一人でのイタリア旅行は昨年に続き2回目になりますが
30年以上前の友人達との旅行を含めるとイタリアは3回目になります。イタリアの建築への興味は尽きることがありません。
成田から出発し、乗り継ぎのドーハ空港へ到着した時、パーパスジャパンの沢田さんからのメールにより、イランがカタールを攻撃したため、他の日本発ドーハ行の便が引き返したり欠航となっていたことを知りました。運が良かったと思っていたのも束の間、遅延により巨大な空港のあちこちに長蛇の列ができ、ミラノへの便は出発ゲートがいっこうに表示されず、焦りが募りました。結局6時間以上の遅延で出発し、期待していたミラノでの建築見学はキャンセルとなってしまいました。夜遅くにホテルに着くことができたものの、まさかの出だしでした。
次の日はホテル近くの建物を少し見学してから、鉄道でヴェローナへ移動しました。昼から現地ガイドの案内により、カルロ・スカルパの建物を2つ見学しました。通常は見ることができないヴェローナ銀行の中を歩いてまわることができ、カステルヴェッキオ美術館ではさまざまなエピソードを聞きながら展示を巡りました。暑い日でしたがガイドの方は熱心に説明してくれました。
ガイドと別れた後ヴェローナの街並を散策し、夕方に1年ぶりにヴィチェンツァにて宿泊しました。ヴィチェンツァでの目的は、街のあちこちにあるセルリアーナ(パッラーディアン・ウインドウ)を探してみることでした。セルリアーナとは、アーチと両側の矩形が一組となった開口部のモチーフのことです。私はこのかたちが普及したことに興味があります。
最後の移動先はヴェネチアです。出発前にシティパスや入島税など準備してきました。
ヴェネチアでの目的は、スカルパとパッラーディオの建築や、カナル・グランデに面する宮殿群を見学することでした。カナル・グランデはヴェネチアの中央に、逆S字に流れる大きな運河です。ゴシックからバロックまで様々な時代の宮殿が運河に面して華やかに立ち並んでいます。ヴァポレットという水上バスや対岸から、宮殿を撮影しました。
カナル・グランデに面する宮殿の一つ、カ・ドーロは、ゴシック様式の刺々しい狭間飾りを持つ美しい建物です。修復中のため1階しか見ることができなかったものの、感動的な空間でした。
アンドレア・パッラーディオによるアカデミア美術館では、6年ぶりに公開されたレオナルド・ダ・ヴィンチによる「ウィトルウィウス的人体図」を見ることができました。このドローイングだけは光に当たる時間が厳格に管理されており、20分間ごとに幕が開閉します。幕が上がっている間に並んで一人ずつ鑑賞します。ノーフラッシュなら撮影はOKとのことで、精神を集中して撮影しました。小さな図で繊細に描かれていることに驚きました。
ヴェネチアには教会がたくさんあり、アンドレア・パッラーディオや弟子のヴィンチェンツォ・スカモッツィ、その弟子のバルダッサーレ・ロンゲーナの教会も見ることができます。
ヴェネチアは限られた陸地に建物が密集しており、その中でサン・マルコ広場は広く贅沢に作られています。約30年ぶりに再び来ることができ、感激しました。夜にはレストランで演奏が行われ、人出が絶えず賑やかでした。
サンマルコ広場の片隅にカルロ・スカルパによるオリベッティ・ショールームがあります。スタッコ仕上げによる白く美しい壁面や、手の込んだディテールが異彩を放ち印象的なインテリアです。他にもクェリーニ・スタンパーリア財団、マシエリ、ヴェネツィア建築大学の正門といったスカルパの作品を見てまわりました。
北イタリアの国際空港のあるミラノからヴェネツィアまでの間にある街を、鉄道にて途中下車しながら訪れました。今回見学できなかったミラノへはまたリベンジしたいと考えています。