要約
Grand TetonとYellowstoneは、これから世に出て、人の世の出世階段をどこまで登れるかに挑戦しようとするヒトは絶対に行かないほうが良い世界です。なんとなら、この世界に耽溺してしまったならば、社会復帰できないに違いないからです。
それとともに、人生の伴侶の判断を決めかねている方には、是非契約前に、共に行ってみることをお勧めします。見極めはその後、おのずと
期間:2018年7月1日~2018年7月15日
髙田 様
GON-001397
Grand TetonとYellowstoneは、これから世に出て、人の世の出世階段をどこまで登れるかに挑戦しようとするヒトは絶対に行かないほうが良い世界です。なんとなら、この世界に耽溺してしまったならば、社会復帰できないに違いないからです。
それとともに、人生の伴侶の判断を決めかねている方には、是非契約前に、共に行ってみることをお勧めします。見極めはその後、おのずと
異国・異地域に身を置くということは、自国・自居住地とその文化の違いを比較することにつながります。井の中の蛙から脱却して。しかし知識/教養が無いと、何も見えて来ません。旅は己を否応無く知らしめてくれます。
私の数少ない経験ではありますが、アメリカの本当の良さは、ニューヨーク、サンフランシスコのような都会ではなく、大自然にあります。
アメリカは潤沢な国です。衣食足りて礼節を知る。ゆとりが解放感を生み出し、くよくよした気持ちを一掃してくれる国です。同一性を強要せず、コスモポリタンです。多文化が住み分けて存在することを許容している国です。この思想はヒトの文化だけでなく、他の動植物の存在にも適用されているように思うのです。(ただし、開放感は孤独と表裏一体です)。
日本では、国立公園に指定されることで、現地に落ちるお金の増加を期待する傾向が強いように思います。一方アメリカでは金銭的収益よりも、自然を計画的に残すことを目的に、指定する傾向が強いように感じています。国の威を借りて個人への利益誘導を指向する度合いと、公共への還元を指向する度合いの、民族性による違いでしょう。
今回はアメリカ中西部、ロッキー山脈中のグランドティトン(Grand Teton)、イエローストーン(Yellowstone)に。洲としては、ワイオミング(Wyoming)、アイダホ(Idaho)、モンタナ(Montana)の境界です。日本からは、コロラド(Colorado)のデンバー (Denver) 経由でジャクソンホール(Jackson Hole)に、そこからレンタカーで2つの公園を回りました。Grand Tetonでの宿泊先はColter Bay Village(5泊)、Yellowstoneでの宿泊先はCanyon Lodge(7泊)。最後にJacksonに1泊。次から次にと移動するのではなく、大自然の中にゆったりと身をおくことを目的に、滞在型の旅をしました。人生でただ一度だけのつもりで。
ここではどんなことが期待されるのか?
Grand TetonとYellowstoneの見所をKey wordsで表すならば、1)間欠泉(Geyser)、2)種々の色の温泉(Hot Springs and Basins;大分の別府の地獄めぐりに相当)、3)山嶽美、4)針葉樹林帯(樹林帯のTrailで森林浴:針葉樹の放つ香りがすばらしい)、5)湖沼(ボート遊び、釣り)、6)草原(開放感)、7)野生の動植物との出会い、8)Driveの楽しみ、でしょう。以下に写真でそれらをご報告させていただきます。
Grand Teton地域:
1. Grand Teton National Parkは公園の西側に、南北に山脈が横たわっています。これが標高4000mに及ぶTeton 山脈(Teton Range)です。その東側にいくつかの湖沼がちらばっています。私の宿泊したColter Bay Villageは、大きな湖のほとりにあります。Grand Teton National Parkを楽しむということは、Teton山脈をいろいろな地点から見て楽しむ、ということにつながります。
2. 次にColter Bay Villageの宿泊施設 (Cabin=山小屋) をご覧にいれます。2軒つながりの小屋です。この半分を借ります。室内の床は木。実にムードたっぷりです。シャワー付きの部屋です。
3. 観光の前に食事の写真を。
このVillageにはRestaurantがあります。サラダ、肉料理、マス料理。美味です。
ではいよいよ観光です。まず住まいのColter Bayから。
4. Colter Bay 地域。
Jackson Lakeの湖畔からMt. Moranが見えます。Mt. MoranとJackson Lakeの間の森は湖畔から突き出した半島です。Trailになっています。風光明媚です。そこを歩きます。熊に注意。お花いろいろ。カヌーで遊ぶヒトも。湖畔は夕方もひとしお。ゴミの分別が徹底しています。
5. Oxbow Bend(川がU字型に曲がっていて野生動物の集まるところ)。
ペリカンがいます。アザミ、ノボリフジも綺麗。突然声をかけてきた日本人の方はGrand TetonとYellowstoneが好きで4回目。今回もMooseに会うのが目的とのこと。個人旅行だ、団体だと時間が規制されるので、とのことでした。私と同じ気持ちの方です。
お名前を聞きそびれました。もしこの旅行記をご覧になったらパーパスさんを通じてご連絡下さい。お話の続きをうかがいたいと思っているものですから。
7. Jenny Lake。
遊覧船が出て、対岸に渡れます。対岸から少し登ると隠れた滝が。
8. Signal Mountain。
草原に小高い丘があり、そこをSignal Mountainといいます。草原を展望できます。
9.有名な教会(Chapel of the Transfiguration)だそうです。
絵になります。
10.草原の中を走る道の一つをAntelope Flat Rdと言います。
綺麗なところだ、というので出かけました。本当に綺麗でした。シェーンという映画があり、その関係地のようです。コヨーテの親子連れに会いました。
11. 草原の中の道路 (RT-191;Jackson HoleからColter Bayに向かう道) 沿いにはいろいろな展望所があり、そこからTeton山脈を望むことができます。
12. RT-191の道と注意事項です。
動物注意、Drone禁止。マーモット? 。ヒョウモン蝶。あるところで茶色のかなり大きな丸い影が移動。私はカメラを構えたもののシャッターを切るまもなく草むらに。隣のヒトは、バージャー(アナグマ)と叫びました。それがただ一度の出会いでした。
13. Grand Teton National Parkではバイソン(バッファロー)が見られることで有名です。
道路沿いに居ました。公園近くのサンドイッチ屋さんにはGrand Tetonならではの注意事項(バイソンに注意)が。
Yellowstone地域:
Yellowstoneは巨大なカルデラでその中をデジタル表示の8の字のような道が走っています。もっと正確には上が四角形、下は六角形のような走行です。その道沿いに観光spotがあります。まずYellowstoneの地名と道路状況を頭に入れて下さい。
14. 宿泊地 (Canyon)。
Grand Teton National Parkから北上、Yellowstone National ParkのGateに着きます。入場料を払うとカードをくれます。これで期間内は何回も出入りできます。そのまま走るとWest Thumbに着きます。Lake Villageをへて北上です。私はCanyonと言う所のLodgeに滞在。Lodgeですので大きな建物です。Lodgeは何件もあります。その1軒の1室を借りるのです。部屋でゴミを捨てるのにも分別回収が指示されています。Bathタブ付きでした。
15. Canyonでの食事。
Restaurantを集めた建物があり、そこで食事します。宿泊代に食事代は含まれていません。日本のファミリーレストランタイプ、自分で料理を持ってくるタイプなどいろいろあります。バイソンのバーガーあり、バイソンとエルクのソーセイジあり。
16. Canyon (峡谷と滝)。
Canyonはその名のとおり峡谷です。峡谷と滝が有名です。滝見物に出かけました。
17. Norris (間欠泉)。
NorrisはCanyonから近い(12 mile)間欠泉です。北と南に分かれています。
18. Mammoth。
Mammothはテラス状の部分を温泉が流れ、種々の色模様の階段を形成していることで有名です。Visitor Centerの前にエルクがいました。温泉の観光を終えて降りて来たらエルクはホテルの近くに移動。歩道に近いのでエルクを驚かさないためにヒトの通行は禁止でした。
19. Midway Geyser Basin (Grand Prismatic Spring: MadisonとOld Faithfulの間)。
水の青とバクテリアの作り出したオレンジ色の対比の美しさで有名です。バクテリアが形成した色でバクテリアマットと呼ばれています。対岸に展望台あり。そこにも行きました。ため息がでるほど美しいです。ここでお会いした中国の方は「昨日も来た。美しいので今日も来た。2度来た。」と言っていました。
MadisonとOld Faithfulの間の他のBasin。この間にはたくさんの間欠泉が存在します。写真は割愛しました。興味を持たれた方は是非現地に。
20. Old Faithful。
ここは有名な宿(Old Faithful Inn)と有名な間欠泉(Old Faithful Geyser)のあるところです。木道を歩いて散策に。終点はMorning GloryというBasin。綺麗ですよ。ここにお金なんかを投げ込んではいけません、という注意書きあり。台湾の若い方とお会いしました。最後にOld Faithful Innを見学に。Innの内部はゾクッとします。次回は是非ここに宿泊してみたいと思います。
21. Yellow Stone National Parkには大きな湖があります。Yellowstone Lakeと言います。
高いとこから眺めたら、Grand Tetonの山々が見えました。懐かしい。野生動物を観察するヒト多数。Mr. Jort Vanderveenさんという方の持っている望遠鏡でエルクを見せてもらいました。展望台は枯れ木の中。なんとそこに鹿がやって来ました。
22. Continental Divide (大陸分水嶺)
Yellowstoneにはアメリカ大陸の分水嶺が通っています。West ThumbからOld Faithfulに行く間に分水嶺を2回横切ります。最初の分水嶺の海抜は8391 feet。2番目に横切るのが8262 feetです。2番目のところにはIsa LakeというLakeがあります。Lakeと言っても水たまりみたいなものです。Isa Lakeから東に流れる水は最終的に西(太平洋)に注ぎ、西に流れる水は大西洋(メキシコ湾)に注ぐことになるのだそうです。なおContinental Divideは、西にたどるとMontanaとIdahoの洲境界を形成します。感動です。雄大ですね。
23. Tower-RooseveltとLamar Valley。
この地区は野生生物(Wildlife)の宝庫だそうです。途中のMt. Washburnの展望台周辺は熊が出る所とのことでしたが出会えませんでした。Roosevelt Lodgeで休憩。Lamar Valleyへの道は気持ちのいい道です。バイソンにたっぷり出会いました。バイソンを観察するヒトも多数。バイソンは道を横切ったりします。
Roosevelt Lodge入り口
24. CanyonとLake Villageの間
ここも動物に出会える場所です。Hayden Valleyも柔かな緑の豊かなところです。広いので、動物がいても双眼鏡で探さないと分かりません。バイソンは温泉にも来ます。目がかわいいですね。おもわず抱きしめたくなります。エルクがいると交通渋滞です。人びとはゴージャスとため息をついていました。
Jackson (Jackson Holeと言ったりもする)地域:
25. Jackson
帰国便の出発が早朝だったので前日Jacksonに1泊しました。Yellowstoneを朝9時頃に出て、途中であちこちに寄り道しながら、Jacksonには17時過ぎに着きました。Grand Tetonを通るので、宿泊した地、Colter Bay Villageにも、各所展望台にも再度寄ってみました。同じ所に複数回寄ることで、復習といいますか印象はいっそう奥深いものになりました。
Jacksonは街なので、Grand TetonとYellowstoneの清廉な気分が壊れてしまうのではないかと恐れたのですが、そんなことはありませんでした。宿泊したのは4 Winds Motel。夕食はThe Blue Lionというレストランで。私は、Buffalo Tenderloin and Huckleberriesを食べました。サラダのソースが美味。
公園の入り口はエルクのツノでGateができています。アクセサリー/衣料品の店に寄りました。オーナーはMs. Sonia TonkinさんといってDominica共和国の出身だそうです。
Jacksonでは夜の6-9時にショー(Western風)が行われるようです。店の中に入らなくても、窓越しに見ていて文句を言われません。有名なレストランの中でやっているショーを覗き見。最後がJacksonでアクセントが付き、正解でした。
壮大な所ですよ。人生観が変わります。それも2-3日の滞在ではなく、2週間に渡る逗留(とうりゅう)のたまものでしょう。
森の深い緑、草原の柔らかな緑、花の黄色と紫、透明な空の青、湖の深い青の世界、目に優しい世界でした。心にも。
どんな音楽も絵画もここの自然美をしのげないのではないでしょうか。
お笑い番組、家族関係、職場の人間関係、男女関係と無縁、それらに関わることが馬鹿馬鹿しく思える、静謐な世界でした。
猥雑さ(それに伴う淫靡なざわつきとチョッとしたときめき)とは無縁な世界です。
Innovationの競争とも無縁で、この世界こそ実なるものだと思える、そんな世界でした。
治安の良い所、交通事情、マナーも極めて良い所ですから、絶対個人旅行でお出かけ下さい。団体旅行だとただ通りすぎるだけで充足感が得られないはずです。1週間しか休みの取れない方はGrand TetonとYellowstoneのどちらか片方になさり、残りの箇所は何年か、あるいは何十年か後のあこがれにとっておくことをお勧めします。戦渦にまみえなければ、あこがれは必ず達成されるでしょう。生きる目標になりましょう。
私は十分満足いたしました。Grand Teton、Yellowstoneに再度訪れたいと熱烈に思います(Oxbow Bendでお会いした方のように)が、仮に訪問できなかったとしても、悔いは残りません。そのぐらい堪能できたのでした。
若い方に是非行って欲しいと思いながらも、それとは裏腹に、これから世に出て、人の世の出世階段を登っていくことに挑戦しようと思うヒトは行かないほうが良い世界です。なんとなら、この世界に耽溺(たんでき)したら、社会復帰できないに違いないからです。
人生の伴侶を見極めることができる世界です。契約前に是非行ってみて下さい。
判断はその後、おのずと。
冒頭の「国立公園のスケールに夢中になり社会復帰できなくなる」という言葉に思わず笑ってしまいました。
バイソンのハンバーガーとはどんな味なんでしょうか。Midway Geyser Basinのバクテリアの作り出したオレンジ色と水の青とのコントラストがとても綺麗です。
ジャクソンの西部劇に出てきそうな街の雰囲気、THEアメリカな雰囲気で大好きです!
グランドティトンとイエローストーン、いつか長期の休みを取って未来の人生の伴侶と訪れてみたいです(笑)