◇ 25日(水)トゥールーズ
夜行便で日本を出発したので、午前中にフランス トゥールーズに到着。タクシーでホテルに向かい、荷物を預けてトゥールーズ市内を散策。天候は小雨時々曇り。
サン・セルナン教会(教会内部見物) → ラヴァード通り経由ガロンヌ川右岸をヌフ橋
まで散策
→ メス通りの途中で昼食 → サン・ティエンヌ大聖堂(内部は改装中) →
地下鉄でマタビオ駅往復(翌日の確認のため) → キャピトール見物 → ホテルチェックイン。
シーズンではない為か市内の観光客は少なく、アジア系の観光客には全く出会わず。
サン・セルナン教会はなかなか大きく立派で、見学の価値はあった。
ホテルは地下鉄キャピトール駅から近く、四つ星クラスなので内装は優れていた。
但し、残念ながら部屋は3階、しかもエレベータ―の備えていないフロアーであった。
最終日前日もまた同じホテルとなるので、エレベータ―の備えてあるフロアーへの予約変更を頼む。
◇ 26日(木)ルルド
午前にトゥールーズ マタビオ駅から鉄道でルルドに向かう。宿はルルド駅から3分の所にあり便利。
先ずは宿で観光案内所の場所を聞き、翌日のルルドからガバルニー行のバスの状況を調べた。
結果は「既に観光シーズン終了でルルド迄の直通バスの便はなく、途中のリュス・サン・ソバールまでルルド駅前からバスで行き、そこからタクシーでガバルニーに行くほかはない」との説明をうけた。
ルルドの市内観光は先ず城塞(ピレネー博物館)を見物。小高い所に作られた古城で、当日天気も良く、最上部からはサンクチュアリーを始めピレネーの山々も遠くに見え、又場内の博物館も整備されていたので見学の価値は大きかった。
城塞の次にサンクチュアリーに向かう。日没前にロザリオ聖堂、無原罪のお宿り聖堂&周辺を見物し、近くのレストランで夕食後、21時から始まるミサを見物。
驚いたのは4月から9月迄毎夜行われるこのミサであるにも拘らず、集まる人の人数が多く盛大なミサであった。パリに次いでホテルの数が多い町であることに納得。二つの聖堂は同じ建屋の上下階で分かれており、中の礼拝室は建物の大きさの割には随分小さいものである。又建てられたのが19世紀なので新しい。
◇ 27日(金)ガバルニー
この日も天候は良好。バスでルルド駅前からリュス・サン・ソバール向かう。
乗車時バスの運転手が何か説明してくれたがフランス語なので判らず、同じバスにいた学生が英訳してくれたところ、リュス・サン・ソバールまでの直通バスはなく、途中で乗換との事であった。
リュス・サン・ソバールで早速 観光案内所へ行きガバルニー行きのタクシーの手配を依頼した。幸いに、丁度そこにいたフランス人カップルもガバルニー行タクシーを必要としていたので、4人相乗りでガバルニーに向かう。費用は一人当たり10ユーロ。
相乗りしたフランス人カップルはニースから来た人で、ピレネーの山を1か月近くかけて順にトレッキングしている、男性は英語が出来るが、女性は日本に行った経験があるそうであったが英語は出来ず、“こんにちは、ありがとう”程度の日本語であった。ルルド、リュス・サン・ソバール共に観光案内所の職員は英語が出来るので助かった。結果として、タクシー相乗りをしたカップルとガバルニーでの宿は同じであった。
日本では事前にピレネートレッキングに関する地図、書籍等を探すことはできなかったが、タクシーで一緒だったフランス人の男性はよく知っており翌日の朝食時に懇切丁寧に登山ルートの説明をしてくれた。
ガバルニーの宿はホテルとは名ばかりの個室、バス・トイレ付きの(バスタブは無い)山の民宿といった感じ。おかみさんは親切であるが英語は余りできない。旦那はフランス語のみで愛想も悪い。部屋は3階であった、当然ながらエレベータ―はない。部屋からは南側にガバルニー圏谷、そして落差400m以上のヨーロッパ最大のガバルニーの滝もみえた。
11時頃着いたのでチェックインは出来ず、必要な荷物のみ持参し先ずは観光案内所へ行き、ハイキングルートの説明をしてもう。その後、近くの登山用店でガバルニー圏谷の地図(1/2.5万)を購入。メインルートコースのハイキングを行う。メインルートはHotellerie du Cirqueまでの往復であるが、一寸疲れていたので、半分くらいの所で引き返す。シーズン外れの為か又は平日の為か、ハイキング客は
少なかった。ハイキング道は広く、天候が良ければスニーカーでも十分可能。又長距離歩行が困難の人は馬で行くことも可能(もちろん馬子付)
宿の料理は郷土料理のカスレ。各種の肉の塊に野菜を鍋に入れ煮込んだもの。量も味も満足。
◇ 28日(土)ガバルニー
天気は快晴、当日は同じ宿のフランス人カップルから教えてもらったルートでガバルニー滝を見るルート(宿 → The Bellevue plateau → Hotellerie du Cirque → 宿)をトレッキングすることにした。このコースは宿から向かって右側(東側)の登山ルートで、ルートの西側に滝を見ることになる。
滝に日が当たるのは12-14時頃となるので10時ごろゆっくりと出発。
村の教会の脇を1.5時間ほど登るとBellevue plateauに着いた。此処は開けた台地で小さな避難小屋あり。前方にはガバルニー圏谷が大きく広がり、滝も見える風光明媚な場所である。但し、渇水期の為か水量は少ないようであった。タスマニアから一人できた女性と出会う。
写真撮影、昼食等でゆっくりしてから、Hotellerie du Cirqueに向けて谷に向かって下り、1.5時間ほどで着く。このルートは完全な登山道なのでスニーカーよりも登山靴の方が適している。
途中Hotellerie du Cirque向かう道で一カ所、鎖場が有った。ルート途中で日本人カップルに出会う。このカップルとは同じ宿で夕食時に又出会う。群馬県片品村(尾瀬の麓)かた来られたご夫婦だそうである。
Hotellerie du Cirqueでカプチーノ&コーラで休息後 宿に向けてメインルートを下山。土曜日のせいか、昨日よりは人は多かった。
夕食は昨日と同じカスレであるが具が前日とはやや異なっていた。
◇ 29日(日)ガバルニー
天気は快晴。本日はローランの裂け目の良く見えるEspuguettes小屋までの往復コースを行くことにした。やはり10時ごろ宿を出発。メインルートの途中から西側に分岐した登山道を上る。途中クロッカスに似た花が結構咲いていた。
1時間くらいで森林限界(1700mくらいが森林限界か)を過ぎたところで開けた台地があり、一寸先に小さな避難小屋(Cabin de Pailla)が見えた。Espuguettes小屋までは此処からさらに250mほど登る。
ローランの裂け目を始めピレネーの山々が良く望める台地である。昨日登ったThe Bellevue plateauとは丁度180度逆の風景で、ガバルニーの滝は見えない。
昼食を取り、家内はそのまま休憩、私はEspuguettes小屋まで往復する。Espuguettes小屋では登山者たちが休んでいた。此処からの景色は今来た下の台地と変わらず、又地図にあった池も秋の為か水はなかった。下の台地に戻り、家内と合流し、宿に戻る。
ガバルニーでトレッキング旅行者はアジア系の人は同じ宿となった日本人夫婦のみで、中国、韓国人は見当たらなかった。この日のルートも出来ればスニーカーよりも軽登山靴の方が適する。
◇ 30日(月)ピック・デュ・ミディ
天気は快晴、ラ・モンジ行の予約した車は14時に迎えに来るので、それまで村の中を散策、さらに翌日のラ・モンジからルルド迄のバスの予約が必要なので、観光案内所に行き予約をしてもらう。
車でラ・モンジに向かう途中、ピック・デュ・ミディへの登山ルートの登山口を通過したが、毎年7月に開催されるツールドフランス自転車競技で使うコースであるらしく自転車競技を模した記念碑が有った。
ピック・デュ・ミディのゴンドラ発券所の前で車を降りる、しかしながら宿泊予定者の受付はゴンドラ乗車口近くの土産物店のレジであった。ゴンドラの下駅付近は工事中故にゴンドラ発券所から土産物店のレジまで100m近く距離が有り、非舗装道路で登坂だったのでスーツケースを運ぶのに苦労した。
途中一回ゴンドラ乗換がありピック・デュ・ミディ天文台入口に到着、英語で簡単な説明を受ける。(英語での説明はこの時のみ、他は全てフランス語で有った)部屋に案内されたが、シングルルームを2部屋。清潔でシンプルな部屋で有った。部屋には洗面化粧台とペットボトルは有るが、トイレ、シャワーは共用。
17時から宿泊者はレストランに集められ、ウエルカム・ドリンクを飲みながら宿泊、夕食、イベントの予定等の説明を受ける。我々以外は全てフランス人だった様であることもあるが説明はフランス語のみ。その後、プラネタリウムへ移動し、そこでピック・デュ・ミディ天文台の歴史の写真を見せながら解説。映画上映時には我々二人には英語のハンディホーンを貸してくれた。
夕食はワイン、シャンパンも付いたフルコースで内容は豪勢、メイン料理は魚料理であった。食事中サンセットのタイミングになり食事を中断し皆で西側の展望台に移動しピレネー山脈に沈む夕日を望む。但し、空には雲が全くなかったので赤く焼けることはなかった。
その後、天体ドームが有るテラスから星空の解説を受けながら、観察。南側の空は下界の光線が殆どないのでよく見えるが、北側は都市の夜景がやや影響していた。幸い新月から2日後だったので、月明かりの影響は無し。土星、木星が目立っていた。家内はこの後 皆と共にガイドに案内されて他の場所に移動したが、私はこのテラスで星景写真撮影を行っていたのでそのままテラスに残り、撮影後部屋に帰る。
◇ 10月1日(火)トゥールーズ
天候は晴れ。5時半起きで日の出前の撮影にテラスに行く。 日の出は7時45分ごろ(サマータイムなので)。7時半からは宿泊者も多数テラスに集まる。生憎、東の空は地平線付近に雲が多く雲間からの日の出であった。
8時頃からレストランでパン、と飲物、ヨーグルトの簡単な朝食をとる。朝食後部屋でのんびりと荷物の片づけをしていたら、室内清掃の人が来て「チェックアウト時間を過ぎています」と言われ、あわてて荷物を纏めた。昨日の説明会で、説明が有ったのではないかと思うが、フランス語での口頭の説明で有ったので判らなかった。その日は施設の案内が有るはずだったが、フランス語の説明では判らないので10時にはゴンドラでラ・モンジ村に降りる。
ラ・モンジでは事前に予約したルルド行のバスを待つ。来たのはバスではなく黒い大きなバン。白タクではないかと不審に思い疑っていたら、運転手が我々の名前を記載した紙を提示してくれたので安心、客の人数が少ないので大型バスは使わなかったそうであった。料金は1.5時間も乗って2ユーロ/人で極めて安い。途中停車しなかったことも有り、ルルドには予定よりも30分近く早く着き、おかげで2本早い列車(各駅停車)で夕方にはトゥールーズに移動することができた。
宿は初日泊まった同じホテル。チェックイン時に翌日4時の空港行のタクシーを予約してもらう。
◇ 10月2日(水)~3日(木) 機内
早朝にもかかわらず、フロントの人が好意的にバンとコーヒー、フルーツの入った紙袋(朝食を食べられないときのため)を用意してくれた。
定時にタクシーでトゥールーズ空港へ行き、トゥールーズ フランクフルト経由で帰国。
* * * * *
□ 今回の旅行の印象良かった点
1. 観光シーズンではない為か、静かで快適な旅が出来た。
2. 宿は便利で快適であった。
3. 天候に恵まれた。
4. 観光案内所では親切に英語でサポートをしてくれた。
□ 残念だった点
1. シャモニと比較してホテル、観光案内所、大きな駅 以外では予想以上に英語が通じない。
2. 宿にエレベータが無い所があり、スーツケースよりもリュックサックでの旅行が適していた。
3. ピック・デュ・ミディでは英文の宿泊ガイドが無くフランス語口頭での説明、英文の印刷物を用意して欲しかった。
4. 春と秋は観光シーズンではないので、公共交通機関の運行ダイア変更には十分気を付けるべきであった。以前9月にシャモニ―に行き、下山時、予定していた登山電車が無く、2時間徒歩で下山したことも有ったので。
5. ガバルニー圏谷の写真撮影は秋よりも、冬か残雪が有る時期の方が撮影に適していると思った。3000mクラスの山はやはり雪が無いと迫力に欠ける。