズ船のキャビンのような落ち着いた雰囲気の部屋で、少しビターなチョコレートとともにウイスキーが供されるというもので、イメージ通りのエレガントな雰囲気でした。

ラガヴーリン蒸留所
ラガヴーリン蒸留所

ラガヴーリン蒸留所:テイスティングはチョコレートと共に
ラガヴーリン蒸留所:テイスティングはチョコレートと共に

<ラフロイグ蒸留所>
最後に訪れたラフロイグ蒸留所では、ウイスキーの原料となる大麦麦芽(モルト)を、熱風で乾燥させるキルン棟に上がらせてもらいました。
アイラ・モルトでは、この乾燥工程のために島で堆積したピート(泥炭)を焚いていて、麦芽にしっかりピートの香りを染み込ませます。それがアイラ・モルト独特のスモーキーさを生み出しています。
アイラ・モルト独特のピートの香りが漂うキルンの中に入れたことは幸運でした。

ラフロイグ蒸留所
ラフロイグ蒸留所

ラフロイグ蒸留所:フロア・モルティング
ラフロイグ蒸留所:フロア・モルティング

アイラ島でウイスキーをいただくということ

実は、アイラ島で飲んだウイスキーの多くは、東京のバーでも飲むことができます。
しかしアイラ島で飲むアイラ・モルトは、東京で飲むのとは別の表情を見せてくれます。
例えると、夏休み会社同僚の実家へ遊びに行った時、その同僚が地元の方言で話し、とてもくつろいだ表情をしている、そんな感じです。
ウイスキー自身がくつろいでいる、と言うのでしょうか。東京だと目立つ癖の強さとか尖った部分が、そっと抑えられているような感じがしました。
わざわざアイラ島くんだりまで来て初めてわかる、ちょっと不思議な感覚でした。

写真

アイラ島からエジンバラへ(8月15日)

バスツアー最終日、アイラ島の港町ポートエレンからフェリーに乗って、ケナクレイグ港に戻ります。ポートエレンは、幻の蒸留所があった美しい港町です。

ポートエレン
ポートエレン

ポートエレン
ポートエレン

フェリーは、ポートエレンから出航し、スコットランド西岸のフィヨルドで形作られた海峡を進みます。

写真

海峡を進むフェリー
海峡を進むフェリー

ケナクレイグ港に到着すると、再び陸路で移動。インヴァレリー、ローモンド湖といった景勝に寄りながら、一路エジンバラを目指します。

途中立ち寄ったグレン・コー渓谷は、ジェームスボンドがアストンマーチンで走り抜けたような、荒涼さと雄大さとが合わさったスコットランドらしい景観でした。

グレン・コー峡谷
グレン・コー峡谷

まとめ

8月のアイラ島は、静かで美しい島でした。
この島の恵みから生まれたアイラ・モルトは、やはりこの島の土や水、空や雲、潮風を感じながらいただくのが相応しい酒でした。
ほんの数日でも、この豊かな島の住人になれたことは、この上ない贅沢な時間だったと思います。
思い切ってアイラ島を訪れて、本当に良かった。

この旅を思いついたとき、ウイスキー好きにしか知られていないような小さな異国の島に、どうやったら辿り着けるのか、暗中模索でした。しかしすぐにパーパスジャパンのホームページからアイラ島ツアーを見つけることができました。(このページに行きつかなければ、アイラ島をあきらめていたかもしれません。)
ご担当いただいたパーパスジャパンの木村さんも、私の希望やスケジュールに合うよう、とても親身になってご対応いただいきました。
夢の実現のために、そっと後ろ押ししていただいたパーパスジャパンさんに、感謝しています。

ツアープランナーからのコメント

旅行記頂きありがとうございます。アイラ島にてウィスキー巡り、お食事を満喫されたようですね。お写真の牡蠣がとてもおいしそうで、私も食べてみたいです。また、ツアーは多国籍な中で海外交流等、楽しまれたのではないでしょうか。
またご旅行に行く機会がございましたら是非お声掛け下さい。
この度はありがとうございました。

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