2017年9月3日(日) ~9月10日(日)
日本では残暑の厳しい9月のはじめ、エストニアの首都タリンで開かれたバルト三国の観光セミナー&ワークショップ「 Baltic Connecting 」に参加し、エストニアとリトアニアの視察をして参りました。
日本ではまだまだ知られていないこの2か国の魅力を、このレポートで少しでも皆様にお届け出来たらと思います。
期間:2017年9月3日〜2017年9月10日
パーパスジャパン:横田
GON-001280
2017年9月3日(日) ~9月10日(日)
日本では残暑の厳しい9月のはじめ、エストニアの首都タリンで開かれたバルト三国の観光セミナー&ワークショップ「 Baltic Connecting 」に参加し、エストニアとリトアニアの視察をして参りました。
日本ではまだまだ知られていないこの2か国の魅力を、このレポートで少しでも皆様にお届け出来たらと思います。
日本 → ヘルシンキ → タリン
日本からバルト三国までは、ヘルシンキ経由のフィンエアーが一番便利です。
今回は、成田発の便が満席だったため羽田―関空―ヘルシンキという航路を取りました。羽田-関空間で利用するJALと、関空―ヘルシンキ間で利用するフィンエアーは同じアライアンス(ワンワールド)ということで、羽田空港で荷物を預ければ、関空で受け取ることなくスルーでヘルシンキまで届きました。
関西空港はコンパクトで、国内線から国際線への空港内動線もスムーズだったので自宅から羽田が近い方には、意外とオススメの航路です。(実際、私は家を出る時間が成田発の場合とほとんど変わりがなかったです)
往路 成田―ヘルシンキ間はエコノミーコンフォートに乗せていただきました。フィンエアーのエコノミーコンフォートは、通常のエコノミークラスより足元が8~13cm広く
座席は、エコノミークラスの前方4列または5列に配置されます(機種によって異なります)。ヘッドレスト(機種によって異なります)、優先搭乗、ノイズキャンセリングヘッドホン、パーソナルアメニティキット(マリメッコのコットンバッグに耳栓、アイマスク、靴下、歯ブラシと歯磨き粉をご用意)等がサービス内容として含まれます。
また、座席(エコノミークラス、コンフォート共通)にはお水が1本サービスされています。
ヘルシンキ到着後、エストニアの首都タリンへ船で移動するため「ヘルシンキ西港」へ。
※空港から約1時間。市内からは約15分。トラムのご利用も可能です。
へルシンキからタリンは、フェリーで約2時間。私たちが利用したのはちょうど日曜日だったので、週末を利用してエストニアに行った人々がヘルシンキへ戻ってくる姿にたくさん遭遇しました。人々の手にはビールが何ダース分もパックされたカート。フィンランドの人たちは、より物価・税金の安いエストニアまで買い出しをしに行く事が多いようです。
金曜の夜の便など、週末はパーティー船と化すほど若い方で大賑わいのようなので、ご旅行の際はご注意ください。
【 タリンク・シリヤヨーロッパ 】
一般的にヘルシンキ ←→ タリンの区間を走る船は小さめの高速船が多いのですが、今回私たちが乗せていただいたのは、一晩休むことも出来るキャビン付きの大き目の船。大きなレストランやバー、免税店など様々な設備があったので、飽きることなく過ごすことが出来ました。
タリン港・ターミナルD着。
タリンの港はターミナルが幾つかあり、船会社によって利用ターミナルも変わるのでご注意ください。
宿泊ホテルは、タリン市内で最も高い建物と知られるスイスホテル・タリン。
港から車で約5分。あっという間に到着しました。ホテルの規模の割にロビーはあまり広くないので、グループ到着の際は注意が必要です。
[ ロビー ]
[ 部屋 ]
[ 朝食会場 ]
タリン
この日は、タリン市内観光です。
タリンの街の見所は、約2.5kmの城壁に囲まれた旧市街に集中しています。まず午前中は、貴族のお屋敷や大聖堂などが残る山の手「トームペア」から旧市街を中心に観光しました。
ルター派のキリスト教徒が一番多いエストニアですが、ロシア正教の美しい大聖堂や、スカーフを被る女性の姿が多くみられ、あぁここはロシアに近く、ロシアからの移民が多い国なのだと改めて感じました。
山の手からリュヒケ ヤルク通りを通ってたどり着いた旧市街広場には、フィレンツェ、ドブロブニクと並び世界最古の薬局とも言われる薬局があり、特別に養命酒を飲ませていただきました。
旧市街の観光後は、タリンの最新スポット・デザイン地区として知られるテリスキヴィ、ロッテルマン地区などの視察です。
タリン中央駅に最近オープンした複合施設や、土曜日には蚤の市が開かれる市場、おしゃれなカフェや雑貨屋さんの並ぶデザイン地区は、IT大国としても知られるエストニアの新しい空気を感じました。
途中、エストニア国民が熱狂する5年に1度の歌の祭典が行われる「歌の原」に立ち寄り、最後に訪れたのはエストニア劇場。唯一の日本人バレエダンサーとしてエストニア劇場に所属・活躍する Nanako MARUYAMA さんから直接、劇場を案内して貰う事が出来ました。
通常よりもずっとこじんまりとしたエストニア劇場ですが、小さいながらも、日曜日でも衣装や大道具など、様々な人々が働く姿を目にして、エストニアの人々の芸術への関心の高さやこんなに遠くの異国の地で働く丸山さんの姿に、日本人としての可能性の高さを感じました。
夜は、ウェルカムディナーということで、旧市街広場のレストランで。
アメリカ・中国・韓国など各国のバルティックコネクティングの参加者でエストニアの素敵な食事をいただきました。
タリン
この日は終日セミナーとワークショップです。
宿泊しているスイスホテルには大きなセミナー会場があり、ホテルから移動することなく、全てのイベントに参加することが出来ました。
三か国それぞれ特徴のあるプレゼンテーションと、たくさんのサプライヤーからのアプローチで、今まで漠然としかイメージのわいていなかった三か国のイメージがだいぶ掴めた1日でした。
夜はフェアウェルディナーと称して、海の見える素敵なレストランでのパーティです。明日からは方面別に分かれてのポストツアーになるので、このバルティックコネクティング参加者全員揃う最後の夜。
国を超えての大盛り上がり。民族舞踊やコンサートの披露や、バルト三国の国の合成写真が作れるブースなど、趣向を凝らしたイベントが盛りだくさんの楽しい夜になりました。
ラヘマー国立公園 → タリン郊外
今日から本格的なポストツアーです。
まずはタリンから約1時間ほど走った郊外にある、ラヘマー国立公園へ向かいました。
エストニア初の国立公園として知られるラヘマーは、森・谷・川・海・湿原…と、エストニアの自然が全てあると言われています。
その分、18世紀前後では狩猟が盛んだったため貴族の館がたくさん建てられ、国立公園内には2つの大きなマナーハウスがある事でも知られています。
【 パルムセの館 】
地下にレストランを持っていて、エストニア産・ベリーのワインをいただきました。
【 サガディの館 】
このマナーハウスは、納屋を森林博物館として改装。そして、ホテルも隣接されており、自転車の貸出も行っているので、広大な国立公園の中を自分の足で存分に見て回る事が可能です。
海のそばで昼食をいただき、そのあとは広大な湿原地帯のフットパスへ。
フィンランドなどでも多くみられる寒い国ならではの針葉樹林の森を抜けると、エストニアでもっともアクセスしやすい湿原として知られるヴィル湿原に出ます。
【 ヴィル湿原 】
寒い国ならではの白樺や針葉樹林の森を抜けると広がる湿地帯。何もない景色にまっすぐのフットパスが続き、遠い国に来た事を実感します。
国立公園を出て、この日の宿泊はマナーハウスです。
【 Kau Moarホテル 】
13世紀に建てられた貴族の屋敷を改装したマナーハウス。
部屋は本館と別館に分かれており別館は、スーペリアルーム。本館はデラックスルームやスイートルームなどグレードの高いお部屋が中心です。全ての部屋にテーマがあり、内装もバラバラ。旅行好きだったオーナーが、世界中から買い付けてきたお土産を中心にクラシカルな外観とは違い、オリジナリティ溢れるお部屋ばかりで、全ての部屋を見学しても飽きる事がありません。
ダイニングは本館の1階。夕食・朝食ともにこちらで、取らせていただきました。
エストニアの美味しいお料理と美味しいお酒をいただき、時間が経つのも忘れてしまうほど楽しい夜を過ごすことが出来ました。
タリン郊外 → トラカイ → カウナス
翌朝、朝食後にマナーハウスのお庭でハーブのワークショップです。
エストニア人は、ハーブを薬だけでなく、悪魔・幽霊などから身を守るものとして考えていたため、今でも多くの家庭でハーブを育てていますし、多くのレストランでハーブをふんだんに使った料理が提供されています。
ここでは庭園でたくさんのハーブを育てており、実際に収穫させていただき、そのハーブを利用したハーブティーをいただきました。
その後、リトアニアへ行くためタリンの空港へ。
タリンの空港は、こじんまりながらもとても機能的で、且つ可愛らしい空港です!
普通は無機質な各搭乗ゲートが、シリヤラインや、ラヘマー国立公園の森など様々なテーマに彩られており、大人も子供も楽しめるようになっていました。
到着したのは、リトアニアの首都・ヴィリニュスの空港。
リトアニアは、ポーランドと国境を接し、バルト3国の最も南に位置する共和国。
中世にはバルト海から黒海に至る大国だった栄光の歴史をもっていますが、空港を出てまず驚いたのが、古い建物やたくさんの教会など、エストニアとまったく景色が違うこと。バルト三国3か国の中で唯一のカトリックの国であり、一番物価が安いこと等から、北欧やロシアの影響を強く受けていたエストニアとは違い、どちらかというと隣国ポーランドに近い空気を感じました。
まずは赤レンガの古城で有名なトラカイへ。
トラカイ城は、湖に浮かぶ赤が美しく、レンガ造りがとても特徴的なお城です。
堀にかかる跳ね橋や壁の中にある螺旋階段など、要塞として造られている部分と、豪華な内装で彩られた部分との二つの見所が特徴です。
また、実はこのトラカイは、トルコ語系の少数民族・カライメの故郷としても知られるため、エキゾチックなトルコを感じるお土産屋さんやレストランも多数見られてびっくり!
中世ヨーロッパのお城とエキゾチックな空気が混じる不思議な街です。
特に「キビナイ」と呼ばれる大きな餃子のようなスナックは、このトラカイ名物にもなっていて、様々なカフェ・レストランで召し上がる事が出来ます。
今回は、キビナイづくりを体験させていただきました。
お揃いのエプロンとみんなでわいわいと作るキビナイは、形はいびつながらもとても美味しくいただけました。事前予約制ですが、グループ旅行であればどなたでも体験出来ます。
その後バスはカウナスに到着。
カウナスのホテルは、市内中心部・歩行者天国に面した「 Hotel Kaunas 」。
こじんまりとしたロビーですが、お部屋はとても機能的。お隣がスーパー、各立地がとにかくいいので、個人旅行にお勧めです。
この日の夜は、ホテルから徒歩5分の距離にあるカウナス市内のおしゃれなレストランでアラカルトディナーをいただきました。
カウナス → ヴィリニュス
午前:カウナス市内観光
リトアニア第2の都市カウナスは、トラカイ城に似たレンガ造りのカウナス城跡や旧市街広場も見所ですが、やはり日本人には、杉原千畝さんが第二次世界大戦中、日本領事館領事代理として赴任していた町として知られています。千畝さんはナチス・ドイツによって迫害されていた多くのユダヤ人にビザを発給し、彼らの亡命を手助けしたことでも広く知られています。
外観改修中の杉原千畝記念館も見学させていただきました。
【 パジャイスリス修道院 】
昼食もかねて、こちらの修道院に立ち寄りました。
カウナス郊外にある17世紀から18世紀にかけて建造された、イタリアバロック建築の傑作と称される建造物で、赤と黒の大理石で施された装飾は必見です。
【 ヴィリニュス 】
最後の訪問地・ヴィリニュスに到着しました。
国土の半分以上が森というリトアニアの首都・ヴィリニュスは、バルト三国の首都の中では唯一内陸に開かれた町です。そのためドイツ商人の影響を受けずに建設されたため、エストニアのタリンや、ラトヴィアのリガで多く見られるプロテスタントのゴシック教会は見当たらず、外観は柔らかく、中は絢爛豪華なカトリックの教会がたくさん見られます。
高い鐘楼を従えた巨大なギリシア神殿を思わせる大聖堂を中心にしたヴィリニュスの旧市街は、東ヨーロッパで最も広い旧市街のひとつとも言われています。時にカラフルな家が並び、時に寂し気な裏通りが続く、たくさんの見所とたくさんの顔を持つ、歩いているだけで楽しい街並みです。雑貨も近年はリネンやチーズが有名ですが、お手頃価格で手に入る琥珀のアクセサリーもお勧めです。
ヴィリニュスの宿泊は、旧市街の中心・夜明けの門のすぐそばにある「 Imperial 」ホテルです。
コンパクトなロビーの割に、お部屋は広く、豪華なシャンデリアとバスタブのあるお部屋が多く、アメニティもたっぷり!お部屋によっては電子レンジや食器を完備しているところもございます。
また隣にはワインショップ、目の前にはバーやカフェが多く並んでいるので、ホテルに戻る前に一杯…なんてことも簡単な、とてもお勧めのホテルです。
夜は、この旅最後のディナーという事もあり旧市街にあるオシャレな有名レストランで、地元の方お勧めのリトアニア料理をたっっぷりいただきました。
大きなピッチャー?サーバーでいただく地元のビールと、ジャガイモをふんだんに使ったお料理の数々。リトアニアの名物として知られるビーツで作ったピンク色の冷製スープなど、もう食べられない!!というくらいお腹いっぱいいただいた夜でした。
ヴィリニュス → リガ → ヘルシンキ
いよいよ帰国の日。
通常、お客様にはヴィリニュスからのフライトをお勧めしておりますが、
なんと私たちは、座席の都合上ラトビアのリガからのフライトになってしまいました。
その為朝は4時起き!で、一路リガへ。
コンパクトなリガの空港から、フィンエアーでヘルシンキまで。
ヘルシンキでは、乗継時間がたっぷりあったので、マリメッコやアラビアなど、フィンランドブランドでいっぱいのビジネスラウンジを利用させていただきました。
帰 国
約10時間のフライトで、無事に帰国。やはりフィンランドは近い!
夏場は東名阪福の4都市から就航し、夏の東京は1日2便も飛んでいます。
就航都市も年々増えているので、ヨーロッパへ行くならフィンエアーはかなりお勧めです!
はじめは、ただただ寒そうであまりイメージのわかなかったバルト三国ですが、実際に足を運んでみて、一言で「三国」といっても民族、宗教、建物、価値観など全てが違う3か国。近隣のヨーロッパ諸国と似ているようで全く似ていない様々な顔を持った見所の多い地域だと感じました。
観光客もまだあまり多くないので、素朴で優しい人々が、皆様をお待ちしております。
次の旅行の行先に迷っている方がいらっしゃれば、是非、バルト三国に出かけてみてはいかがでしょうか。