イッタラガラス工房見学とヌークシオ国立公園への旅
期間:2019年6月11日~2019年6月18日
T.O. 様
フィンランドという国は、こどものころからずっと行きたかった場所でした。
始まりはムーミンからで、作者のトーヴェ・ヤンソンの国はどんなところだろう?と調べていくうちに、北欧デザインの世界にもどんどん惹かれていきました。
フィンエアーもずっと昔から乗ってみたい憧れのエアラインでした。
主人がまとまった休暇が取れることになったのをきっかけに、長い間抱いてきた夢をかなえるチャンスだ!と、忙しい仕事の合間を縫って計画を練りました。
こんな自由な旅が本当に自分たちにできるのか、ときどき不安にかられながらも、パーパスジャパンさんに助けていただいてやっと実現にこぎつけることができました。
ぜひ見たかった、体験してみたかったこととしては、
・iittala社のガラスファクトリーとiittala博物館の見学
・アアルト自邸や、アアルトが設計した建物や家具、照明、食器などをたくさん見たい
・フィンランドの森と湖が体感できる場所でのピクニック。
とくに、焚き火をして、そこで現地の人びとが食べているようなマッカラ(ソーセージ)を
焼いて食べたい!
北欧デザインと、トーヴェ・ヤンソンが見て育った場所のような自然に触れてみたいと思っていました。
〈 ヘルシンキ滞在中のホテルについて 〉
ヘルシンキ市内での宿泊は、カンッピ・ショッピングモールに隣接したヘルシンキ市内のスカンディック・シモンケンッタを手配していただき、たいへん快適に過ごせました。
少々ぜいたくしすぎかとも思ったのですが、立地がとても便利なことが決め手になり決定。
チェックインしてみたところ、全日程にわたってバスタブ付きの部屋にアップグレードしていただけていて、湯沸かしポットやインスタントコーヒー、紅茶などの備え付けもあり、ベッドもとてもやわらかく寝心地がよかったです。これで旅行中の疲労のとれかたがだいぶ違った気がします。
朝食は、サラダやスクランブルエッグ、ソーセージからフルーツまでひと通りのメニューがそろっており、特にハムやパンの種類が充実していて、小さいシナモンロールは主人が気に入り、私はヨーグルトにベリー類のソースをかけて食べることにハマり、ほぼ毎日同様のメニューでも飽きなかったです。
ホテルでの朝食
ホテルにはサウナがあったようでしたが、あいにく女性用のサウナが修理中だったのか使えなかったのが残念でした。
少し当てが外れたことといえば、ホテル前のトラムの停留所から乗れる路線が、直前にガイドブックなどで情報を得ていた路線から大幅に変更(廃線になったルートも)があり、ホテル前から1本でいくつかの目的地へ行けるはずが少し離れた停留所まで歩いたり、乗り換えたりしなければいけなかったこと。具体的には、2番と9番であったのが、7番と9番に変わっていたのです。
少し慌てましたが、入国後すぐにヴァンター空港のインフォメーションカウンターで念のためにもらっていた最新のトラム路線図が役に立ちました。
〈 イッタラガラス工房見学ツアー 〉
現地到着2日めには、手配をお願いしていたイッタラガラス工房見学ツアーへ。
ホテルからiittala社のあるイッタラ村までは車の送迎を手配していただき、現地での見学に余力を残せたのはたいへん助かりました。ドライバーさんは明るく物腰の柔らかな女性の方で、マイ・スオミ社のガイドご担当の栗田さんを交えて快適な道中でした。
現地に到着してまだ右も左もわからなかったため、栗田さんには、フィンランド旅行中の心配事について、車内で質問攻めにしてしまいましたが、おかげさまで疑問点がすっかり解消し、その後の旅行日程での不安がなくなりました。
トラムなどが乗り放題になるデイチケットの買い方(Rキオスキで、○days ticket、ZONE A・Bと言うとヘルシンキ周辺で使用できるものを入手可)から、トイレ事情(ヘルシンキ市内での無料トイレの探し方や、後半で訪問するヌークシオ国立公園内の”ドライトイレ”の使い方など)……。
車で高速を利用して1時間半ほどで、ハメーンリンナ市近くにあるイッタラ村に到着。都会のヘルシンキに比べて緑が多くのどかな風景のなかに可愛らしい建物が点在しています。駐車場に入る道がなかなか見つからなかったりとハプニングもありつつ、なんとかアウトレット前に到着。
iittala社の見学ガイドも日本人の女性の方で(お名前を失念しました)、最初にイッタラ・ガラス博物館を案内してくださいました。
もともと牛舎として使われていた建物を改装した、2階建ての素朴な博物館です。
ガラス博物館
その後は待望の、ガラス製品がいままさに生み出されているガラス工房へ案内され、テラスからの見学。目の前で、あのアアルト・ベースなどの作品が誕生する瞬間を見ることができ、感激しました。
ガラス工房入口
ガラス工房の様子(2)
ガラス工房の様子
その後は、敷地内のアウトレットに隣接するカフェ、「カハヴィラ・ラヴィントラ・アイノ」でランチをいただいてから慌ただしくアウトレットへ。
ここでは小さな食器を買っただけですが、入口にはアアルト・ベースを制作する新旧の型の展示を見ることができました。古いものは木製、最近は金属製のものを使用しているため、新旧で表面のなめらかさなどが異なることを教えていただきました。
アウトレット
アアルト・ベースの新旧の型
〈 ヌークシオ国立公園でのピクニック 〉
旅の終盤に、もうひとつフィンランドでぜひやりたかったことを実現。
そう、「フィンランドの森と湖が体感できる場所でのピクニック。とくに、焚き火をして、そこで現地の人びとが食べているようなマッカラ(ソーセージ)を焼いて食べたい!」というあれです。
タクシーでホテルに迎えに来ていただき、ヘルシンキ市から、エスポー市に隣接するヌークシオ国立公園内の、Siikajarvi湖畔にあるホテリ・ヌークシオに移動。いったん荷物を預け、そこから事前にルートを教えていただいていたHolma-Saarijarvi湖畔の焚き火場を目指し片道3kmのウォーキングをスタート。
ウォーキングルートの入口
運動不足の身にはまあまあハードなアップダウンと、岩盤むき出し、根っこ地獄な林間コースを2時間強歩き通し。何度か座り込み、途中のKolmoislammit湖で神秘的な眺めに見入りながらひと息ついたりしつつ、ようやく目的地へ到着。
Kolmoislammit湖
目的地、Holma-Saarijarvi湖畔
これも事前に細かく教えていただいていたとおり、薪小屋から白樺の薪を何本か頂戴し、焚き火場で白樺の表皮をむいて着火剤にし、ライターで火おこしに挑戦。
フィンランドにいるあいだに雨が降ったのは前半の1日のみで、あとはほとんどからっとした天気(快晴で暑い日も)だったためか、白樺の薪や焚き火場がよく乾燥していて、ライターと白樺の表皮を使って、拍子抜けするくらい簡単に火がおこせてしまいました。
薪小屋
前日、ヘルシンキのホテル近くのスーパーマーケットで購入していたマッカラも、焚き火場に用意されている焼き網の上で期待した以上に上手に焼けました。
同様にヘルシンキで買ってきていたサンドウィッチやシナモンロールとともにランチタイムに。歩き疲れたあとの焼き立てのマッカラは美味しかった!
焚き火場の近くの湖や木々は美しく、静かで鳥の鳴き声しかしない林間でしばし休憩。
焚き火でマッカラ焼き
焚き火場
日本ではなかなかできない貴重な体験が、まさか遠い異国のフィンランドの森の中で実現できてしまうとは、びっくりです。
フィン人の父が娘ふたりをつれ「Terve! Hei!」と通りかかったり、橋を渡った湖内の小島のキャンプ場で、湖畔で泳ぐお兄さんや親子を眺めたりしたのもいい思い出。ゆったりとした時間を過ごせました。
キャンプ場
その後戻ったホテリ・ヌークシオで1泊した次の朝はホテル近くのSiikajarvi湖畔を散歩。
このホテルのゲストのほとんどが地元フィン人のようで、昨晩は何組かの親子がこの湖畔のサウナをにぎやかに満喫していましたが、朝のサウナ小屋周辺は静寂につつまれていて、早起きの鳥がさえずり交わすのを聞いてまたまったり。
ヘルシンキ市内にいるときとはまったくちがう、森と湖の国という、ほんとうのフィンランドの姿を見ることができた気がしました。
ホテル周辺
Siikajarvi湖畔
散歩♪
〈 その他の観光について 〉
ヘルシンキに滞在するあいだは、トラムを利用しながら毎日市内を見て回りました。
イッタラガラス工房見学とともに楽しみにしていたアアルト自邸見学をはじめアカデミア書店を訪ね、カフェ・アアルトでのランチ、アルテックやマリメッコ、イッタラ・アラビアショップめぐりなど、エスプラナーディ通りの散策、デザインミュージアム、市立美術館、テンペリアウキオ教会、カンッピ礼拝堂、ヘルシンキ大聖堂見学、トーヴェ・ヤンソンが小さい頃に住んでいたカタヤノッカ地区やマーケット広場の散策、スーパーマーケットでの買い物、フィンランド料理レストランでのディナーなど……。
ほぼ思い残すことがないくらいにヘルシンキを満喫しました。
足腰に不安がありながら、当初の目標よりも、こんなにたくさん回ることができたとは、自分でも驚くほどでした。
街角にて
港にカモメたち
行き帰りのフィンエアーの座席はオンラインチェックインで事前に希望の場所を指定でき、最新の機体内で快適なあっというまの行程でした。
ヴァンター空港内では、オープンしたばかりのMOOMIN COFFEEに入ることもできて大満足。
小さいころから憧れてきた場所を、ついに訪れることができ、今でも夢のなかにいるようです。
一生の思い出になりました。プランニングに関わってくださったすべての方々に感謝しています。
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