クロアチアの魅力の一つはその多様性にあると思う。
国土は日本の1/6以下と小さいながら、都市・地方によってまるで別の国に来たような空気感と街並み。一方、どこに行っても共通する料理とワインのおいしさ、治安の良さ、ゆったりした時間と人の温かさ。
7月上旬、1年で最も輝く季節を迎えるクロアチアへ、9日間の仕事の休みをもぎ取りトリップ!
訪問先は、オシエクとその近郊の田舎町 Belisce (ベリッシェ)とドブロブニク。
クロアチアへは4回目・大学時代以来約13年ぶりの旅行だが、ドブロブニクへは今回が初訪問。ついにあの憧れの城壁の町へ!降り立った私を待っていたのは、幾度となく写真で見た連なるオレンジの屋根、アドリア海の深い青、何世紀も太陽を浴びて輝く白い石垣・・。踊る心で城壁の中を歩けば、細い路地を心地よい風が通り抜ける。見上げれば石造りの建物に切りとられた空を飛ぶ海鳥。
海洋貿易で栄えた中世に思いを飛ばす。きっと今と変わらず、様々な人種と言語が行き交い、耳には街角の演奏とカフェで歓談する人たちの声。珍奇な色の鳥を見せる大道芸人。新鮮な魚介料理。夏の悦びがあふれる、まさに、「アドリア海の真珠」。
これだけの観光地なら、強引な客引きや怪しい目つきのゴロつきが少しはいるものだが、ドブロブニクではそういった連中は見当たらない。クロアチアのどこでも見当たらない。
旅行者として最低限の注意はするものの、逐一過剰に警戒して気疲れすることもなく、リラックスした気分で過ごせるのもクロアチアの良いところだ。
ドブロブニクがアドリア海の陽気さと
輝く太陽に象徴されるある種イタリアのような空気感の街ならば、オシエクは、ひまわり畑や大麦畑に覆われた広い大地に囲まれ、ドナウに繋がる雄大なドラワ川の側で発展した東欧の空気が色濃い河川都市である。
オーストリア・ハンガリー帝国時代の華麗な建物の側を悠々と流れるドラワ川。川辺の遊歩道をジョギングする人、日光浴する人、カフェでゆったり過ごす人・・みな思い思いの時間を悠々と過ごしている。オシエクの空はどこまでも広く高く、抜けるような秋空を思わせる青色だ。
オシエクのあるスラボニア地方の料理は、素材を生かした素朴な物が多い。肉のパプリカ煮込みや豚の丸焼き、焼き立てのパンと各家庭で手作りをしているソーセージやサラミ、ひまわり油で揚げたポテト。どれも絶品だ。「スラボニアの料理はすこぶるうまい。」誰にでも自信をもっておすすめできる。
そして、スラボニア特産の白ワイン。クロアチア人はとにかくワインをよく飲む。スーパーで売っている地元のワインは1ボトル数百円、最高ランクの物でも1500円程度で手に入る。日本ではあまり見かけない、「PINOT SIVI」(灰色のピノ)といった品種も楽しめる。
また必ず来たい国、誰かにおすすめしたい国、なぜか好きになってしまう国、クロアチアとはそんな国だ。
最後に、今回の旅行では、ザグレブ → オシエク行きの交通や宿泊は個人で手配したにも関わらず、パーパスジャパンさんから届いた書類には、きっちりザグレブ発の列車やバスの時刻表、オシエクの地図が入っており、とても良い対応をしていただきました。
また、ドブロブニクのオリジナル(?)散策マップもとても活用させていただきました。
おかげ様でよい旅ができ、感謝です。