パッラーディオとスカルパの建築を巡る北イタリア(2)
ミラノ・ヴェローナ・ヴィチェンツァ・ヴェネチア8日間

期間:2025年06月23日~2025年06月30日
佐久間達也 様

GON-001852

一人でのイタリア旅行は昨年に続き2回目になりますが

30年以上前の友人達との旅行を含めるとイタリアは3回目になります。イタリアの建築への興味は尽きることがありません。

成田から出発し、乗り継ぎのドーハ空港へ到着した時、パーパスジャパンの沢田さんからのメールにより、イランがカタールを攻撃したため、他の日本発ドーハ行の便が引き返したり欠航となっていたことを知りました。運が良かったと思っていたのも束の間、遅延により巨大な空港のあちこちに長蛇の列ができ、ミラノへの便は出発ゲートがいっこうに表示されず、焦りが募りました。結局6時間以上の遅延で出発し、期待していたミラノでの建築見学はキャンセルとなってしまいました。夜遅くにホテルに着くことができたものの、まさかの出だしでした。

次の日はホテル近くの建物を少し見学してから、鉄道でヴェローナへ移動しました。昼から現地ガイドの案内により、カルロ・スカルパの建物を2つ見学しました。通常は見ることができないヴェローナ銀行の中を歩いてまわることができ、カステルヴェッキオ美術館ではさまざまなエピソードを聞きながら展示を巡りました。暑い日でしたがガイドの方は熱心に説明してくれました。

ヴェローナ銀行の内部にある装飾
ヴェローナ銀行の内部にある装飾

カステルヴェッキオ美術館の常設展示
カステルヴェッキオ美術館の常設展示

ガイドと別れた後ヴェローナの街並を散策し、夕方に1年ぶりにヴィチェンツァにて宿泊しました。ヴィチェンツァでの目的は、街のあちこちにあるセルリアーナ(パッラーディアン・ウインドウ)を探してみることでした。セルリアーナとは、アーチと両側の矩形が一組となった開口部のモチーフのことです。私はこのかたちが普及したことに興味があります。

ヴェローナのボルサリ門
ヴェローナのボルサリ門

ヴィチェンツァのセルリアーナ
ヴィチェンツァのセルリアーナ

最後の移動先はヴェネチアです。出発前にシティパスや入島税など準備してきました。

ヴェネチアでの目的は、スカルパとパッラーディオの建築や、カナル・グランデに面する宮殿群を見学することでした。カナル・グランデはヴェネチアの中央に、逆S字に流れる大きな運河です。ゴシックからバロックまで様々な時代の宮殿が運河に面して華やかに立ち並んでいます。ヴァポレットという水上バスや対岸から、宮殿を撮影しました。

リアルト橋からのカナル・グランデの風景
リアルト橋からのカナル・グランデの風景

カ・レツォーニコの中庭
カ・レツォーニコの中庭

ドゥカーレ宮殿の大会議場
ドゥカーレ宮殿の大会議場

自然史博物館の外観
自然史博物館の外観

カナル・グランデに面する宮殿の一つ、カ・ドーロは、ゴシック様式の刺々しい狭間飾りを持つ美しい建物です。修復中のため1階しか見ることができなかったものの、感動的な空間でした。

カ・ドーロの外観
カ・ドーロの外観

カ・ドーロの1階
カ・ドーロの1階

アンドレア・パッラーディオによるアカデミア美術館では、6年ぶりに公開されたレオナルド・ダ・ヴィンチによる「ウィトルウィウス的人体図」を見ることができました。このドローイングだけは光に当たる時間が厳格に管理されており、20分間ごとに幕が開閉します。幕が上がっている間に並んで一人ずつ鑑賞します。ノーフラッシュなら撮影はOKとのことで、精神を集中して撮影しました。小さな図で繊細に描かれていることに驚きました。

ウィトルウィウス的人体図
ウィトルウィウス的人体図

幕が降りるところ
幕が降りるところ

ヴェネチアには教会がたくさんあり、アンドレア・パッラーディオや弟子のヴィンチェンツォ・スカモッツィ、その弟子のバルダッサーレ・ロンゲーナの教会も見ることができます。

パッラーディオによるサン・ジョルジョ・マッジョーレ聖堂
パッラーディオによるサン・ジョルジョ・マッジョーレ聖堂

ロンゲーナによるサンタ・マリア・デッラ・サルーテ聖堂
ロンゲーナによるサンタ・マリア・デッラ・サルーテ聖堂

ヴェネチアは限られた陸地に建物が密集しており、その中でサン・マルコ広場は広く贅沢に作られています。約30年ぶりに再び来ることができ、感激しました。夜にはレストランで演奏が行われ、人出が絶えず賑やかでした。

サンマルコ広場の片隅にカルロ・スカルパによるオリベッティ・ショールームがあります。スタッコ仕上げによる白く美しい壁面や、手の込んだディテールが異彩を放ち印象的なインテリアです。他にもクェリーニ・スタンパーリア財団、マシエリ、ヴェネツィア建築大学の正門といったスカルパの作品を見てまわりました。

サン・マルコ広場の夜景
サン・マルコ広場の夜景

オリベッティ・ショールームの2階
オリベッティ・ショールームの2階

北イタリアの国際空港のあるミラノからヴェネツィアまでの間にある街を、鉄道にて途中下車しながら訪れました。今回見学できなかったミラノへはまたリベンジしたいと考えています。

ツアープランナーからのコメント

昨年に続き「パッラーディオとスカルパの建築を巡る北イタリア」に2年連続でのご旅行を有難うございました。予想もしていなかったドーハの攻撃によるカタール航空の遅延のためご予定されていたミラノ初日の見学ができなかったこと、心から残念に思っております。旅行記を拝読し、建築家ならではの奥深い視点に感銘を受け、パッラーディオのセルリアーナについても興味がわきました。ヴェネチアでは、レオナルドダヴィンチの貴重な「ウィトルウィウス的人体図」もご覧になられたのですね。ヴェネツィアは建築的にも芸術的にも奥が深く素晴らしい作品が豊富にあるので、3泊ではとても足りないほどの街かと思います。
今回も多くの場所をご見学いただき、充実したご旅行となられたようでよかったです。ミラノの時間がなくなり残念でしたが、次回に改めてミラノを含めた建築の旅のご依頼を心よりお待ち申し上げております。

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