帰国3日目の心地よい疲れは、一人旅の冒険のおかげと人との出会いであろうか?
旅の終わりにベルンで感じたのは、今までの自分にはない何かを見つけたようなワクワク感でした。この気持ちをすこしでも伝えたいと思います。
旅のタイトルは「夏のスイス周遊ベルニナ急行&氷河急行に乗車する10日間」です。
パーパスジャパンの西澤さんには、私の永年の夢「マッターホルンを見たい!」を叶えていただきました。それもタイトルにある通り、あこがれの列車で氷河や緑の景色を観ながら旅をしたいとのリクエストも完璧でした。
2つの列車は、テレビで観ていた映像を遥かに超え、自然の美しさと雄大さを感じさせてくれました。それだけではない事がこの時はじまったのです。
クールで乗ったベルニナ急行は満員の2等席で、30年前の美人のお姉さん達に囲まれるという大変ラッキーな特等席になりました。何故か?中近東?出身のおじさんが火をつけ
た! 車内販売の茶目っ気たっぷりのそのおじさんは、お前は美女に囲まれて良かったな!
と言って(多分)私の肩をたたきました。その瞬間、お姉さんと周りのスイス人?が大爆笑。思わず私もグーの手で応えました。またまた、大爆笑でした。
でもそのお姉さんたちも急に静かになり車窓から目を離さなくなりました。そう、すばら
しい景色の始まりです。それからしばらく車内は、自然の迫力に圧倒される時が流れて、終点イタリアのティラーノに着きました。
この10分後、折り返しの普通列車でサンモリッツへ向かうことに。来るときは、笑いの
渦にいたせいで写真を撮れませんでしたが、この列車はガラガラで、左右の4人掛けの席は私のモノになり、窓を開け、プルジーオ橋も独り占め!360度をゆっくりと撮影することが出来たし、モルテラッチ氷河の迫力に圧倒されていました。途中、ハイキング等の家族連れで満席になり、サンモリッツに着きました。
ホテルハウザーまでは、長いエスカレーターで、そこから先は歴史を感じるレンガ造りの
道をガタゴト、その横を巡回バスが行く。ショック、少し待っていればよかった!今日は明日の準備。そう、いよいよサンモリッツ~ツェルマット(氷河特急)に乗るので昼食をコープでみつ網パンとミネラルウオーター購入。この日は、ラッキーなバスタブ付きの部屋で早く就寝しました。
朝食時の女性(70代)とフロントの女性(現役の20代)に感謝!私の下手な英語に付
き合ってくれ親切にしていただき、列車時間にあわせて送迎車を用意してくれました。おかげさまで朝食後はサンモリッツの街を散策。とってもおしゃれな街並みを見ることができた。ただ残念なのは、ホテルハウザーの有名な美味しいケーキを食べられなかったことです。
湖の駅サンモリッツ、そこに氷河特急(3番ホーム)がいました!余裕で荷物を収めるこ
とが出来き、まずは一安心。10時過ぎいよいよ出発。が、2等席はガラガラで私は4人がけを独り占めです。これが終点サンモリッツまで続き湖・緑の林と牛・高さのある滝などパノラマの景色を堪能することが出来ました。私が特に見たかったランドバッサー橋はあっという間でした。ありがたかったのは、イヤホンからの日本語解説でした。
フィスプからは、一瞬マッターホルンが見え、明日への期待が膨らみました。このあたりの景色は、スイスのイメージ通りで、新緑の香りと遠くに見える銀色の山々が気持ちを高揚させつつ、ツェルマットに着きました。8時間のゆったりとした氷河特急に感謝です。
駅は、世界中からの人たちで溢れている!
まずは、ホテルへと向う途中何処かの有名ホテルの送迎馬車(白馬)に会いました。今日の宿テスタ・グリジアはすぐ見つかりました。でもここで問題が発生、フロント女性の英語がまったくわかりません。神様助けてください!とその時、大和撫子の神様登場です。日本人の奥様とご主人(スイス人?)は、日本語で心配して声をかけてくださりました。結局、私にとっては想定外の質問「今日はどこから来たの」と聞いてきたのです。
翌日、朝食時にお会いして昨日のお礼を述べました。とっても品の良いご夫妻でした。
お名前を伺うのを忘れてしまい、悔いています。その後、天気は一日中雨になり街を散策し
ました。おかげさまで観光スポットのネズミ返しの穀物倉庫、日本人橋、登山家のお墓やゴルナーグラート鉄道、ケーブルカーの駅等へ行けました。この日の一番は、屋台のフランクフルト、それも1本食べれば十分なサイズに出会えたことでした。
ツェルマット3日目!!
朝またも雨です。しょぼくれて朝食を取っていたら声をかけてくる人がいました。この人との出会いがなければ少年のときからあこがれて来たマッターホルンを近くで見て帰ることが出来なかったでしょう。この方の名前は、はっきりと覚えていますが、仮にF氏と呼ばせていただきます。F氏に「一緒にあちらで食べませんか?」の声をかけていただいたおかげで、スイスの本には無い実体験のスイスを知ることができました。
F氏はなぜ自分の席に誘ったのか?それは、目の前の大きなTVの画面に理由がありました。そこに主だった山のLIVE映像が映し出されており、雪が降っていました。まさか夏の終わりのこの時期に雪か? ハイキングは無理かな? F氏から、滑りやすいので気をつけてとのアドバイスをいただきました。
私は今回の旅行でスイスの空気の中でハイキングをしたいと思いトレッキングの準備をしてきました。行きたいとの思いは強く雨の中スネガまでケーブルカーで行きました。本当はここから先のロートホルンまで行きマッターホルンを観たかった!が予想通りの霧で断念し、ツェルマットまでのハイキングにチャレンジしました。ほとんど誰とも会いませんでした。心細い気持ちも、途中の木々や古い小屋など、そして雨にキラキラしているツェルマットの街を眼下に見ることがました。ここまでくると親子連れとハローと声をかけることもでき、気持ちの余裕もでき、歩いてよかったと思い、何かに感謝する自分がいました。
そしてツェルマットを去る4日目!
朝6時日本人橋へとホテルを出たが残念、雨でした。
もうマッターホルンを見られないまま去るしかないと荷物をまとめ、朝食へ向かった。しかし、F氏が山へ向かう支度をして朝食を取っているのです。私が目を丸くしているとF氏がこれから天気が良くなりますよ!今回の旅のメインイベントであるマッターホルンを見ないで帰るのですか?
そうだ、お前はここまで何しに来たんだ!
朝食をそこそこに荷物をとき、準備。F氏が乗る予定のゴルナーグラート鉄道に乗ることができました。動き出してすぐ大きな歓声があがり、その先には凛々しくも鎮座するあこがれの山マッターホルンがありました。
カメラを向ける気持ちには慣れませんでした。その時、涙がうっすら出て、F氏さん本当に有難うございました。
到着後、氷河は勿論、廻りの山々に感動の連続でした。ここでマッターホルンを撮るぞと探していると、大きなスイス男性からカメラを渡されました。撮影をしてくれますか?OKイエス!
2回撮り、私もとお願いしました。この時撮っていただいた写真が旅の中の1位となりました。その後、驚きの出来事「高橋さん」と声がして振り向くとF氏ではないですか! 良かったですねと優しく言っていただき、思わず握手していました。