日本語ガイドと巡る ブルガリア&ルーマニア2カ国周遊11日間
期間:2018年7月26日~2018年8月4日
草穂 様
今回、「ルーマニア&ブルガリア2カ国周遊11日間」をパーパスジャパンで設定していただきありがとうございました。余り旅のことはこのようなところには書かないのですが(旅を計画する時は、ひたすらNetで経験者のお話を調べまくるのに‥)、今回どうして書く気になったかというと、長い物語になります。ガイドのルーマニアのダンさん、ブルガリアのヴラディミール(ヴラド)さんに大変お世話になったことも理由にあります。
友人は持病持ちでヨーロッパへ今まで通り旅行に行きたいけれどもパック旅行は無理、私は仕事のストレス(パワハラ?)で連絡のつかないところに行った方が良いとの助言を受けていて、ヨーロッパに逃げ出そう‥と始まった14回に及ぶ偶然が結びつけたヨーロッパの2人旅でした。今回で体調的にも年齢的にもヨーロッパは大変だから最後の旅にしようと前から言われていました。
2016年、ザルツブルグに行きたいとの希望で、ドイツのレーゲンスブルグ、オーストリアのザルツブルグ、インスブルック、ウィーン(ヴァッハウ渓谷)そしてハンガリーのブタペストへの旅を計画し実行しました。そしてその続きとして、2018年は「ドナウ河をブタペストから黒海まで下っていこう。」ということになりました。「それではドナウ河のリバークルーズにしよう」と秋からずっと調べていました。リバークルーズが取れれば、昔の通商ルートを辿ることになり、朝、船を降りてエクスカーションのバスに乗れば観光がすぐ出来て、黒海まで荷物を持って乗り継ぎすることなく行ける良い案だと思っていました。
ところが、日程・日数などからどうにもうまくいきませんでした。ハンガリー、ルーマニア&ブルガリアの遺跡などは交通の弁の悪いところにあり、鉄道やバスの手配をどうしましょう‥イギリス、フランス、ドイツのようにはいかない、言葉も通じそうにないし‥と悩みました。そこで、2017年のアイルランドの旅をパーフェクトに設定して下すった(友人の言葉です)パーパスジャパンにどなたか詳しい人を紹介して欲しいとお願いし、丸投げしてしまいました。
結果、これだけの両国の名所旧跡をスムーズに回る旅を企画して下さり、歩く辞書といった感じのガイドさん(それも日本語の!!)を手配していただけました。バルカンの歴史と東方教会の形式など教われ、おいしい料理にも楽しめました。ガイド付き運転手付きの旅がこれほどすごいとは思いもよりませんでした。
パック旅行には体力的・性格的に合わない方が楽に好きな場所を訪れ、好きなものを食べ歩きするには、今回の私たちの旅が参考になるのではないでしょうか?旅程と写真、そして少々の説明で、皆様がルーマニア&ブルガリア2カ国周遊をしたくなることを希望しております。
出かける前は、両国の天気予報は曇り時々雷雨でした。2人とも超晴れ女なので車の中とちょっとした距離に降られただけでした。8年ぶりの冷夏とのことで、いつもの夏は内陸性気候で35〜40℃なるとのことでしたが、暑い日本に申し訳ないほど涼しい旅でした。
出発は羽田 木曜日の22:55発のエールフランスのパリ行き。
仕事が終わってから行けます。夜行バスのように眠ってパリへ、パリからルーマニアへ。
ブカレスト空港へ午後2時過ぎに到着し、出たらガイド兼運転手のダンさんが日本語の名前の紙を掲げて待っていてくれました。これから全てガイドさんが面倒を見て下さりました。
ブラショフは2泊。
着いた日はドイツ系ザクセン人による中世の街並みを歩いて説明を受け、地元のレストランへ。
Brasov (ブラショフ)
Brasov (ブラショフ)
3日目はそこから世界遺産のシギショアラへ。
中世の色濃い旧市街です。たまたま中世祭りの1日目でした。中世のコスチュームをつけ、天幕や剣を飾り、踊りや殺陣を楽しんでいました。
ドラキュラのモデルとなったヴラド・ツェペッシュの生家のレストランで昼食を戴きました。
Along the way to Sighisoara Fort (シギショアラへ 砦)
Sighisoara Orthodox Church (シギショアラ 正教会)
ピエルタンの要塞教会、静かで心安らぐ場所でした。
ドライブの道の端にはスイカやベリー、かぼちゃやジャガイモを売るスタンド、農作物の豊かな国です。また、盛りは過ぎたとはいえ見渡す限りのひまわりの畑、美しいです。ちょっとイタリアの北部の風景に似ています。
Biertan Fortress Church(ピエルタンの要塞教会)
4日目はかの有名なドラキュラ城として知られるブラン城へ。ここに行けるとは思いませんでした。
シナイアのシナイア僧院(フレスコ画に堪能し、ルーマニア正教を知りました)、ペレシュ城(内装は素晴らしいです)訪れ、そのあとは遅めの昼食 ジビエ料理がいいか鱒料理がいいかで迷い、鱒料理にし、デザートのパパナシを戴きました。
この辺りは夏も冬もリゾート地とのことで素敵なところでした。
Sinaia Monastery(シナイア僧院)
ペレシュ城
その後、ルーマニアの首都ブカレストへ。
市内の建物と歴史も勉強しました。日本では知らない現地の歴史を聞けました。
ここまでルーマニアでしたが、ダンさんは中学時代に日本の東京にいたとのことで、東京の今の話にも盛り上がりました。ルーマニアのリゾート地で避暑旅行をしたようでした。
5日目からブルガリア
国境を越えてヴラドさんが運転手さんと来てくれました。
国境を越えてルセへ。
運転手はルセの方だったので、ルセのこともいろいろ聞けました。いつも長い長いバルカンの歴史になります。独立戦争、支配の交代など日本にいては想像もつかないことばかりです。
「普通日本からくる旅行者はソフィアとバラの谷などに興味を持つのに、黒海の方にまで行くのは?」と尋ねられました。ドナウ河と黒海へのこだわりを話したら、ハンガリーのブタペストから下流はドナウ河はたいしたことないよと言いつつ、お昼はルセのドナウ河に船の形で張り出したレストランへ連れて行ってくれました。お昼を食べながら広い茶色の河を見ることが出来ました。
Ruse St.Troitsa Cathedral(ルセ 聖トロイツァ大聖堂)
ドナウ河の後は、イヴァノヴォ岩窟教会へ、前日の日曜日はすごく混んでいたそうですが、ガラガラでゆっくり山を登り昔の修行に心を寄せました。あそこもここもと遺跡があり、宗教の力に驚きました。
その後、宿泊地のヴェリコ・タルノヴォへ。
ヤントラ川の美しい風景を見ながら歴史の話を聞きました。遅くに着いて、次の日は黒海沿岸まで230kmの道程なので、風景を味わったくらいですが、夕食は当然美味しいお店を紹介してもらいました。
6日目、黒海に面した、世界遺産のネセバルへ。
ここはギリシャからの歴史の重なりと遺跡があるとのことで楽しみにしていました。島のような半島の中教会がびっしりと並び、その中で建築様式の移り変わりを教会の前で学びました。
しっかりと考古学博物館で発掘されたものも見ましたし、美味しい黒海の烏賊料理とトルコ風パンを、黒海を見下ろしながらいただきました。
ブルガスでは2泊し、ちょっとお休み。それでも考古学博物館と民俗博物館を見学した後、黒海の海岸まで行って海水浴をしている人たちを見ながら、八百屋さんで絞ってもらったオレンジジュースを飲み、はるばる来たなーという気分に浸りました。
海水は暖かく、岸からちょっと行くと深くなるようでした。今回宿泊予定のホテルにプールがついていたので水着を持ってきていたのですが、海で泳ぐことは想定していなかったので、出来ませんでした(少々心残りです)。
Burgas_Black Sea(ブルガス 黒海)
8日目は最初の案では一泊する予定だったプロヴディフ観光をしつつソフィアへ。
プロヴディフ旧市内はローマ遺跡が多く、道の途中でここを曲がるとギリシャと言われたことから、ルーマニアでこの道を行くとウクライナと言われてことを思い出し、地中海・アドリア海と黒海との位置関係を再認識しました。
ここでも、民俗や建物の説明のほか、ブルガリアのブドウの葉で包んだ肉料理、煮込み料理、固めたヨーグルトのデザートを楽しみました。
9日目朝一番に、ボヤナ教会へ、一回に10人以内10分の制限があるため、ダッシュで朝のラッシュをくぐり抜け開門前に到着、第一陣で見学できました。(地元の運転手さん4人乗りのバンのおかげで裏道を通って教会の門まで行けました。大型バスではないメリットです。)
ボヤナ教会ではイタリアよりも早いブルガリアのルネッサンス美術の説明と歴史をヴラドさんよりしっかりと受けて出て来たところで、この旅で初めて日本人にお会いしました。
7月半ばからロシア経由でいらしたという80歳を超えた一人旅の方で、「ここに来るのにえらくかかったよ‥」と言ってらして、こんなに旅慣れた方でも大変なのに、私たちはガイドさんと運転手さんに助けがあったから、右も左もわからずこれだけ回って来れたのだ‥としみじみと思いました。
Boyana Church(ボヤナ教会)
そのあとは、有名なリラ僧院です。
山の中に入って行って現れた僧院、これまでヴラドさんから教わったブルガリア正教の集大成です。イコンも壁画もさすがでした。壁に描いてある天国と地獄が日本の仏教とそっくりだなと人間の思考の類似性に驚きました。
Rila Monastery(リラ僧院)
お昼はリラ名物の鱒料理をリラ川の川音を聞きながらいただきました。そのレストランの向かいに出していた地元の農家の奥さんのスタンドでアザミの蜂蜜や喉に効く蜂蜜なども楽しめました。
そして10日目、ソフィア国際空港17時過発なので、午後2時まで市内を歩き回ることができました。8、9日目の夕方と10日目の午前で、少々時間が取れないと思っていたソフィア市内の教会を訪ねることが出来、国立考古学研究所付属博物館もゆっくり見学することができました。
The St. Alexander Nevsky Cathedral (聖アレクサンダル・ネフスキー寺院)
Russian Orthodox Church (ロシア正教会)
その後、空港まで車で送っていただき無事帰路に着きました。実だくさんの旅程でしたが、見ること学ぶことだけに集中でき、美味しい現地の料理を堪能し、本当に楽な旅でした。
西ヨーロッパのカソリック・プロテスタント教会とも違う東方教会、ビザンチン美術と近い美術、大英博物館にあったギリシャの部門よりずっと深い考古学の世界でした。これら想像を超えた世界を見せて下さった、企画のパーパスジャパンの伊藤さんとガイドのダンさんとヴラドさんに改めて感謝いたします。
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