【研修レポート】 スペイン / カスティーヤ・イ・レオン州
期間:2017年10月3日~2017年10月9日
パーパスジャパン:坂口
10月3日~10月9日までの7日間、スペイン政府観光局主催の研修旅行へ参加してまいりました。今回はまだ、日本人になじみのないスペインの新しい観光地カスティーリャ・イ・レオン州を巡りました。非常に多様な風景と文化財に恵まれたこの地域は、トップクラスの観光地です。
この地域を南北に行き交うさまざまな観光ルートを通じて、文化、スポーツ、レジャー、そして特に食文化など、お客様の需要を満たす幅広い可能性があります。そんな現地情報をご紹介致します。
< 日程 >
1日目(10/03): エールフランス航空にてパリ乗り継ぎ、マドリッドへ
2日目(10/04): マドリッドより車にてレオンへ
★セゴビア、ルエダ観光
(レオン泊)
3日目(10/05): 商談会、レオン市内観光
(レオン泊)
4日目(10/06): ★炭鉱場、鍾乳洞観光
(レオン泊)
5日目(10/07): ★炭鉱場、ラス・メドゥラス観光
(レオン泊)
6日目(10/08): 車にてマドリッド空港へ
エールフランス航空にて帰国の途へ
(機中泊)
7日目(10/09): 羽田空港着
10/3(火) 羽田 → パリ → マドリッドへ
午後10時55分、エールフランス航空を利用し、パリで乗り継ぎ、マドリッドへ向かいました。
エコノミークラスの利用でしたが、ワインやシャンパンなど様々な種類の飲物がありました。
また、機内食も和食か洋食を選ぶことができ、味もボリュームも満足できます。
東京からマドリッドまでの所要時間は、乗り継ぎを入れて18時間ほどでした。
長いフライトでしたが、エンターテイメントも充実しているのであっという間に到着。
今回は乗ることができませんでしたが、2016年10月よりイベリア航空が週3便(月・水・土)で成田-マドリッド間の直行便を運航しています。所要時間は約14時間となり、大幅な時間短縮ができます。最新情報は、イベリア航空HP https://www.iberia.com/jp/ でご確認ください。
10/4(水) マドリッド → セゴビア → ルエダ → レオン
午前9時にマドリッドへ到着。現地のスタッフが出口まで迎えに来ていました。
一緒に待ち合わせ場所である空港内のカフェへ行き、諸外国のメンバーと合流しました。
今回は、2つのグループ(英語グループとスペイン語グループ)に分かれ、各々視察を行いました。
【 セゴビア 】
マドリッドから北西へ95Km、標高1002mの高地に位置する城塞都市です。
私たちを1番に迎えたのは、ローマ人が築いた巨大な水道橋でした。
この橋は、15Km以上離れたアセべダ川の水を町まで引くため、紀元前1世紀前後に建造されました。全長は728mにも及び、最も高いところは約28mに達します。
この橋を築いている石の間には接合材が一切使われておらず、1884年までこの橋によって水がセゴビアの町に供給されていました。この橋と旧市街が世界遺産に登録されています。
橋のたもとにあるアソゲホ広場から切り立った断崖の上に建つアルカサルを目指して歩きました。
旧市街の中はレストランやカフェが多く、観光客だけでなく地元の人たちが行き交い賑わっていました。
【 ルエダ 】
スペインの白ワインを代表する産地であるこの場所では、ワイナリーを訪問!
まずは、腹ごしらえということで、お昼からワインと豪華な食事がふるまわれました。
特に美味しかったのがラムチョップ!皆お腹が空いていたのか、食べるスピードも速かったです。
このワイナリーは、ギリシャ神話の「アドリアネの糸」に絡めてガイドの説明があります。
ミノタウロスの絵や人形も展示されていました。
クレタ島のクノッソス宮殿の巨大地下迷宮やアリアドネについて理解しておくと、ワイナリー見学がより楽しめると思います。
バスで2時間かけ、メインの宿泊地であるレオンに到着。
ホテルは4つ星のTRYP Leonに宿泊しました。
スタンダードルームを利用しましたが、1週間分の荷物が入ったスーツケースを広げても狭く感じることはなく、毎日清掃もされていて、とても快適で居心地の良いホテルでした。アメニティなども充実していて、有料になりますがミニバーの飲物の種類も豊富でした。
夜はホテルから徒歩5分ほどの場所にあるレストランへ行きました。
立食形式でしたが、目の前で調理するのを見ることができ、シェフのこだわりを垣間見ることができました。
10/5(木) レオン
午前中は現地のサプライヤーと商談会でした。
会場となったCasa de los Botinesは、ガウディが設計した建物で建物の四隅にそびえる尖塔が、いかにもガウディ作品だな、と思わせます。カタルーニャ以外の地方で、ガウディ作品に出合うことは稀ですが、その少ない作品の中の一つが会場という粋な計らいでした。
サプライヤーと話した結果、現時点では、日本人観光客がマドリッドやバルセロナなどに比べて多くはありませんが、ワイナリーやチーズ工場、ガストロノミーなども豊富にあり、初めての人はもちろん、スペインリピーターの方でも楽しめるコンテンツがレオンにはある、と思いました。
午後は、レオン市内を視察へ。
旧市街は10世紀の城壁に囲まれており、教会や邸宅跡などが残っています。街の中心にそびえるカテドラルには、スペインで最も美しいといわれるステンドグラスがあります。100枚以上のステンドグラスは、太陽の動きによって色合いが変化し、1つ1つの細工の細かさに目を奪われます。美術館も付属しており、貴重な美術品や書物を鑑賞することができます。また、旧市街の中には市場もあり、新鮮な食材たちが売られていました。
ランチでは、モルシージャ(血入りのソーセージ)を初めて食べました。名前だけ聞くと「うわぁ、血か…」となるかと思いますが、全く臭みなどはなく、濃厚な味わいでした。栄養価も高く、スペイン国民にも愛されているそうです
10/6(金) サベーロ → ベガセルベラ
気温がぐっと下がったこの日は、かつての炭鉱場跡と巨大な鍾乳洞のある洞窟に行きました。
炭鉱場はサベーロ渓谷にあり、爆発事故の後などが現存していました。その当時使用されていた道具や機材を間近に見ることができ、カスティーヤ・イ・レオン州の産業を支えてきた、炭鉱夫たちの苦労などがひしひしと伝わってきました。医務室などは、薬品がそのまま残っていて物々しさも感じました。
ランチは雄大な自然の中にたたずむお洒落なレストランへ。ここでもモルシージャが出ました。インゲン豆と一緒に煮込まれ、濃厚な味わいのスープとなっていました。
デザートにはFlan(フラン)を頂きました。スペインでは定番のデザートで、いわゆる「カスタードプリン」にあたります。カラメルを流した器に、サラサラの液体を入れて蒸して作る方法は、私たちに馴染みのあるプリンではありますが、卵の量が多めで、硬くてしっかりとした舌触りが特徴。日本のプリンを想像して食べると、全く違う触感に驚くと思います(私がそうでした…)
ベガセルベラにあるバルポルケロ鍾乳洞は、今から百万年以上前、山脈の石灰岩に穴をうがち、数十世紀の時の流れの中で、思い思いの形に削られた洞窟が広がっていきました。こうしてカンタブリア山地の南、レオン県ベガセルベラの地中に美しい鍾乳洞が形作られたのです。
水が岩石を削って作った突起に満ちた、神秘的な洞窟を探検するのは、世界でも稀で、他ではできない体験です。中に入るととても気温が低く、手が出るころにはキンキンに冷たくなるほどでした。
ガイドの説明を聞きながら端から端まで回りきるのに2時間ほどかかりました。足場が少し不安定で湿っていてさらに、薄暗いので歩きやすい靴で行くことを勧めます。
夜は、Hotel Real Colegiata San Isidoroでのディナー。
サン・イシドロ教会施設内にあるホテルで、レオン大聖堂から徒歩5分です。ローマ帝国時代の市壁または回廊を一望するお部屋は石造りの壁が特徴的で、とても落ち着いた雰囲気です。併設レストランでは、ビュッフェ式朝食、創作料理、伝統料理を楽しめます。
ホテルと同じ施設内にあるサン・イシドロ教会の無料ツアー(ガイド付)を毎日開催しています。ツアーでは、回廊、ローマ帝国時代の市壁、食堂を回ります。ウエイターのお兄さんが、続々と料理を持ってきて、皆好きなものを思い思いに頼んでいました。
10/7(土) ファベーロ → アルガンサ → ポンフェラーダ → レオン
まず向かった先は、ファベーロの炭鉱場でした。
サベーロの炭鉱場とはまた違った雰囲気で、サベーロの炭鉱場は昔使われていた道具などを見学しながら説明を聞くというスタイルでしたが、ファベーロの炭鉱場は体験型で、実際ならされていたサイレンを間近で聞き、暗くて狭い穴の中に入ってビデオを見ながら炭鉱夫たちが感じていた息苦しさなどを体験することができました。
小さなお土産さんもあり、そこでスコップやヘルメットをモチーフにしたキーホルダーなどが販売されていました。
アルガンサでは、ワイナリーを訪問しました。このワイナリーは非常に広大な土地と素晴らしい景観を持っていました。
バギーに乗って(最大 10 人乗車可)、風を感じながらブドウ畑を通り、丘の上に着くと、目の前には広大なレオンの景色が広がります。木々の緑や空の青、地面の赤茶色…快晴に恵まれ、本当に素晴らしい景色を望むことができました。
この日は結婚式も行われており、幸せな気持ちに包まれながらランチを食べました。
次に向かったのが、ポンフェラーダにあるラス・メドゥラス。色彩のコントラスト、形、色、全てにおいて比類のない美しい自然風景を見せてくれるところです。
実際には古代の鉱業によって生まれた、ローマ帝国最大の金鉱山が主体の産業遺跡で、ユネスコの世界文化遺産としても登録されています。ラス・メドゥラスは人類の創意と自然開発への驚くべき能力を見せつけてくれる生きるモニュメント。ローマ帝国の戦争の資金源となる金を効率良く採取するための、丘を流れるローマ水道の複雑なメカニズムにより生まれたその景観には、目を見張ることでしょう。数多くのトンネルや洞窟、そして水路が、さらにたとえようのない美しい光景を作り上げています。
駐車場から結構な距離を歩きますが、上に登れば登るほど、綺麗な景色が眼前に広がり、疲れを癒してくれると思いました。地元の子供たちも遠足でよく来るそうで、また、土曜日だったこともあり、家族連れが多くいました。
研修最後のディナーはレオンにあるパラドール、Parador de Leonでいただきました。
食事の前にレストラン以外も見せていただきました。かつては巡礼者を保護する修道院だったこともあり、荘厳な雰囲気がパラドール全体に広がっていました。付属の教会や回廊は当時のまま残されています。
部屋は、その当時を彷彿とさせるような造りでしたが、浴室などは綺麗にリフォームされ、モダンな雰囲気でした。
10/8(日) 帰路へ
この日は移動日で、バスで4時間かけて空港へ向かいます。
空港についてから搭乗まで時間があったので、マドリッドの市内観光に出かけました。マドリッド市内を走る赤い二階建てのバス(オープン・ダブルデッカー)で、ルート 1(歴史、停留所21カ所、一周約80分)とルート 2(モダン、停留所 16カ所、一周 65分)の 2ルートがあります。
料金は 1日チケットが€21、65歳以上の観光客(国籍問わず)は€10で、一日中乗り放題です。もちろん途中下車や乗車も出来、あらかじめ計画を立てて利用すれば地下鉄の駅から目的の観光施設まで歩く時間を短縮できます。
10:00~18:00(3-10 月は9:00~22:00)10 分前後の間隔で運行しています。チケットは乗車の時にも買えますし、起点のプラド美術館前のチケット売り場やキオスクでも買えます。乗車したときに赤色のイヤホンを渡されます。音声ガイドの言語は豊富で、日本語の案内も聞くことができました。
今回は全ては回りきることができませんでしたが、町の雰囲気を感じることはできました。
最後に
まだ、あまりなじみのないスペインのカスティーヤ・イ・レオン州ですが、魅力的な場所や食事があなたを待っています。治安もよく、現地の方々も私たち日本人を待っています。ぜひ、次のご旅行先にいかがでしょうか?
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