2020年夏、東京でコロナウイルス感染症の第二波が
始まろうとしている真っ只中、私は仕事でヨーロッパへ出張しました。
知人、友人からは、「え?行けるの?出国できるの?」、「え?飛行機、飛んでるの?」など、様々な事を言われ、私自身も不安がなかった訳ではありません。しかし、結論からいうと、無事、出国し、仕事をこなし、そして、無事、帰国。その一連の経験を、少しでも、皆様の今後の旅行を考えるヒントになればと、日頃お世話になっている、パーパスジャパン様に寄稿させていただきました。
今回の仕事は、昨年から打ち合わせを重ねてきた日本で開催される美術展のPRに関するもので、どうしても、日本から誰かが行く必要がありました。このコロナ禍の中、色々な情報が錯綜する中、特に、出入国制限に関しては、頻繁に変更もあり情報収集が困難でした。出国、現地までのアクセス、渡航先の行動制限、帰国時の制限等、調べる事は多く、一つ一つをクリアしていかなければなりません。
まずは信頼できる情報源として、当然、日本の省庁のホームページを参照しましたが、外務省、法務省、厚生労働省、どのサイトを見ても分かりにくく、自分で出した結論は、「外務省が出している渡航勧告レベルに係わらず、日本人が出国する場合は、個人の責任に於いて出国できる(日本国政府は法的に日本人の出国を制限できない)」、ということ。しかしながら、各省庁のどのサイトを見ても、そのようにはっきりした事は書かれていません。ここは、新設されたデジタル庁に、まずは、デザイン性も優れた、分かりやすい各省庁共通のウェブサイトを構築するところから始めてもらいたいですね。
今回の渡航先は、オランダとフランスでした。
飛行機は、KLMがコロナになってからもずっと運行を続けていましたので、普通にWEBで予約。
そして、次に、調べたのが、渡航先の情報。参照したウェブは、EUが運営しているサイト、 https://reopen.europa.eu/en
ヨーロッパと言っても27カ国あり、国毎に制限も異なります。確認すると、オランダもフランスも日本人の入国を認めていましたので、そこも問題なし(入国後の検査も自主隔離もなし)。EUの中には日本人の入国を認めていない国もあります。
そして、一番、不安だったのが帰国の際の制限でした。
PCR検査が、8月1日から唾液を採取する方法になり、待ち時間はだいぶ減りましたが、それでも、飛行機到着後、家族が出迎えにきてくれた車に乗り込むまで3時間はかかりました(公共交通機関を使っての帰宅は不可)。そして、14日間の自主隔離が始まりました。私の場合は、自宅で、リモートワークを続けながらの自主隔離で、殆ど生活に支障は感じませんでした。一応、毎日、決まった時間に、厚生労働省から(テープ案内)の電話がきて、それに、体調の異変がないかどうかの報告をするだけです。
さて、ヨーロッパの状況はというと
私が渡欧した7月末から8月初めにかけては、オランダもフランスもバカンスムード。今年は、国内で休暇を過ごす人たちが多く、田舎の観光地ほど賑わっていました。その時点では、特に外出制限もなく、レストランなども通常営業していました。
ただ、感染対策は自分で意識して、常にマスクを着用するのは当然ですが、このような時期にはケチケチせず、パリなどの大都会では迷わずタクシーを使う、TGVやタリスなどの長距離列車での移動はゆったり乗車できる1等車を手配、そして、帰国の飛行機は、貯まっていたマイレージを使い、ビジネスクラスにアップグレードしました(おかげで帰国便では、真っ先に飛行機を降りることができました)。
このような時期に旅行するには、やはり、大事なのは、信頼できる情報源を確保する事、ケチケチしない事、そして、万が一の場合に備えて、旅行保険に加入する事、だと痛切に感じました。