どうしてもチェコフィルが聞きたい ~ プラハの一人旅
平成31年(2019)3月26日
ANA最終便にて羽田へ
21:30羽田着
時間はかなりある。えーと国際線は?そうそう確かバスがあるはず。どれどれ・・・9番かぁー
少し待つとバスが来た。ANAは第2ターミナル。
ウイーン行きは01:55発。ただひたすら待つ。
期間:2019年3月26日~2019年4月1日
S 様
GON-001493
平成31年(2019)3月26日
ANA最終便にて羽田へ
21:30羽田着
時間はかなりある。えーと国際線は?そうそう確かバスがあるはず。どれどれ・・・9番かぁー
少し待つとバスが来た。ANAは第2ターミナル。
ウイーン行きは01:55発。ただひたすら待つ。
3月27日
01:30 ようやく乗り込み。満席のようです。隣の席は高校生位の女の子とお母さん。
10分くらいの遅れで離陸。これからウイーンまで約12時間。
いはずなのになかなか眠れない。ウトウトするがすぐに目が覚める。
まぁ仕方ない。映画をみたり、眠ったり、この繰り返し。
だいぶたってから隣のお母さんに話しかけてみる。
「ウイーンまでですか?」ANAのツアーでウイーンからブタペストやプラハなどいろいろ回るらしい。
「娘がピアノをやっていてヨーロッパへ行ってみたいというので・・・」
やはりそのパターンか。
「僕はプラハまで、一人旅です」
やがて、朝焼けの空をみながら、ウイーンに到着。
パスポートを提示。えーとプラハの乗り換えは?時計をみると離陸まであと40分。
ガイドサインがとても分かりやすい。こっちか?プラハの手荷物検査を通過してすぐに
案内カウンターがある。プラハ行きの搭乗ゲートの番号がチケットに書いてないので聞いてみよう。
東洋人っぽい女性にチケットを見せながら「What is the boarding gate number?」
「あー日本のかたですね」日本の女性だ。「プラハ行きは6番ゲートです。ここを真っすぐです」わかりました。日本の女性は世界で活躍してるんだ。なんて思いながら6番ゲートへ。
ウイーンは雨でした。バスで飛行機まで移動。
まだ朝早いからそんなに人はいないんじゃない?なんて思ってたら、満席。
オーストリア航空のCAさんは超美人。モデルさんか女優さんに見えます。
40分でプラハ着。
入国手続きを済ませて荷物受け取りを出るとすぐに「CHANGE」のサイン。
そうだ両替しなきゃ。取り敢えず少額。
出口を抜けると「J」と書いた紙を持ったスラリとした青年。パーパスさんの手配。帰りも手配済み。
「はーい」と手を挙げるとニッコリ。直ぐに荷物を持ってくれた。足が速いんですけどぉーー(^^; だいたい長さが違うし。ついていくのがやっとでした。
車の中は凄くいい匂い。運転手さんはかなりのイケメン。左眉の上の小豆大のイボがなければ(あってもいいけど)ハリウッド映画に出れそうなくらい。
ホテルまで20分位かな?旧市内に入ると石畳みの道路が凄い。ガタガタガタガタガタガタ。車こわれませんか?と聞きたくなる。
ホテル着。
8時ちょっと過ぎ。フロントでチケットをみせる。
通常チェックインは14時~15時。なので荷物を預けて街へ出てみようかなんて考えていた。
パーパスの三世さんとのMailのやり取りを思い出した。まあ、とりあえず訊いてみるか?
「Can I Check In?」「Ok、Ok」
えっ、で、できるの?えー良かった。三世さんがうまく手配してくれたんですね。
「オハヨウゴザイマス」あ、日本語できるんですね。
「ココ サイン クダサイ」「はい」
「ジガキレイデスネ」え、あ、そうですかぁ
「ブレックファスト ハ ココダウンデ ライトターンデス OK?」「OK」
もしかすると日本人が泊まるのでと、三世さんからホテル側で気を使って日本語を話せる人を手配してくれたのかも?
「ビジネス?オシゴトデスカ?」「あ、いえ、観光です」「カンコウ?オウ、カンコウデスカ オウ」
キーカードを渡してくれて使い方の説明と部屋まで案内してくれた。とても親切。感謝。
少し寝るか。
一時間位寝たかも。まだ早い。今日の予定は17時にMさんと一緒に居酒屋とJAZZDOCK。
JAZZDOCKは20時から。とりあえず街に出てみる。
そうだ、Rudolfinumまで歩いてみよう。地図の通りゆっくり歩いてみる。
ここだ。
ここにドヴォルザークホールがある。建物の向かい側に彼の銅像があった。
29日が待ち遠しい。雨になりそうな曇り空だ。
Vltava(モルダウ)川沿いにゆっくり歩いてみる。戻って今度は広場まで行ってみる。
やはりプラハの街そのものが美術品のようだ。古い建物が多いが確かに当時のまま保存されている。この街が世界遺産だと解る。途中ベンチで休んだり、ゆっくり歩いたり。
雨が降ってきたし、腹もへってきた。ホテルのレストランでランチするか?
食って飲んでまた寝た。
17時にMさんが来るのでロビーへ出る。真っ黒な髪と真っ黒の大きな瞳の小柄な女性。一目で日本人と分かる。
「Sさん?ですよね?」
「はい、そうです。Mさんですね。よろしくお願いします」
さっそく居酒屋へ直行。結構足が速い。広場を通って路地裏にでる。
古いビヤホール風の居酒屋「ここは私がよく来る処なんです。顔馴染みなんですよ」「へぇーー」雰囲気すごくいい。結構混んでいる。
やはり一人旅の醍醐味はこの辺にある。そこに住んでいる人が普通に行くところに行って食事したり買い物したり、そこで暮らしている人に若干でも同化していくのが楽しいのだ。団体さんのいかにも観光というのとはちょっと違う。観光には違いないのだが。
「ビールは数種類がありますので選んでくださいね」
と言われても、どれがどうなのか検討つきません。丁寧に説明してくれました。
ピルスナーはとても美味しい。変な癖がなくとても飲みやすい。スッキリしている。のどごしは最高。少し苦味が残るが、これが心地よい。オレンジの味がするビールもある。黒ビールが旨いと聞いてはいたが、今回は躊躇しました。
「ここは豚が美味しいですよ」「では、それを」
豚のメンチカツだそうで、めっちゃ美味しい。
いろんなお話ができて楽しい時間でした。Mさんは自分の長男と同い年。
89年のウィーン生まれだそうです。
89年はチェコにとっても特別な年です。あの「ビロード革命」といわれる民主化が確立した年です。チェコスロバキアとして教科書にも載っていたはずの国が、突然チェコとスロバキアに分かれたと聞いて当時は戸惑いましたね。流血の話も聞きませんでしたし、何が起こったんだろう?と不思議でした。
「まだ時間ありますよね」「もう一軒、別のお店行きますね」
今度はだいぶカジュアルな若い人向きのレストランバー。
もうお腹いっぱいなのでワインを少々。プラハの若い人達でいっぱいだった。
「そろそろDOCKへ行きましょう。ここからだと15分くらいだと思います」
ゆっくり歩く。橋を渡って川沿いに行くと岸から川へ伸びている、つまりDOCK風のJAZZBAR。
中へ入るとまだ数人のお客。時間が経つにつれ満席に。日本人は自分たちだけ。
「地元の人の憩いの場なんです」
そっかぁーなんとなく嬉しい。おいおいピアノにKAWAIのロゴがある。KAWAIのピアノなんですね。
二度もアンコールがあって、なかなか雰囲気のあるトランペットでした。
ピアノもなかなかでした。なんとなく中東の匂いがしました。
終わって店を出ると急にMさんが慌てだした。
「あー私、終電間に合うかしら?」
えーーっ!「急ぎましょう」はや足で「ここ近道なんです」階段を下りて公園を横切り、
今度は階段を上ってカレル橋を通る。
橋の欄干部分に聖人達の像がたっている。「この犬をなでると幸せになるそうです。みんな触って行くんでそこだけ光ってるでしょ」
ホントだ。像の台座の処にかわいい犬が彫り込まれている。
取り敢えず撫でていこう。スリスリ。
「ここまで来れば僕一人で帰れますよ。左に行けばいいんでしょ」
「そうです。私はまっすぐですからここで別れましょうか?」
「あ、でも今の時間帯、女性の一人歩きで危なくないですか?」
「ハハ、大丈夫ですよ。ふだんも何にも起きないですから」
治安はすこぶる良いらしい。危なそうな人もみかけない。日本より安全かも?
「そうですか、ではまた明日」
「バスは9時45分発ですから、9時20分にロビーで」
「はい、了解です」
明日は世界遺産のチェスキー・クルムロフへ案内してもらう予定だ。バイバイ。
3月28日
7時起床。朝食です。1Fのレストランへ。
日本のホテルとほぼ変わりないバイキングスタイル。
オレンジジュースやスクランブルエッグ、目玉焼き、ハム、ソーセージ。普通に美味しい。
あっ、このクロワッサンめっちゃ美味しい。
9時15分。ロビーでMさんを待つ。
9時20分過ぎ。あれ?来ないぞ?どうしたんだろ?9時30分。そろそろこないとヤバくない?
えーどうしよう。
あっ、来た、来た。
「すみませーん、遅くなりました」「大丈夫ですか?」「ええ、急ぎますね」
足がはやっ!「走りますけどいいですか?」「はい、なんとか」はやい、はやい。
ま、まけそう。広場を通る。「地下鉄に乗ります。昨日買ったチケット持ってますよね」
「はい」階段をおりる。改札を通り今度はやたらと長いエスカレーターでさらに降りる。もちろん走りながら。ホームに出る。「1分で電車きます」
日本の電車のように時間はかなり正確のようです。
電車がきた。「3つ目で降ります」
降りてまたやたらと長い上りのエスカレーターにのる。当然走ってます。早い、早い。
ドドドドドド。ようやく地上へ出る。
「ここでーす。あー間に合いましたぁ」
「ハァ、ハァ、ハァ、ゴホゴホゴホ」
「あのバスです」バス溜りを二本横断してバス乗り口へ。
車掌さんにMさんがスマホを見せて確認している。
んっ?なんかもめてるぞ
「えっ、どうしたんですか?」「一人しか乗れないって言ってます」
「えっ、ど、どうしてですか」「私達が遅かったので一人乗せてしまったそうなんですぅ、でもぉ、遅いったって出発時間前に来たんだし交渉してみます」
「そ、そうですよね」えーーそんなのあり?Mさんチェコ語ペラペラ。
車掌さんが中に入っていった。リュックを持った学生さんらしき旅の女性が出て来た。
顔が真っ赤だ。なんか喋っている。多分「乗って良いって言ったじゃないの」とか言ってのかな?
「クソッ!シネ」とか言ったかも。何語かわからない。
「乗れますよー」
「Sさん、席そこです」「はい」「私はこっちです」窓際をとってくれたんですね。
出発。ここからチェスキー・クルムロフまで3時間です。
車窓風景は何にもない草原。行っても行ってもほぼ同じ。途中トイレタイム。ショッピングセンター
みたいなところ。ところどころ農家の家が並んでいる。過ぎるとまた草原。
牛とか羊とかいるんだろうなぁ。あ、なんかバンビみたいなのが走っていった。
ようやく目的地到着。
Mさんがいろいろ説明してくれる。確かに歴史を感じますね。やはり来てよかった。
チェスキー・クルムロフを知りたい方は
「チェコとスロヴァキアを知るための56章」の22章に詳しい。
そろそろなんか食べたい。「お昼も近いですからランチしませんか?」
「どこがいいかしらね」「ここ、どうですか?」
かなりちゃんとした造りの英国風レストラン。
入るとチェコ人らしき爺さん達と韓国人らしき観光客が数人。
食事をしてコーヒーを飲んでいると、近くに座っていたチェコ人の爺さんが英語で話かけてきた。
「君たちは中国人か?韓国人か?日本人か?」と言っている。
Mさんが何かカチンときたらしい。「私達は日本人よ。中国人や韓国人じゃないわよ」とかなり激しく話している。少し離れて座っている韓国人の青年が苦笑していた。
「ああ、日本人か。私は日本が好きだよ。I Live Here でも日本にはいつか行ってみたいと思っているよ。長崎や広島や東京だよ」「京都もいいですよ」「ああ、でもフクシマはこわいよ」
ああ、そうかぁ「大丈夫ですよ。なんともないですよ」そうかなぁというように手を広げてみせた。
凄惨な歴史がありながら、散策すると、やはりおとぎ話に出てくるような中世の美しい街並みが見れる。世界遺産だ。
お土産を買ったり、城の一番高いところまで登ったり。
雑誌などにのっているような写真も撮れました。
観光地なので、旗を持った中国や韓国の観光客がやたらと多い。
お城の中の喫茶店で飲んだエスプレッソがやたらと美味しかった。帰りのバスはほぼ、うたた寝でした。
地下鉄のホームで「Sさんは2番線、私は1番線ですからここで別れましょう。3つ目で降りれば広場に出ます。あとは30日の19時ですね」「はい、またよろしくお願いします」Mさんと別れてから広場をウロウロしてホテルでビールを飲んで寝た。
明日はDさんが市内を案内してくれます。10時にロビーで待ち合わせ。
3月29日
朝食を頂いて、まだ早かったので散歩してみる。
川沿いを歩くと、近くの公園の桜が満開だった。
10時ちょっと前、ロービーでボーとしているとチェコ人らしき女性が入って来て
「Sさんですか?」と声掛けしてくれた。
「あ、そうです。Dさんですね。始めましてSです」
「Dです。初めまして、よろしくね」
あ、美人さんだ。チェコ人としては小柄なほうかも。
蒼い瞳が綺麗。
旧市内の案内をお願いしている。今日のコンサートはRudolfinumなので市民会館のスメタナホールにも行ってみたいとお願いした。
入ってみると「今は、コンサートが始まっているのでホールには入れないそうです」やっぱりね。
1階がカフェレストラン
「ここのレストランはそうとう古いですよ。200年は経っているかしらね?」
「ではここでコーヒーでも」「そうしますか?」
かなり大きなレストラン。年配のウェイターが5~6人が忙しそうに動いている。
Dさんは馴染みらしい。暖かいコーヒー頂きました。
今日の予定は、15時までお付き合い頂く事にしている。
お土産を買うのでもう少し両替えが必要だった。Dさんに訊いたら広場のそばにレートの良い両替やさんがあるそうだ。両替をしてからトラムに乗ってプラハ城の近くまで行く。プラハ城へ行くらしい旗をもった団体さんがいっぱいいました。
大通りをぬけて人通りの少ない道を案内してもらう。
「何年か前、川が氾濫してここまで水がきたんです」ビルの外壁の金色のプレート。
「えー津波みたいですね。こんな穏やかな川も氾濫するんですか」
少し歩くとカフェテラスのあるレストラン。
「ここいいですね」「ここにします?」
「はい」ビールとお薦めの料理をたのむ。「このつくねみたいなの何ですか?」
「あ、これはチェコの家庭料理みたいなものです。私も作りますよ。
ジャガイモと小麦粉があれば簡単にできます」へーそうなんだ。
「あ、美味しいです」素朴な感じ。
透明なビーフのスープで、短いパスタが入っているのも凄く美味しい。
いつものように白いふわふわしたパンが付いてきます。
旧市街に戻りお店を探す。お土産によさそうな物を物色する。
Dさんはプラハの五つ星のホテルのコンシェルジュをしているそうです。
Dさんと別れてホテルに戻りいよいよRudolfinumのドヴォルザークホールへ行く準備。
スーツに着替え蝶ネクタイも。一応正装。
ホテルから15分位。
開演の一時間前に入れるようです。
なんかドキドキする。興奮しています。
入り口でチケットを見せるとバーコードを読み取り「サンキュウー、ウェルカム」と言ってくれる。
日本からわざわざ来たんです。
正面にズラーっとクローク。どこでもいいんですけど、眼鏡のお姉さんの処にコートを預けました。
二階のバルコニー席は何処から入るのかな?ウロウロしているとさっきのクロークの眼鏡のお姉さんが焦って追いかけてきた。えっなんだろう?あつ!あつ!クロークの半券持って来てくれた。
もう、興奮しているので受け取るのを忘れてた。
すっかり舞い上がっている。
ロビーからカメラは禁止だった。
30分前じゃないと会場には入れないようでした。入口のドアの前で小太りのおばさんが「だめよ」と言う雰囲気で睨んでいる。なのでロビーでボーっとしてるしかないです。
それにしても凄い内装。約130年ほど前に建造されたものだ。
時間が来て自分の席へ。おばさんがちゃんと案内してくれました。「Here!」「はい」
右隣は旅行者風の二人。Gパンでした。
左隣は正装した同年代位のご夫婦。
少しは落ち着いたかも。やはり内装が凄い。こんな豪華なホールでコンサートなんて、
この国の人はなんて幸せなんだろう。
指揮はBenGernon
イギリスの若手の有望株。
K580
K344
ZdislavaBockova
ソプラノの歌声が素晴らしい。
CELLO協奏曲
TrulsMork
20分のインターバルがあって
SergeiProkofiev作曲のバレー曲
RomeoandJuliet
ただただ酔いしれておりました。
オーケストラもホールも世界一でした。
3月30日
今日はプラハ最後の日。
10時にYさんとホテル前で待ち合わせ。今日はプラハ城の案内をお願いしている。
今日は土曜日でお天気も良く、最高気温は17度くらいと予報がでている。
鼻歌がでそう。
外に出るとやはり暖かい。玄関前で日本人とわかる女性発見。30代と言ってましたが、
とても若く見えます。学生さんみたい。「あ、初めましてSです。今日はよろしくお願いします」「こちらこそよろしくお願いしまーす」
昨日YさんからのMailで、トラムの一日券を立替えで購入しておきますので、あとで精算お願いしますとの事でした。その方が時間の節約になるでしょうとの提案でしたので受けることにしました。
さっそくトラムでプラハ城へ。
お天気のせいか土曜日のせいか、かなりの人、人、人。
入口は長蛇の列。
まあ、仕方ないでしょう。人気の観光地なのですから。
プラハ城、大聖堂。物凄い。
800年代の建築物。日本は平安時代だ。
もしその頃の日本人がこれを見たら腰を抜かしていたに違いない。
今の自分でさえそうだ。
当時の人間達が、人が出来うる、大きさと高さに挑戦したらしい。
黄金小路でお土産を買う。カフカの仕事場だった処もあって、そのまま保存してあった。
これで最後のお土産。結構使いましたね。
一通りみて回り「なんか飲みません?」「もう少し行くとショップあります」とことこ歩く。
「ここが世界で一番見晴らしが良いスターバックスと言われてます」
確かに。プラハ市内が一望できます。桜が咲いてます。でも満席でした。
「そろそろご飯にしませんか」「そうですね。じゃ、予約してますので行きましょう」
「行きましょう」5分ほど歩く。さっきの喧騒とは打って変ってシーンとしている通りへ。
誰も歩いてない。裏路地ですね。
カフェテラスのあるレストラン。ちょっと早かったが入れてもらった。若い女性が多い。
白い漆喰の壁や梁や柱が「カサブランカ」の「カフェ・アメリカン」のようだ。
イングリット・バーグマンがいてもおかしくない。
私達が座って間もなく満席になった
「ここ繁盛店なんです」
「そうみたいですね」当然のようにビール。
「私も友達とよく来るんですよ」
ハムが入ったスープ。当然白いパン。
Yさんは旅の途中でプラハが好きになり、プラハの大学を受験しようとチェコ語を
勉強中だそうです。チェコ語で合格すれば授業料は無料になるのだそうです。
「へぇーーー、そうなんですね。頑張って下さいね」
帰りはゆっくり徒歩で。
カレル橋を渡る。
やたらと人が出ている。似顔絵描きや、オジサンバンドが賑やか。
ほぼお祭り気分。
旧市内も散策しました。ジョンレノンPUB。ジョンレノンの壁。
落書きですが、若者の熱気を感じました。
「ALL YOU NEED IS LOVE」が印象的でした。
一週間くらいすると役所の人間が真っ白に塗りつぶすんだそうですが、次の日からまた新しい落書きが始まるそうです。
今日は4時からまたRudolfinumへ。
疲れたからキャンセルしようかなぁ?少し迷ったが、やはり行こう。ここまで来たんだから。
5~6歳の子連れが多い。全身緑色の格好をした子供たちがいる。顔を緑色に塗ったお母さんもいる。子供たちは頭にプラプラする触覚のようなものをつけている。なんだ?何が始まるんだろう?
今日に限って撮影はOKでした。
報道のカメラマンなどもいて、お母さん達はスマホでガンガン写真を撮っています。
楽団員が入場する。みな頭に触覚を付けている。指揮者も。指揮者は緑色のマントも着ている。
いよいよ開演です。チェコの国旗を持った宇宙服を着たオジサンが登場する。
だんだん様子が解ってきた。
つまり子供たちの音楽教育の一環で、チェコのオジサンが銀河系のとある星に降り立ちました。そこは緑色の肌をして触覚のあるエイリアンが住んでいて、オジサンにお遊戯をみせてくれたり、歓迎してくれますが、オジサンはホームシックになりチェコのことを懐かしく思ったりします。この一連の物語に「モルダウ」の出だしの部分や「新世界より」の4楽章の始めの部分など、ところどころにオケを入れてきます。シャボン玉を吹いたりお遊戯をしたり、見ているだけで、結構自分も楽しめました。
音楽とは何か?この国は幼児の音楽教育をこんな形でやっているんですね。
しかもフルオーケストラで全面協力です。うらやましいです。
ホテルへ戻って、シャワーをやって、夜はMさんとJAZZBOATへ行く予定。
明日は朝早いので荷物をまとめておく。起きたらすぐチェックアウトできるように。
JAZZBOATは20時から。
一昨日「19時40分頃迎えにいきます」とMさんから言われていました。
「こんばんわぁー」「こんばんわぁー宜しくお願いしますぅー」今日は時間ぴったし。
川沿いの石畳みを歩く。どこかの国のおばさん達4、5人がゲラゲラ笑いながら歩いている。
私にも話かけてきた「どこの人ですかね?」「私もわからないわ?」
ちなみにMさんは5か国語の達人です。「全然わからない言葉」ほぉーー。何語でしょうね?
JAZZBOATの乗り口へ。並んでいる。「まだちょっと早いみたいですね」
少し待ちます。並んでいる人達はどうやら予約なしの人達で、当日券狙いらしい。
「私達は予約してるので並ばなくてもいいんですよ」あーそうなんだ。
入口で、いいよーと合図している。Mさんはスマホをみせて確認しています。
「ウェルカム」と言っている。Mさんが先に入り「このテーブルですよ」
なんとバンドのまん前。ラッキー!リハーサル中でした。ほぼ満席。
すると白人の叔母さんと若い男の子が話かけてきた。英語だ。
Mさんになんか話している。このテーブルをシェアさせてくれないかと言ってるそうです。
つまり相席。「どうですか?」「あ、いいですよ。どうぞ」「ごめんね」といってるようです。
Mさんが「とってもきれいな英語だわ。クリアで」
やがて船が動きだす。岸辺の夜景を見ながら、JAZZを聞きながら、なんと贅沢な時間でしょうね。
約2時間ほど。楽しかった。
Mさんとホテルまで歩く。「あー今回はホントにお世話になりました」
「こちらこそありがとうございました」ホテル前でMさんとお別れ。
明日は帰る日。
音楽漬けの4日間はあっという間でした。今日は結構酔いました。
3月31日
チェックアウトを済ませてロビーの椅子に座ると同時に、ガッチリした感じの男性が入って来た。
私を見るなり「S?」「イエス」もう迎えに来てくれたみたい。
空港まで送ってくれる。空港に着くと荷物を降ろしてくれて「Have a nice day!」
「Thanks you too!」ありがとーー。
やはりもう一度きたいなぁ。
やはり音楽ですよ。あのドヴォルザークホールで「新世界より」をじっくり聞けたらなぁ。
スメタナホールで「モルダウ」など聞けたらなぁ。
そんな事をつらつら思いながら、機上の人となりました。
Mさん、Dさん、Yさん。ガイドをしてくれたこの人達との出会いも全くの偶然でしたが、何かに引き寄せられたようで、短い時間でしたがとても充実していたように思います。楽しかったです。
パーパスジャパンに出会えたのも何となく検索しての事。全くの偶然。
「応援します。目的のある旅」このキャッチコピーにグッと来ました。
自分でも気付かないフォローがあったのかもと感謝しています。
また、いつか。
今回いただいた旅行記をとても楽しく拝読させていただきました!S様がご旅行中に感じたこと、考えていたこと、体験されたことが良く伝わってきて、しみじみしてしまいました(笑)
念願のチェコフィルを生で聴けたということで、そのお手伝いができたことを本当に嬉しく思います。
弊社を偶然見つけていただいたのもご縁ですね。またぜひご旅行の機会がありましたら、お気軽にお声がけください!