知人の N さんから「部屋が空いてるので遊びにこないかい」と誘われ出かけました。彼らの私生活は個人情報に属するのでここでは述べません。観光に訪れた Washington の中心部( Mall: モール)、アーリントン墓地、ジョージタウン、ベセスダについて述べます。

Washington を上空から眺めたら、緑の芝生の大きな十字架が見えてくると思います。長軸は東西、長さ3km、幅400m、短軸は南北、長さ1.5km、幅400mの十字架です。設計者は意識したに違いありません。

長軸の東端に国会議事堂、議会図書館が、西の端にリンカーン記念館が鎮座しています。短軸の北端にはホワイトハウス、南端がジェファーソン記念館です。長軸と短軸の交点にワシントン記念塔という高いオベリスクのような塔が建っています。長軸の北側、南側沿いにはスミソニアン財団の各種ミュージアムがあります。緑の芝生一帯をモールと呼び、ワシントン観光の目玉です。

国会議事堂も議会図書館も白亜のギリシャ建築の様で巨大で美しいです。自己の文化の源をギリシャに求めたのでしょうね。内部を観光できます。内装がまた見事でため息がでます。日本とちがって議事堂内に入れてもらえるのが良いですね。

議事堂からホワイトハウスまでPenn Stという道路が通っており、大統領が議事堂前で就任演説を行った後で歩いてホワイトハウスに向かう道がこれです。通り沿いにはFBIとか財務省なんかがあります。テレビで見たことのある景色に納得します。

スミソニアンミュージアムは、航空宇宙、自然史、美術館といろいろありますが、すべて無料です。そして巨大です。さらに「単なる見せ物小屋」ではなく「体系的に収集展示されている」ことが特徴です。

このように、「関連する物を、取捨選択しないで、すべて集め、体系的に分類整理して保存展示する」のはアングロサクソン系の特徴ではないかと思われます。アメリカ文化は恐るべし、です。アメリカとおつきあいする時、心しておかねばならぬことに思います。

アーリントン墓地は地下鉄 Rosslyn 駅から徒歩で南に1km。広大な芝生の中に、形が同じ白い墓標が整然と建っています。美しいのですが、無くなった方のことを思えば美しいなどとは言ってはいけないことでしょう。

ヴェトナム戦争の時にアメリカ軍に協力した、カンボジアの方の墓標もあるとかで、アメリカの兵隊さんだけではないところにこの墓地の位置づけを感じます。クリスマスにはボランテアによって8000個のリースで飾られるそうです。アメリカ人の思いを理解しないといけないようです。墓地内は広いのでバスで巡ることができます。ここには暗殺されたJFKさんのお墓、第2次大戦で硫黄島を占領した時の記念碑もあります。

思えば人間の歴史は戦争の歴史です。戦争は人間の文化としか思えなく永遠に無くなることはないでしょう。未来を展望しておくためにも訪れておくべきところでしょう。

ジョージタウンは地下鉄 Rosslyn から北に歩いて1km。途中にポトマック川を渡る橋があります。橋からの展望が雄大です。上空を飛行機が飛び交うのは National という飛行場が川の畔にあるのと、川の上を飛ぶと騒音対策になるからとのことです。

街は、石畳の道などありヨーロッパの面影を残しているように感じられます。ミュージアムに飽きたら、気分転換に散策するにお勧めです。素敵なお店、美味しいレストランもあります。地下鉄ですぐに行けるところがいいですね。橋を渡る時に左に見える荘厳な建築はジョージタウン大学です。大学のキャンパスとは、こうでなくちゃー、とおもいます。

ベセスダといえば NIH です。医療に関する話題がでると必ず NIH の名がでてくるのでどんなところかと訪ねてみました。地下鉄の Medical Center 下車、目の前です。広大なキャンパスに研究機関が点在していました。広いところです。ああ、ここでなのか、と思いました。

地下鉄駅と反対側の西の出口を出たところが Old Georgetown Rd で、それを南に向かうこと2km（ちゃんと歩道があります）、ベセスダの街に。こじんまりした瀟洒な街です。一瞬パリの街角の気分です。素敵なお店、Caféもありしばし散策です。帰りは地下鉄の Bethesda 駅からのればよいので気楽です。

Washington はアメリカの、世界の政治の中心地ですが、政治を全く感じさせない、知の宝庫、知の殿堂であると感じました。ここはすごいところです。報道からは垣間見ることのできない、アメリカの本質を探るために皆様も是非。